「未来で待っている大好きな嫁のために突き進む!」モブしか勝たん! お前らが俺にデレデレなお嫁さんになるって本当なの? 1巻 感想

MF文庫

君とのこの幸せな日々を手にするためにも

社会人になって、結果を残せる人と結果を残せない私との違いは行動力だと思いました。結果を残せる人は失敗を恐れない、またはより良い結果になると信じて即行動できます。対して私は失敗するイメージばかり思い浮かべ、それを過剰に怖がります。しまいには、どうせ失敗するからと行動できなくなってしまいます。駄目社会人です(笑)。

しかし、行動すれば必ず幸せな未来が待っているとすれば?こんな私でもガムシャラに行動するかもしれません。

この作品では優しくて可愛いギャル風な奥さんとの幸せな未来があることが分かった主人公の海翔が、そのきっかけとなるはずの廃校反対運動にモブキャラヒロイン2人と一緒に取り組んでいきます。そして今までになかった充実感と絆を得ていく物語。個人的に予期していなかった青春ものであり、ヒロインの言動(特にやんちゃ嫁)が凄くかわいかったです。おすすめ!

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あらすじ

学校で目立たない友人以下の女子が、未来では可愛い俺のお嫁さん――!?

幸せな結婚生活を送る夢を見た――今の俺からでは考えられない、すごく美人で可愛くて、ちょっとやんちゃだけど、俺にめっちゃ甘えてくる、可愛いお嫁さんとの日常。でもそれはただの夢ではなく、未来予知だった!? さらにその結婚相手の候補は未来の姿からはとても想像がつかない、学校では人気者とはほど遠く、グループの隅っこにいるようなクラスの脇役キャラ女子2人、華風院陽彩と木下蘭って……あまりに未来の嫁とギャップがありすぎるせいで、いったいどちらが嫁となる人物なのかさっぱりわからない俺。そんな時、学校が廃校のピンチになり、ひょんなことからその反対活動を3人でやることになって……?

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幸せな未来が待っているから頑張れる

URL:https://mfbunkoj.jp/product/mobukata/322101000735.html

海翔は自分の高校の廃校を阻止するべく必死に頑張ります。この学校を愛しているから!・・・なんてことはなく、廃校反対運動は成功し、それをきっかけに可愛いお嫁さんとの生活が待っていることを予知夢で知っているからです。

普段は自分のことをモブキャラだと自虐的に考え、どうせ無駄だとすぐに投げ出しますが、ハッピーエンドが確定している今回は違います。反対運動の発起人である姉がいなくなっても行動を続け、心臓がバックバクしながらも募金活動をしたり、全然自分の好みじゃなく相手も自分に好意的ではない二人のモブキャラ女子相手にも、将来あのカワイイ嫁になるかもしれないと根気強くコミュニケーションを取っていきます。

良い結果が確実に来ると確信できれば頑張れる気持ち、よく分かります(笑)。

あと、タイトルにもあるようにこの作品はモブキャラがメインであり主人公の海翔も平凡な人間です。そのモブがなぜ積極的に行動を起こせるのかという背景に幸せな未来が来ることを確信しているからというのは説得力がありました。

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モブキャラだから

URL:https://mfbunkoj.jp/product/mobukata/322101000735.html

主人公がパッとしない外見というのはありがちですが、今作はヒロインもあまり目立った外見ではありません。それどころか、性格も男が素直に可愛いと思える性格ではありませんでした。

華風院は常にポーカーフェイス。自分が地味であることを過剰に自虐し、かと思えばその自虐に海翔へのディスリを混ぜるなど男にとって可愛い反応を全くしてくれません。

木下は典型的なメンクイ。カッコいい男を探しては何とかお近づきになれないかと周りの女友達とワーキャー騒いでいます。逆に、顔の悪い地味な男は露骨に下に見て、最初は海翔のことも馬鹿にします。モテない男が嫌いな典型的な女性ですね!(偏見あり)

ライトノベルには珍しく全く読者に媚びないヒロインたち!しかし、そんな一見異性としては魅力がないモブキャラだからこそ、彼・彼女らが仲良くなるのはお互いの内面を除いた時でした。

華風院は自分の地味で退屈な生活が変わるような展開を待ち望んでおり、廃校反対運動の日々を楽しんでいました。

木下は内心冴えない自分に期待するのを諦めていましたが、海翔や華風院と一緒に過ごすことで自分の好きなものをプレゼンする楽しさ、才能に気づきます。

海翔は将来の幸せな日々のために廃校運動を頑張っていましたが、気づけば3人との日々がかけがえのないものとなっていました。

外見や第一印象で好意を持たないモブキャラたちだからこそ、築き上げた絆は強固なものに感じます。

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結局、未来は変わる

幸せな未来のために、グルメフェスティバルで優勝した海翔。しかし、その結果、なぜか独身で寂しい生活をしている自分に未来が変わりました。

海翔たちがフェスティバルで優勝したことで、連続優勝を狙っていたスポンサーの奥さんの逆鱗に触れ、学校への出資がなくなったのです(本当、理不尽)。このことで廃校が決まり海翔たちは落ち込みます。結局、自分たちモブキャラが頑張ったところで、分不相応だったのかと。それでも、三人で熱中して成し遂げたことを、楽しい日々を否定させるわけにはいかない。海翔、華風院、木下の3人はもう一度立ち上がります。

念入りな準備に海翔の未来予知ーーーすべてを使い、乱入した理事会で廃校の反対を訴えました。これが見事に成功し、廃校は一旦中止。来年の新入生の数次第となりました。

結論は延期でしたが、幸せな未来への道は復活し海翔は再び予知夢で既婚者となっていました。家の玄関を開ける寸前から始まる夢。

海翔は幸せな気持ちで玄関を開けます。そこには勿論、可愛くて優しいギャル風な嫁が「カイ君、お帰りー!」と言ってくれて—

「おかえりなさい、海翔さん」

ポルナレフ「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」 - YouTube
ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦 集英社

ありのまま、今起こったことを話すぜ!

・・・そこにいたのは清楚でお淑やかな全く知らない黒髪美人の嫁でした。

結局、海翔の未来は海翔の行動次第で変わるという人間としてはごく当たり前のこととなりました。まあ、未来のことが少しわかるという点では大分有利なのですが、予知夢で見た未来は確定事項ではないというところで物語の緊張感が増した気がします。

それはそうと・・・

どっちに転んでも可愛い嫁とはいいご身分だな、オイ!!!!(血涙)

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まとめ

正直、もう少し軽い感じの物語になるのかなと思っていたのですが、主人公やヒロインたちの立場や心情にリアルなものがあり思った以上に感情移入してました。あと、男がグッとくる女性の言動を描写するのが上手いなあと。やんちゃ嫁は男の理想の一人だと思うのですが、特別媚びすぎたりはせず、世界のどこかにはこんな人が本当にいるんじゃないかと思わせてくれました。

少し違和感があったのは、海翔の見事な戦術眼とプレゼンの上手さ。あれは高校生レベルじゃないだろうと(笑)。社会人であれば会社から滅茶苦茶重宝される逸材だと思います。というか私よりよほど優秀で、優秀で(苦笑い)

気になったのは2人の将来の嫁が、華風院と木下のそれぞれどちらなのか。普通に考えればギャル嫁のほうが木下だと思いますが華風院の「解釈違い」という言葉をギャル嫁も使っているんですよね・・・。高校時代とまるで違う未来の姿になっていく方が面白そうかな?まあ、どちらでも可愛いからどうでもいいか。

個人的には、将来アラサーで「にゃん」言葉を使って海翔に媚びることになってしまう真面目な生徒会長様が一番好みです!!!


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