最近、自分には塵一つもなかった青春成分を取り戻すようにラブコメを読み漁っている私。
仕事で干からびた心に潤いを求めるため、これまた人気の高い「男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)」を読みんでみました。
タイトル、特に「じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?」というサブタイトルから素直になれない女の子の話かなと思っていたのですが、実際には恋心を理解できなかった女の子と異性の親友との関係の変化を楽しむ物語。
今まで友達だと思ってた相手に対して特別な感情を持ってしまう美少女。王道ではありますが、私の大好物な作風であり、小悪魔よりのヒロインが自分の感情を制御できない可愛さは私の心に潤いを与えてくれましたー。
ちなみに、一番印象に残ったキャラはヒロインのお兄ちゃんです。
ここからネタバレありです。
永遠の友情を誓った親友ふたりが――ふとしたきっかけで〈両片想い〉に!?
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SNSで話題の青春〈友情〉ラブコメディ『だんじょる?』!!とある田舎の中学校で、ある男女が永遠の友情を誓い合った。1つの夢に向かい運命共同体となった二人の仲は――特に進展しないまま2年の歳月が過ぎる……!
引用:Amazon
未だに初恋がこない陽キャ女子・犬塚日葵と、花を愛する植物男子・夏目悠宇は、高校2年生になっても変わらず、二人だけの園芸部で平和に親友やっていた。
「悠宇が結婚できなかったら、アタシが責任取ってやんなきゃねー」「日葵がそれ口走ってから、おまえの兄さんが『義弟くん!』って呼んできて辛いんだけど」
ところが、悠宇が過去の初恋相手と再会したことで、突如二人の歯車が狂い出す!? 果たして恋を知った日葵は〈理想の友だち〉脱却なるか?
花細工好きな趣味が周囲に受け入れられず人付き合いの乏しい主人公の夏目悠宇と、恋愛に興味を持つ前から多くの告白を受け、恋心というものがよく分からなくなったヒロインの犬塚日葵。
アクセサリーを作る際の悠宇の真剣な目に惚れこんだ日葵は商売下手な悠宇のためにインスタ上でモデルをすることを提案し、その代わりに悠宇の真剣な眼差しを独占する権利を求めます。
恋なんて面倒くさいという日葵の意見から、「親友」となった二人。「じゃあ、30になって独身だったらあたしにしときなよ!」という軽口をたたきながらも、日葵は悠宇に恋人ができたら祝福するつもりでした・・・が、実際に悠宇の初恋の人、榎本凛音が現れると日葵の心は意外な反応を見せ始めます。
恋愛なんて全く興味がない!と言っていた日葵が実際に悠宇を奪いそうな人物が出てくると本人も意図せず動揺するところが滅茶苦茶可愛かったです!
「あれ~、恋愛に興味がないとか言ってませんでしたっけ(ニヤニヤ)」と気持ち悪い笑みを浮かべながら読んでしまいました。・・・本当に気持ちわりぃな、私。
初恋を経験できなかった少し生意気な女の子が、親友相手に初恋に堕ちてしまう可愛さが今作の一番の魅力だと思います
日葵ちゃんが結構我儘だと思いました(笑)
散々悠宇とは恋愛関係にならないよと言いつつ、榎本ちゃんが悠宇を奪いそうになると不機嫌で不自然な行動をとり続け、しまいには悠宇の頭にカルピスをブチまけるという暴挙に出ます。
また、悠宇の方から謝らせて仲直りするために、モデルの仕事をするために東京へ行くなんて嘘を吐くなど(自分から絶交って言ったのに・・・)子供かよ!という我儘な行動をしていました。
でも、何か憎めなかったです(笑)。
子供じみた行動が逆に良かったのかな。普段は人心を操ることに長けた日葵ちゃんが、自分の心に振り回されているところが微笑ましかったです。
我儘なところも日葵ちゃんの魅力の一つに感じました。
しかし、悠宇を困らせた日葵ちゃんを浪平ばりに激怒し、説教した日葵ちゃんのお兄ちゃん。
キャラが濃すぎるよ・・・。一番目立ってたよ・・・。悠宇への愛情は日葵ちゃんよりも上なんじゃないか・・・。
最終的に悠宇と日葵ちゃんは自分の中に恋心があることを確かめて、離れたくないという決断をしました。(ヘタレて告白まではしませんでしたが)
ハッピーエンドな結末でしたが、榎本ちゃんがその結末の踏み台にされた感じがして、ちょっと可哀想でした。
榎本ちゃん、凄く応援したくなる女の子なんですよ・・・。
無愛想でキツイ印象があるけど、本当は優しくて笑顔の可愛い女の子。小学校の時からずっと一途に悠宇のことを想い続け、悠宇の前では様々な表情を見せてくれます。
メインヒロインでも全くおかしくない榎本ちゃんですが、いかんせん日葵ちゃんが強すぎた・・・!
それでも悠宇と日葵ちゃんが次の関係へ進むきっかけ作りとなった感が強くて不憫なので、もうちょっとチャンスを与えてくれないかなぁ・・・。次巻に期待です!
まあ、タイトルで結論出てるんですけどね!
個人的な結論を言えば、独占欲から始まる友情は絶対に成立しないでしょう(笑)。
仮に異性の友人に恋人ができたら独占欲が満たされないわけで、まあ黙ってみていられるわけ無いですよね。
その例が日葵ちゃん。日葵ちゃんは恋愛を面倒くさいものだと認識していたため悠宇への独占欲を親友という形で満たそうとしていましたが、実際に悠宇の独占が危ぶまれると途端に恋心を意識し始まました。
異性に限らず独占欲を満たそうとすると恋人になるしかないのかなと思います。
この作品を読んで感じたのは、
やはり可愛い女の子の堕ちる過程を見るのは最高だと言うこと!(マテ)
自分は絶対に(恋に)堕ちないと言っている女の子が、抵抗できずに堕ちていく様は一種の美を感じさせ、「くっ殺」はやはり芸術だと言うことを確認しました!
・・・半分冗談はさておき、登場人物の考え方や感じ方が変わっていくところを見ていくのは、一読者として楽しかったです。
今後、どうなっていくのか。次巻では榎本ちゃんの活躍に期待したいなぁ。
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