「真面目過ぎた故に夏油は闇に堕ちた」
今回の話の感想でこのようなものを見ました。
ひねくれている私はその意見にちょっと違和感を覚えました。
夏油の闇落ちは真面目だけが原因なのか?
彼の心には元々人間らしい汚さや弱さがあったのではないか?と。
術師という才能を持った夏油は、その力に意味を見出そうとして、非術師を守るためにこの力はあると結論を出しました。この考えを出した時点で、彼は非術師を見下していたように思います。
夏油はのちに選択を迫られることになります。非術師は同じ術師の仲間を犠牲にしてでも守る価値があるのかと。
夏油が真面目だと言われるのは、この区別をしっかり明確にしたいという態度からじゃないでしょうか。別に非術師が守る価値があるかどうかなど、術師として明確にするところでもないように思います。一部の術師なんて自分の利益に利用できるかどうかで守るか、守らないかを判断しそうですし。・・・人の心が無さそうな論外さんとか筆頭に。
確かにまじめな印象を与える夏油のこの態度。私も真面目だとは思います。
しかし、同時にこれを私は傲慢だとも思いました。
別に非術師全体を守る価値があるか、ないかなど夏油が決めるべきことでもない。人によって、非術師の中に守る価値がある人もいればいない人もいる、術師の中にも守る価値がある人もいればない人もいる。術師、非術師など分ける必要がないことをわざわざ分けて考えている。これが夏油が非術師を見下していたことの表れだと思います。
また、彼は生き方に迷っていました。非術師を守る道と術師を守る道と。
どちらが自分の本音か分からない。つきつめては自分のアイデンティティが揺らいでいる。
この状況は”真面目”な夏油にとってはかなり辛かったはずです。
そこで九十九が「非術師がいなくなれば呪霊は生まれない」という言い訳を与えてくれます。
灰原の死、術師を迫害する村人たちと、夏油にとって都合のいい”言い訳”が続きます。
彼は非術師の皆殺し・・・九十九の言う「イージー」な道へと流されていきました。
五条は自分を置いて上にいき、孤独な中で彼は自分の”弱さ”に耐えられず、楽な道へと流されていったのでは? と見えたのは私がひねくれすぎているんでしょうか・・・。
私は夏油が好きです。夏油の判今回の判断も・・・全面的に肯定はできませんが理解はできます。人間らしい汚さ弱さが私には凄く共感できます。
しかし、夏油を擁護する「真面目」という言葉には彼の汚さや弱さを無視しているような気がして違和感を覚えます。
特に九十九を執拗に責める人たちは、夏油のその部分を完全に無視しているようで嫌でした。・・・九十九さんもそんな連続でクリティカルに失言していくか?とは確かに思いましたが。
この29話は夏油の人間としての弱い部分が最も魅力的に見えた話だったと感じましたね。
あと、やさぐれJK 硝子ちゃんが可愛すぎた。
戻さないで!
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