「灯内で培ってきた絆の深さ!!―――からの衝撃のラスト」スパイ教室05 《愚人》のエルナ 感想

スパイ教室

落ちこぼれたちの集団だった灯が、エリート集団の鳳に立ち向かうという少年漫画のような展開になった今巻。

衝撃のラストを除けば、灯内での友情を感じさせる一番リラックスして楽しめた巻になりました。

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あらすじ

“不可能任務”専門機関『灯』、解散の危機が襲い来る――!

「寄越せ――お前たちのボスを」全スパイ養成学校のトップ6で編成された機関―鳳―はボス不在という問題を抱えていた。そこで目をつけたのは凄腕のスパイ、クラウスだった。チーム―灯―に崩壊の危機が訪れる――!

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失敗続きの灯

不可能任務を達成してきた「灯」。であれば、通常の任務なんて楽勝!というわけにはいかず、失敗続きで、クラウスが常にフォローに回る毎日。

安定した力を出せるモニカ、グレーテや4巻で一皮むけたティアはともかく、他のメンバーはスパイとは思えない失敗を続けます。元々、養成学校では落ちこぼれだった彼女ら。スパイに必要な能力が尖っており、クラウスが適材適所で役割を与えれば絶大な力を発揮しますが、スパイ全般の役割を与えると途端に破綻します。

そんな中で、メンバー同士の絆が光る場面が多く、これまでの積み重ねを感じられました。

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クラウスを”狙う”養成学校のエリート集団「鳳」

そんな時に、各養成学校のTOPたちが集まったエリートスパイチーム「鳳」が現れます。彼らは灯とは正反対、各能力がバランスよく高いため、安定して任務を達成していました。そんな彼らの目的はクラウス。いなくなってしまった自分たちのボスの代わりをクラウスにお願いしたかったのです。

落ちこぼれだった自分たちをここまで引き上げてくれたクラウスを当然失いたくない灯。クラウス自身も灯を率いたいと考えていましたが、彼は共和国のスパイ。より彼が率いるにふさわしいチームを提示された場合、国のために断ることができません。そこで、灯と鳳、どちらがクラウスを率いることにふさわしいか勝負することになりました。

この鳳のリーダーのヴィンドは鳳の中でも極めて高い能力を持ち、時に冷酷と思えるほどの判断をします。スパイとしてのずばぬけた能力の高さ故に、クラウスは疑問を抱きます。なぜヴィンド自身がリーダーにならずにクラウスを求めるのかと。

その理由はかつて自分を救ってくれた老女スパイへの恩返し。「クラ坊」を救ってほしいという言葉でした。その老女スパイはクラウスの元同僚。能力の高さゆえに孤立することが分かっていたため、同じく能力が高く同年代のヴィンドにクラウスと共に戦ってくれるようにお願いしたのです。

常に冷静なヴィンドを動かしているのが、恩人の言葉というのがグッときますね・・・。というか、ヴィンドとクラウスそんなに年変わらないのか。ちょっとビックリ。

そんなヴィンド率いる鳳との対決の中で、灯のメンバーがクラウス、そして灯という存在を大切に思っていることが伝わってきてジーンと来ました!・・・まあクラウスを取られると思ったグレーテの行動はすごく怖かったですが。

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「壊れている」愚人のエルナ

ヴィンドは灯の「穴」をエルナに定めていました。「不幸」体質が彼女の特徴。しかし、ヴィンドは彼女の行動が、不幸(事故)を招いていると考え、彼女自身が灯の弱点と定めていました。任務で火事を起こした際にも、壊れかけの柵に手をかけ転倒し怪我した際にも彼女の起こした行動が収れん火災を引き起こしたのが要因。そのせいで灯は追い詰められたと。

しかし、ヴィンドは一つ読み違えていました。確かにエルナの行動が不幸を引き起こした。しかし、それは過失ではなく故意によるものでした。度重なる失敗をクラウスがフォローし何とかなっていた危うい状況で危機感を煽るためにわざと火事を起こした。自分が怪我することで怒りによるモチベーションを上げるためにわざと転倒してけがをした。

仲間を想うがゆえに不幸を自ら招くようにしたエルナの壊れた行動でした

そんなエルナの愚かな行動も、(例え本当の思惑は知らなかったとしても)許せる灯の仲間へ向ける愛情、チームワークの良さによりヴィンドを撃破します。(勝負には負けていますが・・・)

そんな灯を見たヴィンドはクラウスの周りには既に信頼できる仲間がいることを確認し、クラウスをボスにすることを諦め、自分がボスとして鳳を率いることにしました。

そんな潔く、カッコいいスパイの姿をみて灯のメンバーは敬意を表します。

「極上です!!!!」

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まとめ

最後にはエリートと落ちこぼれが互いを認め合うハッピーエンド!!からの・・・鳳全滅の衝撃の最後。

いや、共に頑張ろうって張り切ってたじゃん。最後互いに認め合ってライバルになる展開だったんじゃん!灯のピンチに「世話が焼ける」って言って助けに来る場面をすでに想像してたのに!!!

ヴィンドが好きだったので相当ショックをうけました。

どうやら次の敵は、相手の組織に裏切り者を作り瓦解させていくことに長けたスパイの模様。6巻は裏切り者が出るのが確定のようです。5巻で灯が培ったチームワークの良さを散々見せておきながらの裏切り者予告。竹町先生、もしかして性格悪い?

冗談はさておき、裏切り者が元々いたというよりは裏切り者をこれから作るという状況のようです。あの一癖も二癖もある灯のメンバーで一から裏切り者を作るのは難しいと思いますが、どうするのか。あまり情報が出ていないモニカが有力?それとも精神的な弱さからサラかな?

何にしろ6巻が楽しみです!


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