五人一役でも君が好き 1巻 感想 五つ子美少女攻略RTA。主人公は結婚詐欺師とか向いているのでは・・・?

MF文庫

タイトルを見て「五等分の花嫁」を思い出した今作。

読んでみると、清々しいほどひたむきに、一生懸命に、打算的に、ハーレムを目指す主人公という今までいそうで中々いなかった主人公がいました。

面白いのは、あくまでハーレム対象の五つ子たちに納得させたうえで、ハーレムを築き上げようとしたこと。(罪悪感に付けこんでなど)。「こいつクズだな」と率直に思いましたが、嫌いになれなかったのは、自分がギャルゲーをしているときの行動とまんま一緒だったからかもしれません(笑)

ネタバレありです。

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あらすじ

好きな人が五人で一人のフリをしていたので、全員カノジョにしようと思う。

(あ、高校生活、終わった……)
入学早々に肥だめに落ちて死にかけ、絶望していた僕を救ってくれたのは、誰もが憧れる完璧な生徒会長、近衛・R・知佳さん。
当然のように恋に落ちた僕は、彼女の隣に並ぶため、そこから猛烈な努力を始める。
学校底辺の成績から学校トップへ。死に物狂いの勉強のすえ、なんとか会長の補佐になることができた。
だが、僕はそこで知ってしまう──完璧な会長の姿は、実は特技の違う五つ子が五人一役で演じていた虚像だったのだ!
僕が好きだった彼女は存在しないのだろうか?
そうじゃない。好きな人が、五人に別れただけだ。だったら──

好きな人が五人で一人のフリをしていたけど、気づかないふりをして全員彼女にしようと思う。

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特徴

五つ子がそれぞれの役割を演じることで完璧な女性を演じている「近衛」生徒会長。そんな彼女に恋をして、近づこうとする野球の悲運のエース大河。

五つ子は基本的な容姿はともかく、性格も口調も服の着方も全員が異なり自分の本質そのままで近衛を演じています。・・・いや、周り気づけよ。何なら病院連れて行けよと言うレベルで違うのですが、それぞれの分野でトップクラスの実力を見せているからか、切り替えが素晴らしいと逆に尊敬されます。(切り替えってレベルか?)

そんな彼女(達)に恋した大河は、早い段階で五つ子の存在を知ってしまいますが、その結果「全員嫁にしたい!」と考えます。・・・大丈夫か・・・その・・・頭とか。この主人公の恐ろしいところは五つ子のハーレムを作るために、日常生活の行動の9割は打算的行動をしていたところです。誰かに優しくするときも、トラウマで傷つくときも五つ子の好感度を稼ぐための打算で動いています。・・・野球じゃなくてもっと自分を活かせる分野あったんじゃない?

で、5人のヒロインを次々に惚れさせていくため、卓球のラリーかってくらいポンポン話が進みます。五つ子攻略RTAを読んでいる気分でした。

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魅力

漫画ですが、ネウロや暗殺教室の松井先生が「読者に負担(ストレス)をかけないことが大切」とおっしゃっていました。そういう意味でこの作品では読んでてストレスがかからない・・・というかストレスを感じる暇が一切なかったです。

前述のとおり、ヒロインが5人もいて、しかも1巻で全員惚れさせていくので話がどんどん展開していきます。また、起承転結でいう転の部分はほぼ無かったので(最後にあったけど)、

「主人公が好感度を上げる攻撃ー!!」

「ヒロインの好感度が上がってしまったー!!!」

と主人公の行動と良い結果が直結していました。

そのため、読んでてストレスは無く、ヒロイン達の可愛い姿を気楽に読むことができました。

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考察

個人的には、登場人物が秘密を隠し通す、秘密を打ち明けるというのは物語の盛り上がるポイントだと思います。

この作品のコンセプト的にそこが重要じゃないのは分かりますが、主人公がヒロイン達の秘密を知ってしまうシーンが早くてあっさりだったのが、少し残念でした。

例えば、何も知らない主人公が五つ子一人一人と絆を深めていって、少し五つ子内でぎくしゃくしていく中で、秘密を打ち明ける、またはバレてしまうとか。そちらの方が五つ子一人一人にフォーカスしやすいような気もします。

まあ、この作品で一番印象に残ったのが主人公の面の皮が厚い打算的行動の数々だったので、それを活かす意味では早めに主人公が秘密を知ってよかったのかな・・・?

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まとめ

ヒロインよりも、冷静沈着に用意をしてハーレムを作り上げようとする主人公の方が印象に残る作品。

やってることは、たまに恋愛作品に出てくる女癖の悪いクズ男とまんま一緒だったのですが、テンポの良さとヒロインのチョロ可愛さでどうでもよくなってきました(笑)。

ただ、行動の9割が裏のある打算的行動だったため、地の分が主人公目線じゃない時の主人公の言動を何一つ信じられなくなりました。(特に最後の方。)

複数の可愛いヒロインが次々に主人公に惚れていく様子を気軽に楽しめるという、ある意味ライトノベルならではの作品だと思います。

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