☆3.6
仲の悪い彩華と真由に、その関係の原因である中学時代のチームメイト明美が出てきたことで、物語が全体的に不穏な空気で進んでいく5巻。彩華と真由の過去が明らかになります。女性の人間関係特有の怖さをひりひり感じながら、主人公の悠太に一番近いところにいた”親友”彩華が恋愛バトルに本格参戦するきっかけとなりました。
基本的に自分を優先して考えながら、自分も含めて状況を客観的に見ることに優れ、効率的でドライな対応をしてしまう彩華。両親のすれ違いを見てきたことで、恋愛に対して価値を感じなくなった真由。そんな(面倒くさい)二人の中学時代を彼女ら自身の視点で振り返った描写は新鮮で楽しかったです。自分が直情的な人間なので彼女たちのような客観的な視点で人間関係を見る描写が面白かったですね。
少し違和感を感じるのは、5巻だけじゃないですが、あまりにも登場人物の精神年齢が大人すぎること。大学が舞台なので、普通のラブコメよりは精神年齢高めになることは分かりますが(個人的には高校生と大学生でそんなに変わるかなとは思いますが)、それにしても精神的に熟しすぎてるような気がします。ハッキリ言うと可愛げが無い(笑)。1~3巻は悠太が彼女に浮気されたということが背景にあったので物語全体の大人な雰囲気も違和感を感じませんでしたが、その浮気に決着がついた4巻からは違和感を感じます。登場人物全員社会人にしても良いくらいに感じますね・・・。
と言いうことで、彩華が恋愛バトルに本格参戦した5巻。悠太との関係を考えるとあまりに強すぎるので一瞬で勝負がつくと思いますが・・・どうなるのか?
あと絵の雰囲気が大分変りましたね。ラノベあるあるではあるのですが、5巻の表紙を見た時、彩華だと思いませんでした(笑)。
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