本編よりもコメディよりなスパイ教室の短編集 第2弾
スパイである少女たちの違う一面が色々見れました。
短編集なので短い話の集合体になっています。章ごとに感想は書いていきたいと思います。
ネタバレ注意です!
1章 アネット
次の瞬間に何を思いついて、何をするかが分からないアネットが、新たな発明品のパーツ欲しさにウェイトレスのアルバイトをするという「絶対に何かしでかすだろう」という話。
実際に灯の仲間たちもそう思っていて、恐る恐る様子を見に行くと
笑顔満点、仕事完璧のウェイトレスが!
そこにはいました。そんなアネットの姿を見て、モニカまでもが現実逃避し始めたのは笑いましたね。
そんなコメディも楽しめた話ですが、物語の終盤ではアネットの何を考えているか分からない不気味な魅力も炸裂。敵国のスパイをぼこぼこにするシーンがあるのですが、「敵国のスパイだと思った」から発信機を付けて後で始末しようとしたのか、それとも「単にムカつく客だったから」なのか。善人なのか悪人なのか良く分からない、謎めいたところがアネットの魅力ですね。
まあ、今回のバイト代で完成させたのは身長が伸びたエルナの頭蓋を削る装置なので、善人ではないか・・・
2章 ティア
章題はティアとなっていますが、実質この話の主人公はサラでしたね。
サラが告白され灯のみんなで応援しますが、それは恋愛詐欺でした。深く傷ついたサラのために復讐をするという話。復讐の仕方が恋愛詐欺師をサラに完全に惚れさせてから振るという皮肉満点の方法で大満足でしたね!
しかし、グレーテを除いてクラウスに明確に好意を示しているのはサラだけかな? グレーテにもサラにも頑張ってほしくて、もどかしい!!!
この話では、スパイのため年頃の女の子特有の恋愛を楽しめない、楽しもうとしない紅のメンバーをティアが憂慮して、恋愛にも積極的になって欲しいと考えていました。ティアは年長者として紅のみんなを妹のように見ているのかなとも感じます。
ちなみに紅全員が恋愛に積極的になった場合、対象の異性は大体一人に絞られそうな気がするんですが大丈夫ですかね・・・
3章 エルナ
完全コメディの話。
合衆国に向かう船の中で新興宗教集団がシージャックもとい集団自決を図るという、ここだけ見れば凄くシリアスですが、解決の流れから解決の仕方まで完全ギャグ一色というスパイ教室では珍しい話になりました。
エルナが間違って新興宗教の大導師として崇められます。情報が欲しいエルナは導師として振舞い、組織内での良く分からない儀式・制度に全力で応えますが・・・⇒教徒「そこまでやらなくていいです」⇒エルナ「早く言えなの!」は完全に漫才でしたね。
今までのスパイ教室とは少し色が違う話となりました。
4章 リリィ
3章と雰囲気がガラリと変わり、全体的にシリアスよりな話。
紫蟻との戦いで描かれなかったリリィの孤軍奮闘が描かれます。
ドジですが根性と度胸は人一倍あるリリィ。なぜ彼女はそんなにも精神的に強いのかを彼女の過去も併せて表現した話になりました。
リリィの本質に関わってくる話であり、かなり重要な話なのでは?とも思いましたね。
あと、リリィがスパイ養成学校に通ってた時の校長先生がかなり好きです。
5章 私たちを愛したスパイ
インターバルなども合わせた感想になりますが・・・
大きくコメディ部分とシリアス部分で2つに分かれます。
シリアス部分では伝説のスパイ紅炉がティアに残したメッセージ「クラウスはあなたを ている」の謎を解くことが中心となってきます。謎を解いていく中で、捕まった敵国のスパイの行く末、ティアが子供の頃に敵国に捕まって本当は何をされたのも分かっていき、かなり重たい話となりました。最終的には紅炉がどれだけティアのことを想っていたのかが分かり、ティアは涙も流します・・・。
一方、コメディ部分では、ティア・グレーテを除いた灯のメンバーほぼ全員が
「クラウスさんは私のことを愛してる!」
と盛大に勘違い。暴走に暴走を重ねて何故かリリィが大量のケーキを口に頬張り気絶という、もはや訳が分からないことに・・・。しかし、モニカまでもが勘違いするとは・・・たまにIQ低くなるよね、君。
しかし、そんな馬鹿らしい姿を見て落ち込んでいたティアたちは笑顔を取り戻しました。スパイとしての世界の厳しさを感じつつも、灯という組織の温かさを感じた話になりました。
まとめ
全体としては、軽くお菓子を食べた感じでした。
おいしいんですが、あまり満足しないというか。
やはりスパイ教室ならではの見事な伏線回収が短編集ではどうしても無いので、本編よりもちょっと満足度は低いですかね。まあ、短編集なので当たり前ですが。
あと、クラウスと灯のメンバーの恋愛方面についてはどこまで踏み込んで良いか手探りのように見えるのは気のせいなのかな? 怖いもの見たさで灯内がガッツリ修羅場になるところも個人的には見てみたいですが(笑)
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