「推しが性格極悪でも、それでもあなたは推せますか?」推しが俺を好きかもしれない 1巻 感想

自分の憧れの異性が、裏では強烈な性格をしており幻滅するところから始まるラブコメ。

ラブコメのパターンとしては典型的なパターンの一つですが、それにしてもヒロインの個性が強烈だった(笑)。主人公を容赦なく罵倒するところは思わず笑ってしまいました。

そんな強烈な性格を持つヒロインが、主人公に惚れ、分かりやすいツンデレチョロインになったところは凄くかわいかったです!まあ、それでも滅茶苦茶我儘でしたが。

アイドルの実の顔は・・・というパターンは割と暗めの展開も多い気がしますが、今作は比較的ライトな雰囲気で、気軽に楽しめます。

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あとがき

放課後、推しと二人きり。格差があった二人の両片想い青春ラブコメ

クソみたいな現実でも、推しさえいれば生きていける。
俺の推しは、ネットで人気の音楽ユニット『満月の夜に咲きたい』のボーカル・U-Ka(ユーカ)だ。
ある日、彼女の配信に映ったのは――学校一可愛い俺のクラスメイト、花房憂花(はなふさ ゆうか)だった。
クラスメイトとはいえ、推しのプライベートにオタクが干渉しちゃ駄目だ!
なのに、なぜか花房は俺に近づいてきて!?
「ちょくちょく、遊びに来るから」
立場を超えた交流が始まり、俺一人だけだった放課後の部室が、推しと二人の空間になっていく。
俺しか知らない推しの一面がだんだんと増えていき――
人気ボーカルと、陰キャオタク。格差があった二人が近づく、両片想い青春ラブコメ。

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特徴

大好きな推しの性格が極悪だったら。

陰キャのオタクが絶対に関わらないようなスクールカースト上位の実は性格極悪な女の子が大好きな推しであったため、関わりを持ってしまった重度なオタクの主人公。

主人公は大好きな推しを裏切られたという想いでヒロインに対して遠慮が無くなり、ヒロインの方は自分の素の性格が既にバレていると言うことで主人公に対して遠慮がないという、物語の序盤から互いに人間関係での壁は無くなってしまった両者。

遠慮のない関係だからこそ、相手の深いところまで入っていくことができ互いを知っていく中で好意が芽生えていきます。

主人公の夜宮とヒロインの花房だけで物語の出番の9割を占めており、とことん二人の遠慮のない小気味いい会話と関係の変化を楽しめました。

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魅力

一番の魅力はやはりヒロインの花房の性格の悪さではないかと(笑)。

基本的に周囲の人間見下していますし、自分の才能に自覚的でナルシストという言葉ですら表現できない位の自分大好き人間です。主人公がある程度言い返せる関係だからコミュニケーションが成り立っていましたが、何も言えない人物だとただのいじめでしたね・・・。

ただ、我儘ですが完璧主義者で自分では認めなくても努力家ですし、ファンに対しての真摯な姿勢も持っていました。

そんな彼女が夜宮に惹かれるようになった後の可愛さはギャップもあって凄かったですし、何より微笑ましかったです。

今どき、こんなに分かりやすいツンデレいるかって位の我儘なツンデレっぷりを見せてくれました。

あんまり、こういう比較はしちゃいけないのかもしれないですが、「とらドラ」の亜美ちゃんを思い出しました。

「とらドラ」 竹宮ゆゆこ 電撃文庫
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考察

キャラクターが好意を抱いた瞬間が分かりやすく、展開が早いなと感じました。

「推しが俺を好きかもしれない」は好感度最悪のところから始まり、最終的にはヒロインがハッキリと主人公への恋心を認識するところまで行きます。

これは、この作品に限らず、最近のラノベのラブコメは大体1巻でヒロインが恋心を認識する(または既に恋心を認識している)状態になるのが多い気がします。

主人公の恋のライバルポジションが出しづらくなったのと同じで、読者にあまりストレスを掛けないようにするためなのかなと思ったり、思わなかったり・・・。

個人的に、それを否定するつもりは一切ないのですが、今回の花房のように元々が主人公より立場が上で強がりなヒロインは、恋心を自覚する過程を焦らすようにゆっくりと描くか、いっそ読者に恋心の自覚を分かりづらくする方が花房の魅力がもっと出たのではないかと思います。

恋心をぎりぎり自覚していないところで、恋のライバルが出てきて主人公に不自然にイライラしている花房を見てみたかったんですよねー。

まあ、個人的好みです。

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まとめ

天上天下、唯我独尊の裏の顔を持つ強烈な個性を持ったヒロインが、自分を推してくれている強烈なオタクに惚れ、今どき珍しい典型的ツンデレヒロインに堕ちる可愛さを堪能できる作品。

ヒロインの個性が強すぎて、逆にネットアイドルという立場が弱くなった印象を受けました。

ヒロインの花房は恋のライバルが出現するとより輝くヒロインだと思いますが・・・次巻以降の展開が楽しみです。


Dai

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