じゃあ、好きじゃなくなったら?
・・・夢佳さんの心情が良く伝わってきて、読むのが少し辛い回でした。
幼いころ、お父さんと一緒にバスケをしていた夢佳さん。
凄く楽しそうにバスケをしています。
その時、お父さんに教えてもらったのは「好きって気持ちは最強」ということ。
幼いころの夢佳さんはバスケが好き。だから最強。
パパはママが大好き。だからパパも最強。
・・・夢佳さんの両親って確か・・・
そんな大好きなバスケで初めて挫折したのは中学に入ってすぐのころ。
小学生の頃の「天才」は次のステージでは通用しませんでした。
ちょうど成長期を迎える時期。小学生と中学生では別物になりますよね。
個人的には中学生と高校生よりも違いが大きい気がします。
推薦で入学、小学生の時の有名プレイヤー。
そんな肩書が周りからの視線をより強くします。
・・・せめて、大人が色眼鏡で評価するのは止めてほしいなあ・・・。
それでも周りから期待されているのは確か。
期待に応えるためにも、しっかりと努力しなければいけない。
幸か不幸か、夢佳さんの身近には自分よりも努力する千夏先輩と言う存在がいました。
自分は期待されている、自分よりも努力してる存在がいる・・・夢佳さんが必死に練習する理由には十分でした。
それに逆比例してバスケを好きな気持ちが減っていることが分かっていても。
夢佳さんのバスケへの気持ちと同期するように父親と母親の仲も冷めていきます。
夢佳さんの家庭内での状況と似たようなことが私もあったのですが、今思い返すと、まあきつかったですね。
子供の前では必死に我慢してるのですが、同じ家の中・・・隠し通せるわけもなく。
私の場合はすぐに自分の部屋に入ってたなあ。
家に居づらくなった夢佳さんはその分、外でトレーニングするようになります。
もう努力すればするほど、バスケのことが嫌いになっていくのは分かってるのに。
またいつか、自分がバスケを好きになることを信じて・・・。
無意識に自分がまたバスケを好きになれば、父親も母親への愛情を取り戻してくれると思ってたのかもしれませんね・・・。
そんなネガティブな感情を千夏先輩には悟られたくなかった夢佳さん。
純粋にバスケが好きで、純粋に努力している千夏先輩を穢したくないという思いがあったのかな・・・
そんな千夏先輩の眩しい光すらも夢佳さんを追い込む影となっていきます。
バスケへの想いは遠ざかっていきましたが、努力の大切さは実感していました。
努力した分だけ、自信になる。自信が強さになる。
だからこそ―――自分より強い相手に出会うと、努力が足りなかったと思わせられる。
もっと頑張れたはずなのに頑張れなかったという自責の念と、努力しても報われなかったという空虚な気持ち。
苦しいですね・・・
バスケをする=努力をする。
楽しむことができなくなっていました。
そのタイミングで―――
両親が「好き」という気持ちを諦めてしまいました。
父親の母親への好きの気持ちと自分のバスケへの好きの気持ちを重ねていたはずの夢佳さんは、まず親がその気持ちを諦めてしまったことで、自分のバスケへの今の気持ちに向き合わざる負えなくなります。
そんな時に見たのが千夏先輩の必死に練習する姿。
彼女は誰が見てもバスケが好きで、前向きに練習を続けて・・・
・・・辛いなあ。
自分が後ろ向きな気持ちでバスケと向き合う中で、親友は前向きな気持ちでバスケと向き合う。
その苦しさに耐え切れなかったから夢佳さんはバスケを辞めたんですね・・・。
でも、バスケに後ろ向きになることが嫌だったということは、バスケに対する申し訳なさも感じていたんじゃないかな・・・
やっぱり夢佳さんはバスケを心から好きだったんじゃないだろうか・・・。
と、そこに現れたのは・・・
千夏先輩の試合のチケットを持った大喜。
夢佳さんにチケットを渡します。
そのチケット、夢佳さんに渡すために欲しがってたのか!?
・・・やはり大喜は良い奴だな・・・
あと・・・大喜がこれを持ってるってことは・・・松岡の野郎、負けやがったな。
一学年下の後輩に、自分が有利な勝負を吹っ掛けて・・・
ダッせーなあ、松岡wwww(私の心の狭さも大分ダサい)
ということで、今回はここまで!
今回は1話丸ごと使って夢佳さんがバスケを諦めてしまった感情の推移を丁寧に描写していましたが、思春期特有の純粋な色と濁った色が混ざり合うような複雑な心情が良く伝わってきましたね・・・
夢佳さんの涙が辛かった・・・
夢佳さんが、部活動のバスケに戻るということはないと思いますが、どう決着を付けるのでしょうか?
今週のマイフェイバリット千夏先輩。
どんな話でも千夏先輩は可愛い。(真理)
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