半導体の国内戦略について下記の記事が上がっていました。
甘利幹事長が言うには日本の半導体業界が海外に後れを取った原因の一つとして、自分たちの会社で開発・設計・製造まで行おうとした零細企業体制があるとして、今後はそれらを別々の企業で行うようにする分業体制を整えるべきだとのこと。
これのメリットとして、コストをカットできることがあると思います。例えば人件費の安い海外の企業に製造を頼めば、その分だけコストは安くなります。(あとは海外に工場を作るなど)。
零細企業体質にもメリットはあると思いますが、実際に分業体制の海外企業に押されているのは事実なので、分業体制にしていくのはしょうがないかなと個人的には思います。
しかし、結局は半導体製造に関しては日本国内で行うことになるんじゃないかなと予想します。
生産技術者の立場から言うと、半導体製造という細かい部分で気を使わないといけない仕事は真面目で職人気質の日本の方が向いています。私の会社の海外工場では日本じゃありえないような人的な製品異常がおきていまし・・・。
あと、最近話題の安い日本。物価が上がることに対して嫌悪感のある日本ではほとんど給料は上がらず、むしろ東南アジアでは日本よりも物価が高い国も出てきているようです。
以上の理由により海外に製造を頼むという仕組みは現状作りにくいんじゃないかと思います。(むしろ、開発などのクリエイティブな仕事は海外の方が向いているのでは?)
また、甘利幹事長は技術の進む方向が微細化から積層化に変わる分岐点にあり、日本が技術的にリードする余地があるはずだとも指摘。
ここで言う微細化とはいかに半導体の個々の部分を細かくしていくということ。いろいろメリットはありますが主にコストの面で大きな影響が出てきます。その微細化が物理的に限界に来ており、今度は膜を積み上げていくことで、まあ簡単に言えば、様々な付加価値を付けていこうとしています。
積層化であれば特に高価な装置が必要なわけでもなく、発想と工夫の勝負になるので、これまでよりは海外の企業とも戦いやすいかもしれませんが・・・工程数増えるから製造側での管理がより面倒くさくなるでしょうね・・・。
私の会社だけかもしれませんが、製造側での管理としてとりあえずルールを厳しく、多く追加していこうとする日本の生産現場。それに耐えられる人間がどれだけ要るのやら・・・。あと、変化のスピードも遅くなるけどそれは良いのか・・・。
何か話がそれましたが、とりあえずルールできつく縛ろうとする製造での考え方を変えないとどっちみち日本の半導体業界は厳しいのではないかと、妄想しています。
解決策の一つとしては、完全機械化の製造現場を作り上げることがあるとは思います。私の会社では100年後もやりそうにないですが。