終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#11 感想 すかすかからの物語が終了 次の世代へとつなげるクライマックス!

スニーカー文庫

終末の世界で必死に戦うものたちの物語が終幕。

枯野先生にしては(?)穏やかに終わったなと思いますが、レグルエレは助からないし、根本的には救われていないので、このシリーズらしいなぁとも思いました。

どの作品でも基本的にはそうなのかもしれませんが、登場人物たちの戦いはあくまでも長い歴史の1ページに過ぎないんだなと強く感じました。

スポンサーリンク

特徴

レグル・エレという世界を救うため、最後の獣を倒そうとする妖精兵。そして、そのことを明確に理解したうえで妖精兵と戦うことを選択した最後の獣の核・モートンシャイン。敵・味方は分かれながら善悪は明確に分かれないこの世界で、最後(?)の戦いが始まりました。

物語中の時系列で言えばすかすかの主人公のヴィレムが、人々の英雄として生きて死んでいくことを許容していたリーリァに反発していたところから物語は始まりました。そこからクトリ、ティアットに今回のモートンシャインと立場に流されるのではなく、周りの状況と自分の立場をはっきり理解したうえで、選択してほしい、戦ってほしいという作者の枯野先生の思いが物語の中で描かれているように、勝手に感じました。

スポンサーリンク

魅力

誰かの、何かの物語が終わり、そして誰かの、何かの物語が始まる。

大雑把なネタバレをすると大体の人がおおよそなハッピーエンドを迎えます。しかし、レグルエレがいつか空から落ちることを回避したわけではありませんし(むしろ落ちることは確定している)、地上に降りた時の獣の問題も解決していません。

しかし妖精兵たちは、レグルエレの人々は次の世代に時間を、希望を残した。そうやって繋げていった歴史の1ページがティアットたちの物語であり、次の1ページへつなげられたことがこの作品にふさわしいハッピーエンドなのかもしれません。

スポンサーリンク

考察

私の予想に反して(?)、 大体の人がおおよそなハッピーエンドを迎えました。しかし、個人的にヴィレムだけはハッピーエンドを迎えた様には思えませんでした。

彼は今回、レグルエレに拒絶される存在になり死を望むモートンシャインを救うため、別の世界に一緒に旅立つことにしました。自分もレグルエレから拒絶される存在であり、妖精兵に殺されるか他の世界に旅立つしか選択肢がなかったと言うこともあります。しかし、私としてはヴィレムは再度殺された方が彼にとっては良かったんじゃないかと。

ヴィレムは2度死んでいます。1度目は勇者や人類を守ろうとして守り切れず、2度目は愛した女の子を守り切れず、それでもほかの妖精兵たちに希望を残して。決してうまくいった人生ではなかったかもしれませんが、彼はそれでも次の世代につなぐという役割を残しました。

であるのに、また生き返って(?)しまい、しかも次はいつ死ねるか分からない体になってしまった。自分が大切に想った人たちは既にいなくなった後でも存在しなければならないヴィレムにははっきりとした終わりを突き付けた方が彼にとっては救いだったんじゃないかと。

最後に、クトリの前世の記憶を持つことが示唆されるリィエルがヴィレムに会いに行くようなフラグを立てていましたが、ヴィレムはそれを待つのかと思うと・・・う~ん。

スポンサーリンク

まとめ

というわけで、すかすか5巻、すかもか11巻、外伝3巻も含めた終末の世界の物語にピリオドが打たれました。

アニメ化以前(2016?2017?)から原作を読んでいた私としては、この11巻は予想以上なハッピーエンドで読後感も良く面白かったのですが、すかすかの方が個人的には好きだったかなぁと。

理由としてはすかすかが終末を迎える世界でのヴィレムとクトリを中心にした話だったのに対し、すかもかは最終的にレグルエレ全体や妖精兵全体の話となりスケールが大きくなったことで感情移入しづらかったなぁと思います。個人的な趣味ですが、世界全体を主軸とするよりは個人に注目する話の方が好きです。(フェオドールが途中で退場したのがもったいなかった気が個人的にはします。)

すかもかが悪いというよりはすかすかが良すぎたなと思います。すかすかの3巻と5巻に関しては、このブログの私的評価で☆5でした。(今年呼んだ作品の中で☆5なし)。ちなみに、3巻と5巻を読んだ際にはボロボロに泣きました。

ともかく、5年以上追い続けた作品がキレイな終わりを迎えて感無量でございます。枯野先生ありがとうございました!

できればアニメ化の続きが見たいけど・・・せめてすかすかの最後までは・・・


コメント

タイトルとURLをコピーしました