86-エイティシックス-11話 後半の感想になります。
スピアヘッドが特別偵察に向かった後、初めて現地を訪れたレーナ。そこでは新たに「処刑対象」として選ばれた86-エイティシックス-と機体の整備をしているアルドレヒト中尉がいました。
アルドレヒト中尉は支配している側、アルバの人種でした。86-エイティシックス-であった妻と子供の市民権を取り戻すために髪を染めて付いていきましたが、結局妻と子供は戦死。
今まで、さんざん見てきましたが、女性・子供であっても容赦なく戦場に送り込まれるんですね・・・。その人たちは戦闘を専門にしてきたわけでもないのに。
シンには事情を話して自分の妻や子供が黒羊になっていないか聞きましたが、シンは「いない」と答えました。それを聞いてアルドレヒトは安心します。自分も死んだら妻と娘にはあの世で会えるだろうと。
アルドレヒトは死に場所を探しているのだと思います。ただ、自分には機体を整備する能力があったため、86-エイティシックス-の子供たちを助けるためにその能力を発揮する義務があると。だから、「特別偵察」・・・最後の任務に赴くとき、つまり自分の力が必要なくなった時にアルバであることを明かし、86-エイティシックス-の子供たちが望むなら殺されようとします。しかし、だれもアルドレヒトを殺そうとはしませんでした。
86-エイティシックス-とアルバの間にも、しっかりとした絆が育めるという少し皮肉がかった例になりました。
宿舎の中を歩き回るレーナ。そこで、スピアヘッドからいくつかのモノを託されました。
それは、猫と遺言。
猫については名前を付けて、もらってやってくれないかということが書かれていました。
今まで、自分たちが世話していた猫に対して名前を付けなかったのは、どうせ自分たちはいなくなるから。名前をつけて、猫がその名前に愛着を持っても呼んでくれる人がいなくなることを分かっていたからでしょうか。
あとはスピアヘッドの写真をつけて全員の名前を割り振ったり、ちょっとした憎まれ言を叩いたり。レーナが宿舎にやってくることを予想するくらいには、レーナのことを信頼していたことが分かります。そして最後にシンの遺言
「いつか…俺達が行き着いた場所まで来たら花でも添えてくれませんか?」
今後の共和国の行きつく先は86-エイティシックス-の末路とそう変わらないはずです。それでもシン達が行きついた場所まできたらとは、レーナにはそこまで生き残ってほしいということ。ある意味、レーナはシン達の意思も託されました。
戦争中に自分たちの命が脅かされるなど一つも思っていないアルバの中で、レーナは自分の命を懸けて戦争に挑むことを誓います。
そんな中、シンは夢のようなものを見ていました。憧れの兄がこれまた憧れの絵本の中の騎士の格好をして幼いシンを連れていきます。シンは無邪気な笑顔で応え、兄についていきます。
そして・・・最後には首のない死体が残されました。
続きは10月から!繰り返す、続きは10月から!
待てねぇよ!
というわけで、原作の予備知識がないまま最終話まで見た86-エイティシックス-。非常に大好きな作品となりました。ライトノベルでここまでリアルな人種差別と戦争の在り方を描いた作品を見れるとは思っていませんでしたね。
基本的にすごく暗い話で救いがないのですが、登場人物がその暗さに延々と浸ることなく、自分なりに一生懸命生きて前を向いているので、観ている私としても気分が落ちることなく夢中になって見ることができました。
あとは、アニメスタッフに非常に愛された作品なんだなと感じました。作画などのクオリティーが高いのはもちろん、表現の方法にも工夫がされており、原作の魅力を余すところなく伝えようとするところを感じました。
10月に続きが放送とのことですが、機会が合えば、原作の方を読んでしまおうと思います。
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