今回紹介する、私がおすすめしたい漫画は「来世は他人がいい」。
「次にくるマンガ大賞2018」コミックス部門1位を取ったアフタヌーン連載の作品です。
ジャンルとしては恋愛漫画となっており、確かにその通りなんですが・・・まあ(男側からの)狂った愛情ですね。
「これは恋愛とは呼べないだろう・・・」⇒「いや、逆に純愛なのかもしれない」⇒「やっぱりこんなの恋愛じゃねえわ」の繰り返しが襲ってくる作品となります。
背景にはヤクザ同士の抗争もあり決してラブコメとは言えませんが、程よくギャグも入ったりヒロインがさっぱりした性格なので、読み終えた時に沈んだ気持ちになる作品ではないです。
むしろ恋愛漫画なのにバトル漫画を読み終えた時のようにスッキリする漫画だと感じます。
大阪の極道の家で生まれた高校生の染井吉野は、突然祖父から東京のヤクザの孫を婚約者にされる。その婚約者である深山 霧島に興味を惹かれた吉野は東京に移り住むが、最初は好青年を演じていた霧島が滅茶苦茶な女に自分の人生を破滅されたいという狂った男だということが判明。吉野を普通のつまらない女だと結論付けた霧島は、体を売って霧島に貢ぐか大阪に帰れと吉野を突き放す。それに対し霧島への復讐として、霧島を惚れさせた後に捨ててやって大阪に帰ってやると覚悟を決めた吉野。しかし、吉野の覚悟が決まった態度に霧島は惚れ、吉野は逆に霧島から執着されることに。ヤクザの世界を背景に、暴力と愛と狂気が入り混じった純愛劇が始まる。
この作品の魅力は何といっても登場人物の狂気
霧島は一見、珍しいくらいの好青年ですが、心の中には破滅願望があり、特に女性に振り回されて人生を滅茶苦茶にされたいという特殊な性癖があります。またヤクザではないものの、ヤクザのやり方に精通しているため計画的に人を追い込めたり、喧嘩も強く5,6人程度のハングレなら簡単に倒せます。
そして、吉野に惚れてからは異常すぎる執着を見せました。
そのいくつかの例がコチラ!
という、MI6も真っ青な吉乃に対するストーカー行為を行いました。(それでも、正直吉乃に執着した後の方がまだ性格がまともになったと思う・・・。)
そして、もっと恐ろしいのが、この男は世間の常識を誰よりも理解しているということ。なので、全く興味のない相手には、本性を隠して自分を滅茶苦茶性格のいい好青年に見せることなど朝飯前です。スーパー狂人のくせに。
ヒロインの吉乃はこの狂人に惚れられ、執着され、振り回される可哀想なヒロイン。
その際に吉乃がとった行動のいくつかがコチラ!
狂人が惚れる相手はやはり狂人・・・
吉乃は霧島よりイカレてはいないのですが、ヤクザの家で育ったこともあり覚悟がガンギまってます。ファンタジー世界でもなく、本人はヤンキーでもないのに悪党に暴力を振るわれたら霧島を頼るのではなく自分一人でやり返すことをまず考えるような女性です。
4巻で霧島が言った「吉乃と結婚できる男なんて俺しかいないし、俺と結婚できる女なんて君しかいない」という自分勝手な告白も確かになあと納得する部分もあります。
基本的には非常識な霧島を吉野が窘めるんですが・・・
ミステリーっぽい緊張感ならまだしも、男女の恋愛がバトル漫画のような緊張感を醸し出す「来世は他人がいい」。
作者の小西先生の読者に伝える力も素晴らしく、ヤクザ界隈の難しい内容のはずなのにすらすらと読み進めることができる非常に面白い作品です。
ネックなのは刊行ペース。2017年に1巻が出ているので1年に1冊のペースでの刊行となっていますね。
逆に言えば、今からでも最新刊まですぐに追えるので、興味がある方は是非お手に取ってもらいたい作品です!
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