ガンガンで連載中のコミカライズ版 とある魔術の禁書目録 26巻が発売されました。
内容としては原作16巻 アックアが襲撃してくるところで負傷した上条当麻に代わり天草式が立ち上がるところから始まります。
原作ファンからも人気の高い話であり、同時に控えめに言ってもアニメの出来が残念だった話です。
この話を原作ファンからの評価が高い近木野先生がどう料理してくれるか楽しみだったのですが、
お見事!
原作の魅力をより分かりやすく、丁寧に表現してくれました。その分、アニメとの出来の差が際立っていましたね・・・
アニメとの差の一つとしてアクションシーンの迫力があります。
漫画版はアックアの途方もない強さが完ぺきに表現されていました。特に神崎との戦いは爆撃機に集中砲火でもされたのかという位、街がぶっ壊れていて大迫力でしたね。
一方、アニメのバトルシーンは・・・何というか・・・しょぼいを下回って「異質」でしたね・・・
もう一つの違いとしてはアックアの過去回想を入れたこと。
アックアはただの敵ではなく、彼なりの享受や信念を持ち合わせた格好いいキャラクターであり、そのことが過去の戦いの回想でよく現れています。この回想が漫画版では細かく描写されていました。
尺が無いのは重々承知ですが、次のイギリス編でも重要なところだったのでアニメでも細かく入れてほしかったですね。
あとアニメとの違いではないのですが、美琴が上条さんへの恋心に気づくシーンは個人的に原作より漫画版の方が好みでした。美琴の心情を細かく描写していて分かりやすかったことと、
「私、何でこんなにショックを受けてるの・・・?」
のところが恋心への気づきとして印象に残りやすかったですね。
そして、上条さんの「上条当麻の~」のところは美琴に言うのではなく、あくまで上条さんの中で決意しているのもより自然になって良かったと思います。
近木野先生のコミカライズはコマ割りの構成力やアクションシーンの見せ方なども凄くうまいと思うのですが、一番凄いなあと思うのは原作からのシーン・セリフの取捨選択。
癖の強い言い回しをマイルドにし、長文を短くまとめ上げ、その上で原作よりも分かりやすくストーリーを展開する。原作ではイマイチ理解できなかったところも漫画では理解できたということもしばしばあります。
正直、刊行スピードを除けばコミカライズとしては100点満点なのではないかと思います。
それに対してアニメはそこの部分(取捨選択)が絶望的に下手だった・・・。原作通りを心がけたのかもしれませんが、長文や癖のあるセリフをそのままアニメで採用してた時は頭抱えたくなりましたね・・・
何でもかんでも原作通りやれば良いってもんじゃないよ・・・
ですが、確かにアニメ化するには鎌池先生作品は難しいのは分かっています。(色々と癖が強いですからね・・・)
ですので、昔から思ってはいたのですが、 近木野先生のコミカライズをベースにアニメ化をやり直せばいいのでは?
原作小説をベースにするより、よほどアニメ化しやすいと思うのですが・・・。
特に3期は期待の高さから一気に地面に叩きつけられたので、リメイクしてくれないかな・・・
|