「中途半端な状況をぶち壊していく後輩」カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています　4巻　感想

――――不意に、夕焼けが揺れた。

元カノ、高校時代からの親友（女性）、家に入り浸る小悪魔系後輩。複雑な女性関係がもたらす、ちょっと重いラブコメ。女性キャラの描写が丁寧かつ魅力的に描かれており、どのキャラも応援したくなります。

大学生の話と言うことで、ターゲット年齢層は少し高め？

個人的な趣味としては、もうちょっとドロドロしてても良いです！！

あらすじ

先輩は私の、特別だから。 後輩・真由と“お試し交際”スタート!?

浮気の一件で生じたわだかまりが解け、俺・羽瀬川悠太と元カノ・相坂礼奈は新たな一歩を踏み出した。
といってもヨリを戻したわけではなく、ただお互いを理解しているよき話し相手。
そんな俺の家に入り浸る後輩・志乃原真由との関係も――ちょっとだけ変わろうとしていた。
「どうです先輩、私で一定期間恋人生活をお試しするのは」
ズレた恋愛観を世間に合わせたいと言う真由と、期間限定で“お試し交際”が始まった!
恋人モードな彼女に振り回されつつ、変わらない居心地の良さにどこか安心する俺だったが、
「私のこのドキドキは、恋ですか」
お試し交際の終わりを前に、彼女の願いが告げられる――。

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中途半端な状況

元カノ　礼奈の浮気の真相、誤解も分かったところで礼奈との関係が一旦リセットされた悠太。悠太が周りの女性たちと関係を進めたいのか、それとも現状維持したいのかが中途半端な状況となります。

礼奈

浮気の真相、誤解が解けたことで普通に話せる関係になった二人。礼奈の方は復縁を望んでいるが、悠太のほうは今更よりを戻すのを躊躇っている。

彩華

高校時代からの親友。ずっと現状維持を保ってきたが、最近距離感を測りかねている感じ？その気になれば一番簡単にくっつく二人だが、悠太が関係が変わることを怖がり、彩華がその悠太の心情を察して尊重するため関係は進めない。

真由

恋愛観がずれている小悪魔系後輩女子。悠太の家にちょくちょく遊びに行っており、お互いに人としては好きだが恋愛として好きかは不明。自分の恋愛観を変えるため、自分の気持ちをはっきりさせるために悠太に仮交際を申し込む。

4巻で初めて悠太がちょっと苦手だなと思いました。今までは礼奈に浮気されたという心の傷があったため言動の背景が分かりやすかったのですが、そこが解消されると悠太が何をしたいのかの本心がよく分からなくなりました。全体的には学生のうちに大人として成熟したいというところだと思うのですが、う～ん。

「自分は誰が好きなんだ」というよりも「自分は誰と関係を深めたいのか、それとも現状維持したいのか」という考え方のような気がしました。結局誰が好きなんだ！という比較すらもしていない。本人が割と達観する人物なので、余計に本心が全く分かりませんでした。

まあ、何が言いたいのかというと

周りに魅力的な女の子が一杯いるくせに、落ち着いてるんじゃねー！！！

というモテない男のやっかみです。

真由の恋愛観

そんな中で小悪魔系後輩　真由は悠太に仮交際を申し込みました。

それには二つの目的がありました。1つは自分のひねくれた恋愛観を確かめること。もう1つは悠太への気持ちが恋愛に発展するかどうか確かめるため。

真由の恋愛観がずれたのは小学生の時の親の離婚。揉めに揉めた離婚ではなく、円満な離婚で真由の前ではいつも仲良さそうにしていました。しかし、それが真由の恋愛観を歪めます。仲良くしていたのは嘘なのか、愛とは一体何なのか。中学、高校と恋愛に興味がなくなりました。

しかし、中学・高校の女子の話題は恋愛が中心になることが多く、その話題に楽しくついていけない自分に嫌気が差します。

そこで大学では誰でも良いから付き合おうと、いかにもモテる軽そうな男の元坂に告白され、そのまま付き合いました。元坂が好きだからではなく、自分の恋愛観をまともにして周りの人間と楽しく過ごすために。しかし、元坂と付き合い、気づいたことは好きでもない相手に触れられることに物凄い嫌悪感を感じることでした。また自分の素を受け入れていれてくれない元坂に嫌悪を示し、自分を受け入れてくれる人物を探します。それが悠太でした。

悠太に対して、人としては好きになったが、じゃあ恋愛感情を持てるのか。仮交際をすることでそこを確かめることにしました。結果は―――真由は悠太の額にキスをしました。真由は過去の親の離婚から現状維持は続かないことを知っていました。より幸福な未来へと向かうため、真由は動いていきます。

真由は小悪魔系後輩という属性が付けられていますが、多分だれよりも純粋なんだと思います。普通、異性として好き⇒人として好きに移り変わるのが大半の恋愛だと思いますが、真由は人として好き⇒異性として好きの順番しか受け入れられません。そういう意味では、恋愛観がずれていると言えますが、ある意味この順番は純粋な恋愛ともいえるのではないでしょうか。まあ、私には判断付きませんが。まともに恋愛をしてこなかったので！！（涙目）

まとめ

相変わらず、女性キャラクターを魅力的に、かつ幸せになってほしいなと思わせるのが上手いなと思いました。

2巻⇒彩華に幸せになってほしいな。　3巻⇒礼奈が可哀そうだわ。幸せになってほしい。　4巻　やっぱり真由が一番かわいいな！幸せになってほしい！

と、私の推しが目まぐるしく変わっていきます。私も自分が一番誰が好きなのか、よく分からなくなりました。（笑）

悠太は今後、自分の周りの女性関係に対してはっきりさせてほしいな。達観した考え方をすることで明確な答えを出すことから逃げている感じもするので。

次の巻が一つの山場になるらしいので今から楽しみです！

・・・真由が元坂と付き合っているときの話が、胃がキリキリして、・・・・・・興奮しました。

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