「結構真面目に指導していた”反面教師”」大罪ダンジョン教習所の反面教師 外れギフトの【案内人】が実は最強の探索者であることを、生徒たちはまだ知らない

読む前は生徒に見下されている指導者が実は実力者であり、生徒が危険に陥ったときに「やれやれ」と言って助け出す物語かなと想像していました。違いました。

主人公は自堕落的に生きていますが生徒の命に関わることに対してはしっかりと指導しており、自分の関わった生徒がダンジョンで命を落とすことがないように気を配っています。

強さだけではなく、知識や経験を持って自分なりに指導者としての責務を果たす主人公の魅力に、ちょっとチョロいけど人間的な魅力にあふれるヒロインが気づき、慕っていくところが面白い作品でした。

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あらすじ

あらゆる欲望を叶える、全七層の大罪ダンジョン。その探索には免許が必要とされ、教習所は今日も賑わう。そこで反面教師と呼ばれる青年ディルは、かつて自身が唯一人辿り着いた“八層目”を目指す少女と出会い!?

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特徴

思った以上に主人公がしっかり生徒に指導しています。ライトノベルの教師、特にファンタジーものの場合は全く指導らしい指導をせずに力だけ示すというものも多い印象がありますが、主人公のディルはダンジョンへもぐる際の注意点、対策、心構えなどを丁寧に分かりやすく教えています。何事にも気だるげなディルが、そこだけはしっかりしている理由は生徒を死なせたくないから。生徒を死なせないことを第一目的として指導しているのが読んでいる私にもしっかり伝わってきました。(あと、ダンジョンを潜るための教習所が、自動車教習所とシステムが似ていたのが面白かった。)

あとは、主人公が周りの女性にもてます(笑)。なりふり構わずモテるわけではなく、主人公の魅力が伝わっている女性キャラには心底惚れられています。メインヒロインの2人はもちろん、他の女性キャラも魅力的だったためハーレム的な側面も読んでて面白かったです。

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魅力

やっぱり主人公のディルが魅力的でした。

普段は退廃的に生きているのに、なんだかんだ生徒の面倒はしっかり見るところがギャップがあってよかったです。

あと一つ一つの行動に説得力があるのも良かったです。自堕落に生きているのは妹を救いきれなかったことに対して絶望したため、それでも生徒の命の危険に関することには真面目に教えるのは、生徒を死なせたくないため。ディルの行動に明確な理由があるのは、ストレスなく読むことができました。

あとはメインヒロイン2人も良かった。

どちらも主人公に分かりやすく好意を持っている二人でしたが、それとは別にダンジョンを潜ることへの明確な目的・信念を抱いており、ヒロインという立場よりも前に人間として魅力的でした。

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考察

面白いハーレム(複数の女性に好意を持たれている)の側面もある作品ですが、私は作品によっては少し拒否反応を示すハーレムものもあります。

その違いは単にハーレム要因としての女性キャラか否かがあると思います。

失礼な言い方ですが、作品によっては主人公を好きになるためだけに作ったようなキャラに感じる場合もあります。そのようなキャラクターだと人間的な魅力を感じられないので、ハーレムのための駒としか感じられない時もあります。

その点、この作品の女性キャラは主人公を好きになる一人というレッテルの前に、一人のキャラクターとしての魅力を感じます。

例えば、ヒロインの一人であるアレテー。なけなしの金をはたいて、教習所に来た彼女はディルに助けてもらったお礼としてディルの身の回りのお世話をします。これだけだと主人公にとっての都合のいいヒロインですが、彼女は主人公だけでなく周囲のすべてに対して優しく、またディルに咎められても深淵に至ることを決して諦めようとはしない信念を持っています。主人公と関係性を除外しても魅力的なヒロインでした。

主人公との関係性を除いても魅力的な女性キャラクターたちに、主人公がモテるのが私は好きです

もちろん、主人公がモテる理由に説得力があるのが前提ですが(笑)。

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まとめ

主人公が思った以上に真面目に指導者としての立場を全うしていた作品。普段の態度がだらけているとはいえ、この主人公を反面教師とするのは流石に周りが厳しいのではないかと思いました(笑)。

基本的に滅茶苦茶な悪人がいるわけではなく敵はダンジョンという天災に近い何かなのでカタルシスという面はあまりありませんでしたが、その分ストレスなく魅力的なキャラ同士の絡みあいが読めた作品でした。

・・・やっぱり自分はアレテーのような庇護欲を燻られるヒロインに弱いなぁと思います。


Dai

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