「妹(完全自立AI)のために命がけの護衛を!」クラスに銃は似合わない。 1巻 感想

徹頭徹尾やり遂げるんだ。---それがやつらと俺の違いだ

妹が欲しいーーー。そんな一言を発した主人公に新たな妹ができた。電子上の実存しない妹が。その妹、瑞穂の存在は道徳上の問題となり世間からバッシング。作り上げた父親は精神的に参ってしまい、妹の維持費年間1000万円を母と主人公で稼がなくてはならなくなった。高校生の主人公は、真っ当なやり方では稼げないと考え、護衛の仕事に就くことにする。採用テストとしてある中学生の護衛を担当することになった。

割となんでもありの世界観で、危機にさらされるヒロインを主人公が守るという王道展開。表現もシンプルで、リラックスして楽しむことができる作品でした。

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あらすじ

突然だが、世界初の完全無欠のAIな妹を持つ兄は、高校生になると何を始めると思う? 俺は妹・瑞穂の膨大な維持費のため、大金を稼げる殺し屋になる…はずだった。だけど会社が自分の仕事適正を護衛と見いだしたから、今俺は中学校に潜入し、ある少女を秘密裏に守る任務を遂行中だ。コードネームはPP01。そしてなぜか相棒は妹(口うるさい)。妙に可愛過ぎる護衛目標に接近(仕事だ)すると、妹がぎゃーぎゃーと騒ぐ(やかましい)。ちょっと都合の良いラブコメ展開を期待したが、そもそも甘い任務を用意されるはずがなかったわけで――では、こっそり銃を忍ばせて、クラスで任務を始めよう。

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年相応の主人公とヒロイン

この作品の主人公とヒロインは割と珍しく(?)、年相応だなと感じました。

主人公 田中(仮)は本当は高校1年生ですが護衛の任務のため中学生として潜入します。特に最初のころは周りの行動をことあるごとにガキっぽいと評価していましたが、そこがむしろ子供っぽさを感じました。妹の件で、周りの身勝手な正義感に振り回された経験から無意識に周りを見下してしまっているのかなと思います。

ヒロイン、護衛対象である谷城は弟の面倒を見ているせいか、無意識に周りの人に上からマウントを取りたがる癖があります。これはイラッとするよりはむしろ可愛いと思うくらい微笑ましいレベルでした。しかしモテる外見も相まって同級生の同性受けは悪そうに感じます。言動はギャルとまではいかないまでも、口調は軽く、上品という感じはしません。有体に言えば子供っぽい印象があります。

このように主人公もヒロインも子供だなあと感じることが多いですが、そもそも中学生と高校生なので年相応。そのように感じられたからか、彼らの子供っぽい真っすぐなところも見守るように読めました。・・・なんか自分の年齢を実感してキツイです・・・。

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何でも来い!の世界観

設定としてはそのまんま現代の日本のはずです(疫病とか大震災とかも出てきましたし)が、

  • 人工電子人間が妹
  • 敵が中学生が化け物に変態した姿
  • 主人公の組織の名前が自由戦士社・・・もうちょっと他に名前は無かったのか

など割となんでも来いの世界観です。土日の早朝にやるアニメのような印象を受けました(あまり見たことは無いですが 汗)。そのため私の中で展開にあまり合理性を求めないようになり、物語を童心に帰って楽しむことができました。

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まとめ

設定は色々混ざっている感じでしたが、表現の仕方が凄くシンプル。潜入した中学校の同級生が怪物に変わるシーンでも「そのうち、解説君がモンスターに変わり始めた。」の一文で変身しました。気軽に楽しめるように無駄をそぎ落としたように感じます。

個人的には登場人物が年相応な考え方や言動で子供だなあと思う方が、感情移入が逆にできて新鮮でした。


Dai

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