86-エイティシックス-の21話。
22話と23話の延期が決まり、これで3度目の延期。
公式HPのお詫びのコメントも苦しくなってきた感じがありますが(笑)、何とか製作スタッフには最後まで頑張ってほしいですね。
前回、ライデンたちもどうせ俺を置いていなくなると言っていたシン。
その言葉通り、一人また一人とシンをモルフォの下まで送り届けるために犠牲になっていきます。
シンとしては決して望んだ展開ではないですが、作戦遂行のためには必要な犠牲。
しかし、シンにとっては、この作戦が成功したとして何が得られるんでしょうか。
数少ない仲間は先に死んでいく。本人がやりたいこともなければ、生き残る理由もない。この状態でキリヤとの戦闘に臨むシンを少し不思議に思いました。(フレデリカとの約束があるとはいえ)
その答えとしては、キリヤとの戦闘中に言った「戦っている間は何も考えずに済むもんな」が一番しっくりくると思います。
自分の大切な人を失ってきたという点で似ているキリヤとシン。
じゃあ、完全に壊れてしまったキリヤと壊れかけの前で済んでいるシンに何の違いがあったのか?
それぞれの状況とか性格の違いはあると思いますが、個人的には希望があったかどうかかなと思います。
キリヤは姫(フレデリカ)を絶対に守るという使命感を抱いていました。フレデリカを守れると信じていたんだと思います。しかし、(キリヤ視点で)結果フレデリカを失ってしまったことで希望との落差がキリヤを完全に壊してしまったのかと。
一方、シンは最初から周りの仲間が死ぬ前提で生きていました。必死に戦いはするが、それは仲間の死を見届けるため。希望がないからこそ大切な人を失ってもキリヤほどの絶望は無かったのかもしれません。
人間として最初から多少壊れていたため、人の死で大きな故障にはならなかったのかと思います。どちらにせよシンもキリヤも幸せではないですね・・・。
フレデリカの陽動作戦もあり、キリヤの喉元にまで届いたシン。
その際にフレデリカの脳内によぎるのは、シンを注意するキリヤとぼうっとしているシン、そしてキリヤをなだめるショーレイでした。
もし、シン達一家が帝国にいればこのような場面が実際にあったかもしれないですね。
21話では、このシーンが一番グッときました。
国や大人たちに翻弄されてしまった子供たち、というのが86-エイティシックス-のテーマなのかなと思います。
最後のキリヤに対するトドメのシーンは演出も良くてグッと来たのですが、最後までキリヤとフレデリカの関係にはあまり感情移入できなかったですね。
その一番の理由は、やはり描写不足かなあ。
どこかで一話丸々使って、帝国の晩年を描いた方が良かったようには感じます。
キリヤの性格も最後のシンに説教している姿でようやくわかったような気がしますし。
さて、作戦としては成功に終わりましたが、物語としてはシンに生きる理由を与えなければならない2クール目。その辺りをどうまとめるのか?
楽しみです。
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