86-エイティシックス- 14話。
やはり、無茶な戦場で無類の強さを発揮していたシンは連邦軍の中でも別格。
それは予想通りとして、それを見た連邦軍の仲間はシンを英雄として見るか、化け物として見るかのどちらかだと思っていましたが・・・後者でした。
生き残りたい兵士には理解されない強さ
元々、無口で必要なことは語らないタイプのシンは連邦軍の同僚とは良好なコミュニケーションが取れていなかったため、より不気味に思われていた面もあると思います。
しかし、それ以上に理解されていないのはシンの戦場での冷静な戦いぶりと強さ。
シンは仲間が死のうと、どれだけ悲惨な戦場であろうと、自分のやるべきことを冷静にこなします。
死は「必然」のものだった86-エイティシックス-は弱いものから死んでいくのは当然のことであり、彼らの死を最後まで送り届けようとするシンの生き残れる強さは頼りになると同時に憧れの的でした。
一方、死を「覚悟」している連邦の兵士にはシンの強さは、無惨に死んでいく自分たちにとって嫉妬の的。「なぜ、あれだけの強さを持っているのに俺たちを助けないんだ」「あいつがレギオンを倒すことに夢中だから、俺たちは助からないんだ」と理不尽なことまで考えてしまいます。
いずれ死ぬ時まで精いっぱい生きようとする86-エイティシックス-とできれば生き残りたい連邦側の兵士では強すぎるシンへの見え方は異なるのかもしれません。
死神の役割は変わらずとも
そんなシンに対して友人として接する数少ない一人が、図書館で知り合ったユージン。
彼はシンを同年代の仲間として等しく接します。
戦場でシンに再会したユージンは叔母に預けた妹を思いながら「生き残った後」のことを語ります。
最愛の妹を連れて動物園か遊園地に行きたい。将来的には妹にいい学校に行ってもらいたい。
悪化していく戦況の中で、生き残った後のことを語る戦友。戦場で死ぬしか選択が無かった86-エイティシックス-の仲間たちとは違う連邦側の兵士の状況。
そして――ユージンは次の戦場で瀕死の状態となります。
妹のロケットをシンに預けて、「頼む」というユージン。
シンは今まで幾度となく行ったように、銃口を戦友に向けて引き金を引きます。
今までと違うのは―――死んでゆく戦友は生き残った後の希望を持っていたこと。
希望がある戦場での苦しみをシンは感じているように見えました。
雑記・所感
相変わらず重い雰囲気が漂う86-エイティシックス-。上が状況に気づいているかいないかの違いだけで、絶望的な状況は共和国も連邦も変わらないようです。まあ、その違いがあるだけ連邦側の方が100倍マシですが。
そんな中で癒しだったのはファイドの生存。
シンとの会話を見る限りやっぱり、ファイドがメインヒロイン!
・・・正直レーナより存在感あるのでは。
あと、戦場のマスコットとなったフレデリカも可愛かった!
ただ、マスコットの役割しかできない彼女は彼女自身の無力感に襲われそうで心配です。今のところ共和国側でシンの心情を正しく把握できるのは彼女だけなので、支えていってほしいです。
あとはシンが少尉になったのはびっくりでしたね。指揮官なのに相変わらず戦場の最前線にいるのもびっくりですが。・・・階級でレーナに追いつくのでは?
最後にシンは中年の士官から「君ら86-エイティシックス-が恩義で戦場に出る必要はない」と情けを掛けられていましたが、暗に戦場の仲間ではないと言われているのと同義のような・・・。
シン達の真の戦友と呼べるような存在が、連邦側で今後出てくるのでしょうか?
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