「読者の私が気持ち悪いツンデレっぽくなってしまった」負けヒロインが多すぎる! 1巻 感想

ガガガ文庫

クラスで背景と化している主人公とラブコメで選ばれないほうの負けヒロインが繰り広げる物語。

序盤は「うん、絶対いやだわ、このヒロイン」と思うほどヒロイン達にイラっとしたのですが、終盤になると何か変な愛着みたいなものが沸いて、悔しい気持ちになりました(?)

主人公の周りでラブコメが溢れている中で、主人公とヒロインが恋愛感情ではない一種の友情の関係を築いたところが面白かったです。

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あらすじ

「え? マケインって誰のこと?」

クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。

「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」

それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?

「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」

負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!

小学館HPより
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特徴

主人公の周りで、テンプレと言っていいような美しいラブコメが繰り広げられ、そこから無様に負けたヒロイン達がなぜか主人公と関りを築いていく作品。

個人的には報われない負けヒロインには同情してしまい、勝ちヒロインよりも好きになってしまうことが多いのですが(亜美ちゃんとか結衣とか文学少女のななせとか)、この作品の”マケイン”たちは「そりゃ、負けるわ(笑)」と思うほど空気が読めず、我儘で、品がないという一切同情できないヒロイン達であったため、最初は好きになれませんでした。

しかし、主人公とヒロイン達の、友達関係でもましてや恋愛関係でもない奇妙な関りから、ヒロイン達を良くも悪くも知っていくことで最終的に愛着が湧いてくる、個人的にちょっと不思議な作品でした。

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魅力

最終的には好感を持てるけど、素直に好きとは言いづらいヒロイン達が魅力でしょうか。

この作品のヒロイン達の性格には、オブラートにつつまず書くとイラっとします。

ヒロインの外見は普通に良いのですが、もはやそんなことは関係ありません。「恋人に求める一番の条件は?」と聞かれたときに「顔」と答える最低男の私が、「・・・やっぱり女性は性格だよな!」と思いなおすほど、マジでイラっとしました。

途中、結構過激なサービスシーンもあったのですが、ヒロインの好感度が既に下がっていた私はなぁんの感慨も湧きません。

しかし、そんなヒロイン達の失恋した姿やそこから立ち直る姿を読むうちに変な愛着が湧いてしまいました。

しかし、序盤でイラっとしてしまったため素直に好きとは言いづらい。そんなほかのヒロインには湧かないような感情を持ってしまうヒロイン達が・・・まあ・・・うん・・・魅力的でした。

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考察

主人公周りのヒロインが全員主人公以外の異性を好きであるという珍しい設定。正直、序盤は読むのがきつかったです。おそらく、序盤にヒロイン達に好感が持てなかった理由の一つだったと思います。

しかし、もはやヒロインの一人として読むことがなかったからか、一人の人間としてヒロイン達を見ることになり、ヒロインという立場や女性という性別関係なく彼女たちに愛着を持つようになりました。

なので、最後に主人公の温水とヒロインの杏奈が恋人ではなく友達として改めて関係を出発させたシーンはしっくりきました。

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まとめ

ヒロイン達に対して素直に好きとは言えない読者の私が気持ち悪いツンデレのようになってしまった物語

基本的に残念な彼女たちの姿を眺めることになりますが、終盤でヒロインの一人である杏奈を振った男が杏奈の次の幸せを願うシーンで「余計なお世話!」と言ったシーンは負けヒロインのプライドを見たような気がしました。

続きでは、あまり主人公の温水とヒロイン達に恋愛感情は生まれてほしくないなぁと個人的には思いますが・・・友達発恋愛行きの物語も面白いかもなぁ。


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