2021/9/30に発売した黎の軌跡。
2022/09/29には黎の軌跡Ⅱが発売されます。
黎の軌跡からはFalcomがゲームエンジンを一新して臨む初めてのタイトルであり、
シリーズのファンからの期待も大きい黎の軌跡からの軌跡シリーズ。
しかし、ナンバリングがなく、またシリーズの中で10作品もでているため、
シリーズファン以外の方は
「名前は聞いたことがあるけど、今までどれだけの作品が出てて、今回はどういう位置づけになるんだろう」や
「興味はあるけど、昔の作品をやってみた方が良いのかな」
という人もいるかもしれません。
そこで軌跡シリーズの今までの作品の流れ、ゲームの特徴、そして初めてシリーズをプレイしたい場合のおススメ作品を紹介していきます。
先に結論から言ってしまえば、初めて軌跡シリーズをプレイするのであれば
ベストではないけど最新作の黎の軌跡からやるのが現実的 です。
軌跡シリーズは黎の軌跡までにこれまで10作出ており順番は下記のようになっています。
①空の軌跡FC
②空の軌跡 SC
③空の軌跡 The3rd
④零の軌跡
⑤碧の軌跡
⑥閃の軌跡
⑦閃の軌跡Ⅱ
⑧閃の軌跡Ⅲ
⑨閃の軌跡Ⅳ
⑩創の軌跡
パッケージの画像の大きさやバージョンに統一性が無いですが、
そこはご容赦ください・・・。
(ちなみに那由多の軌跡はシリーズに関係するか不明なので外しています。)
これらの作品は舞台となる国や土地によって大きく3つに分かれます。
①~③がリベール王国を舞台にしたシリーズ。
④~⑤がクロスベル自治州を舞台にしたシリーズ。
⑥~⑨がエレボニア帝国を舞台にしたシリーズ。
となっています。
⑩創の軌跡はクロスベルとエレボニアのシリーズのアフターストーリー的な立ち位置。
また、時系列はおおむね作品の発売順通りになっています。(被っているのもありますが)
そして、黎の軌跡(共和国編)では
舞台はカルバート共和国という新しい地、時系列的には前作(創の軌跡)の2年後となります。
軌跡シリーズは、立ち位置的にはFalcomが出している英雄伝説シリーズの6作目になります。
・・・10作出ているシリーズがもっと大きな括りの6作目とややこしいです。
しかも、もっとややこしく言えば軌跡シリーズの中でも零の軌跡以降は英雄伝説7というくくりも存在しています・・・が、
軌跡シリーズとそれ以前の英雄伝説では、世界観が全く異なるので
英雄伝説としての立ち位置は完全に無視で構いません。
ちなみに何で同じ世界観の零の軌跡が英雄伝説7という位置づけになったのかというと
おそらく、その零の軌跡から完全にコンシューマに移行(PCから脱却)したばかりで、
どういう位置づけにするか混乱したんじゃないかと思いますが、今回は詳細は割愛。
1番の特徴は世界の中の1つの国、地域を舞台にしているということ
JRPG、例えばDQやFF、テイルズなどは世界中の様々な国を回りながら世界を救うのがスタンダードな話の道筋だと思います。
しかし、軌跡シリーズは1か所の国や地域の中を巡り、他の国は文化的交流だとか、軍事介入だとかの特別なイベントでない限りは一切かかわることがありません。
そのため、その国の歴史や文化、生活が色濃くストーリーに反映され、登場人物達の特徴・魅力を普段の生活からより深くじっくり知っていくことができます。
(キャラクターの特徴・魅力引き立たせることに注目したRPGというとテイルズと少し似ているかもしれません。)
その特徴はモブにも現れ、町や村に住んでいるモブであればほぼ全員に名前があり、設定も細かく決まっています。
また、少し時系列が経つだけでモブのセリフが変わるので、メインストーリーを進める前にモブ全員に話しかけるという、ファンの間ではマラソンと呼ばれる行動をプレイヤーが取ることもしばしば。
(もちろん強制では無いです。)
このように、その世界での実際の生活をキャラクターを通して細かく体験できる反面、知っておくべき情報や設定は大量にあります。
ですので、軌跡シリーズはじっくりRPGを進めるのが好きな人に向いている作品だと思います。
もし過去作から始めるのであれば、空の軌跡FC(リベール王国編)、零の軌跡(クロスベル自治州編)、閃の軌跡Ⅰ(エレボニア帝国編)の3つの選択肢があると思います。
そこで各作品の特徴、シリーズの立ち位置、ここから始める際のメリット・デメリット、始めるならのソフトが良い? という項目に分けて説明していきたいと思います
では、空の軌跡から!
特徴
リベール王国という比較的政治、治安が安定している国で新米遊撃士であるエステル、ヨシュアが国中を回り、人々を助けながら平和な国に迫る不穏な気配に近づいていく物語。
主人公2人は遊撃士という武力、隠密、交渉術に秀でた人々を助ける何でも屋という職業に就いています。
パーティーメンバーは全部で8人いますが、基本的にはエステルとヨシュアの物語。姉弟のように育った二人が、ヨシュアの過去を巡ってすれ違いながら、新たな絆を深めていきます。
シリーズでの立ち位置
何と言ってもシリーズの1作目。
それでいて軌跡シリーズの特徴・魅力は空の軌跡で既に完成されており、いまだに空の軌跡が一番面白かったというファンも多いです。
個人的にもシリーズの中で最も好きな作品となっています。
空の軌跡FCから始める際のメリット・デメリット
メリットとしては、シリーズの初めから作品を追えるということ。
空の軌跡で出てくるキャラクターは続編でも、本当に出番が多く、しかも深いところで関わってくるので軌跡シリーズを100%楽しみたいという方は空の軌跡からプレイするのがベストだと思います。
デメリットとしては、とにかく時間がかかる。
何せ、最新作まで追い付くのに10本のRPGをクリアしないといけないので。ドラクエの最新作をプレイするのにドラクエ過去作全部プレイしろといっているのとほぼ同じですからね・・・。
あと、2004年に発売された作品なので3Dモデルではなく、ドット絵となっています。
少し古臭さを感じるかもしれませんが、細部の作りこみはもの凄いものがあり、今プレイしても存分に楽しめる作品となっていると思います。
始めるならどのソフトが良い?
廉価版とかフルボイス版とか同じ作品でも色々種類がある軌跡シリーズ。
空の軌跡をプレイするならば、ハードとしてはPC、PSP、PSvita、PS3、PS4があります。
ダウンロード版もあるので手っ取り早くプレイするのであればPS4で「空の軌跡 FC改」をプレイするのが一番良いと思います。
注:下記の商品はPS3版
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しかし、もしPSvitaを持っているのであれば「空の軌跡 FC Evolution」が断然おススメ!
なぜならフルボイスだから!改はバトル時のボイスだけで、イベントにもボイスが付いてないんですよね・・・。
先ほども書いたようにキャラクターの特徴・魅力に注目している作品なのでボイスが付いているか、いないかは、結構大きな要素だと思います。
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特徴
大国2か国に挟まれるクロスベル自治州。経済的な恩恵を受ける一方、大国同士の代理戦争にも使われることが多く、自治権を持てないカオスな土地。
その地において、特務支援課という若く、異色な4人が集められた警察の中の奇妙な組織が、未熟ながらも青臭く市民のために行動していく中で、徐々に市民の支持をうけるようになり、クロスベル自治州という呪われた土地を救う英雄になる物語。
リベール王国よりもスケールを小さくしたことで、よりその土地やその土地に住む人々に愛着が持てるようになった作品です。
シリーズでの立ち位置
FalcomがPCからコンシューマに完全に移行した作品。
PC時代のファンから反発もあったらしいですが、それでも評価の高い作品となっています。
また、大国二つの対立状態を表すのに最適な地となっており、この世界の最大の問題点をわかりやすく表した作品です。
零の軌跡から始める際のメリット・デメリット
メリットは、シリーズ全体の流れを最低限理解できるというところ。
クロスベル自治州の問題さえ理解できれば、この後の閃の軌跡での物語の展開も付いていけると思います。
デメリットは、それでも最新作に追いつくのに時間がかかるということ。
空の軌跡FCから追いかけるよりはマシですが、それでも7作RPGをクリアしないといけません。
五十歩百歩ですね。
あと、クロスベル編まではドット絵となっています。
始めるならどのソフトが良い?
零の軌跡をプレイするならば、ハードとしてはPC、PSP、PSvita、PS3、PS4があります。
おススメはフルボイスがある「零の軌跡 改」。
空の軌跡とは違い、PS4でできるのが良いですね。
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特徴
2大国の一つであるエレボニア帝国が舞台。トールズ士官学校においてⅦ組という貴族も平民も一緒になった特殊なクラスが編成されます。シリーズにおいて最も重要な人物となった学生のリィンが、クラスメイト達と一緒に、時にぶつかり合いながら成長し、国の、そして世界の問題に挑んでいく物語。
Falcom作品において初の3D化作品。また、初めて発売当初から据え置き用(PS3)のソフトも出したFalcomの大きな転換期となった作品でした。
シリーズでの立ち位置 、評価
エレボニア帝国編自体が軌跡シリーズの1部終了の話になるため、軌跡シリーズ全体で見た時に重要な話がいくつも出てきます。
作品の評価としては賛否両論が目立ちました。
Falcom初の3Dモデルに挑戦したことで、特徴の一つであった、丁寧で繊細な作りこみに粗が出たこと。
また、恋愛ゲームのように主人公のリィンと特別な仲になる異性を選べるようになったこと。
そして、この頃からテキストの癖がつよくなったこと、などが理由として挙げられます。
一方、シリーズへの新規参入者が一番多かったのも閃の軌跡であり(Falcom40周年記念生放送より)、おそらく最新作の黎の軌跡も、基本は閃の軌跡が大きな土台になると思われます。
(追記)黎の軌跡は土台は閃の軌跡もありましたが、ストーリー展開にがダーク寄りになり、ヒロインの関係も特定のヒロインとの関係性が強くなった感じがありました。
閃の軌跡から始める際のメリット・デメリット
メリットとしては、3Dモデルの作品から始められること。
現代のRPGでドット絵のゲームはほぼ無いので、多少は馴染みやすく始められるかもしれません。
デメリットとしてはクロスベル関連の話がよく分からなくなること。
一応、閃の軌跡内でも説明はありますが、クロスベル問題やクロスベルで登場する人物が話が進むごとに多く出てくるので、話についていけなくなると思います。
始めるならどのソフトが良い?
閃の軌跡をプレイするならば、ハードとしてはPC、PSvita、PS3、PS4、switchがあります。
(閃の軌跡Ⅲ、ⅣはPS3では発売されず)
おススメは「閃の軌跡 改」。
理由はフィールド2倍速、戦闘4倍速になる高速スキップモードがあるため。
軌跡シリーズは比較的時間がかかるRPGなので、スキップモードがあるソフトのほうがお勧めです。
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ちなみに絶対におススメしないのはPSvita版の閃の軌跡。
理由はロード時間が遅すぎるため。
特に作中で最も探索する頻度の多い、トールズ学園の屋外へ出た際のロード時間が長く、学園を探索するだけで相当な時間がかかりました。なのでどうやってロード回数を少なくするかを考えて、学園を探索していました。
特徴
ファンディスク的要素が高い作品でありながらも、零、碧の軌跡の完結編にも位置する作品。
マルチ主人公による同時進行ストーリーやペルソナ3で言えばタルタロスのようなストーリーとは別のダンジョン探索(無限回廊)が設けられており、ソシャゲのガチャ要素も取り入れられるなどファンディスク的立ち位置だからこそ色々とやれた作品となります。
しかし、黎の軌跡Ⅱに同時進行ストーリー、そして無限回廊の要素がメルヒェンガルテンとして引き継がれるなど、新たに取り入れたゲームシステムの要素が好評であり最新作にも影響を与える作品でした。
個人的にストーリー以外のゲーム部分ではシリーズで最も面白かったです。
また、イベントシーンのモーション、演出にこだわるようになったのもこの作品からになります。
シリーズでの立ち位置 、評価
ファンディスク的立ち位置が強い作品であり、今までの軌跡シリーズの中でも一見さんお断りの印象がかなり強いです。
ただ、軌跡シリーズで不満が上がることが多かったイベントシーンのモーション・演出を強化したところや、前作では敵だったルーファス・アルバレアが主人公のルートのシナリオでは、シナリオ担当が変わったことで今までとは少し毛並みが違うシナリオを楽しめたことなどもあり、作品としての評価は比較的高いです。
創の軌跡から始める際のメリット・デメリット
メリットはほぼないです。
デメリットは、この作品から始めてもストーリーや世界観が全く分からないことだと思います。
ただでさえ、どの作品から入ればいいのかが難しいシリーズの、その途中の作品のファンディスク(のようなもの)なので。
始めるならどのソフトが良い?
創の軌跡をプレイするならば、ハードとしてはPS4、switchがあります。
高速戦闘・移動が最初からあるなど、基本的にユーザビリティの面は最初から充実している作品なのでPS4かswitchかどちらのハードを持っているかで、どのソフトを購入するかを決めればいいと思います。
特徴
共和国を舞台にして新たに始まる物語。
今までの軌跡シリーズとは違い、主人公側が完全な正義ではなく、光でも闇でもないグレーな立ち位置にいる人を不完全でも構わないから助け出すのがテーマとなっています。
これまでよりも人間の暗い部分に関わることが多く、そのためか軌跡シリーズでぼかしていた人の死を明確に描写するようにもなりました。
また主人公のヴァンと元恋人のエレインを筆頭に、複雑な人間関係も目立ちます。
基本的には10代だった主人公の年齢が24歳になったことなども含めて”大人”な作品となりました。
シリーズでの立ち位置 、評価
元々軌跡シリーズは帝国編(閃の軌跡)までは最初から大枠が決まっていたということで、黎の軌跡からは1から作り上げる作品となります。
また、新しいゲームエンジンでグラフィックが一新した作品ということもあり、公式からも新たに軌跡に触れる機会として最適な作品と宣伝していました。
しかし、ゲームエンジンも、ストーリーも一新したことで開発側に余裕が無かったようで、前作にはあった高速戦闘が無かったり、文字が見えづらかったりするなどのユーザビリティの最適化が不十分、またミニゲーム要素がほぼ排除されるなどの”遊び”要素もあまりない”余裕が無い”作品となりました。
また余裕のなさは宣伝にも出てたようで、同時期に発売されたテイルズオブアライズに比べてメディア展開の露出がかなり少なかったように感じます。そのためか売上本数も少し伸び悩んだという声もありました。
ただ、ストーリーやキャラクターに関しては一定の評価を得ています。特にキャラクターの人気は高く、主人公のヴァンは「今までの主人公で一番好き」という意見もあったり、メインヒロインのアニエスも人気がありながら、そのアニエスをも超える人気があるヴァンの元恋人エレインも登場します。
黎の軌跡から始める際のメリット・デメリット
メリットは
でしょうか。
デメリットとしては
それでも前作の知識が無いときついところがあるだと思います。
始めるならどのソフトが良い?
黎の軌跡をプレイするならば、ハードとしてはPS4、PS5があります。
PS5があるならPS5一択です。
グラフィックの向上、高速移動・戦闘可能、何よりロード時間の短縮の効果がすさまじいです。
特に追加要素があるわけではないですが、ゲームプレイの快適さはかなり異なります。
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2022/9/29は黎の軌跡Ⅱが発売となります。
黎の軌跡で不満があったユーザビリティの点を大幅に改善、ミニゲームも過去最多の数で充実してきそうです。
物語としてはメインキャラが大きな苦難に立たされることが示唆されており、タイムリープものになるのではないかという噂も。
公開されたロングトレーラーは過去最高の出来だというファンの方もいらっしゃいました。
黎の軌跡の反省からか宣伝も比較的多く、漫画やラジオなどのメディア展開も多く行っています。
個人的には創の軌跡のCルートを担当したシナリオの方が黎の軌跡Ⅱから本格的に参戦してくれるのではないかと期待しています。
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軌跡シリーズはどのシリーズから始めればいいのかの結論ですが、個人的には
①黎の軌跡から始める
②空の軌跡から始める
の2択です。
最新作に最速で追いつくならば黎の軌跡から始めるのが最適です。物語も(一応)一新されているので初見の方でも入りやすいと思います。
黎の軌跡以外であれば、結局どの作品から始めようが莫大な時間がかかってしまうので一から(空の軌跡から)始めるのをお勧めします。個人的には軌跡シリーズで最もおススメしたいのが空の軌跡ということもあります。
しかし、結局は個人の好みなので面白そうな作品から始めればいいかもしれません(笑)
プレイステーション公式で「はじめての軌跡シリーズ」というHPが公開されました。
そこに軌跡診断なるものがありますので、それで始める作品を決めても良いのではないかとも思いました。
とにかく軌跡シリーズに触れる方が一人でも多くなると良いなと心から願っています。