特に戦闘は無かった20話
ただシンが抱えている悩み、負の感情が具体的に見えてきたり、その理由が明らかになった話となりました。
シンが生きる理由を最終的に与えるのは・・・?
シンの苦悩
共和国にいた時よりも、自暴自棄になっているシン。それは目的だった兄貴の解放が終ってからでした。兄貴を討つために生きてきたシンは、兄貴を弔ったことでその後に生きる理由が見つかりませんでした。
生きる理由が見つからないのは家族(兄貴)から拒絶された子供時代の経験が深く影響しているようです。頭では違うと分かっていても、どうしても自分が生きてはいけないと感じてしまう。今までは兄貴を解放するために生きていましたが、それが達成されて自分が生きる理由が、生きていいと思える理由がなくなる。なので、したいことも見つからないようです。
またシンが生き残る理由に周りの仲間が「死ぬまで一緒にいて欲しい」と自分に約束されたこともありました(死神としての役割)。しかし、それはどうせ自分より先に死ぬということ。自分だけが残されるということ。仲間たちよりも生きながらえることは苦しいのに、仲間たちに生き残ることを強制させられている。シンにとって生き残ることが苦しみになってきます。
共和国ではようやく自分の人生が終わると思っていたのに、またしても生き残ります。あとを託したミリーゼも先に死んだ。生きる理由がないのに生き残る。仲間の死を見たくないに見届ける。まさに生き地獄のようなものでしょうか。
自分の生き死に、人類の存亡にさえも無関心な理由
個人的に20話で面白かったのはフレデリカが86-エイティシックス-が自分の生き死に、人類の存亡にさえも無関心な理由を語ったところ。
戦場とは不似合いな美しい自然が広がる場所。この美しさは人類がいないから、レギオンによりその場所を人間が放棄したからでした。共和国の差別により人間の醜さをこれ以上なく知っている86-エイティシックス-は人間がいなければ世界はこんなにも美しいことを知っている。
だから自分の生き死に、人類の存亡にさえも無関心なのだ、とフレデリカは言います。これが合っているのかは分かりませんが、私としては凄く腑に落ちましたね。
86-エイティシックスーを待ち続ける大人たち
軍上層部のリヒャルト、ヴィレム。直接の上司であるグレーテ、シンの部下であったベルント。
彼ら大人は86-エイティシックス-たち子供が生きて帰ってくることを待っていました。
86-エイティシックスーとは仲が良かったわけではないですし、特に86-エイティシックス-側からは心を開いたこともない。それでも彼らは86-エイティシックス-達を心配し帰りを待ち続けます。
共和国では生きて帰ってくることを望むのはレーナだけだったので、この場面は凄く心に響きました。
多分、彼らはシン達と一緒に戦ってきたからこそ、シン達が生きて帰ってくることを望む気持ちが生まれたのかなと思います。逆に言えば、共和国の連中は一緒に戦う気持ちも無かったので、シン達をいつまでも豚扱いしていたのかな。
雑記
シン以外の86-エイティシックス-に生きたいという気持ちが段々と芽生えた一方、そんな彼らとの違いを明確に理解してしまったシンは更に追い込まれていきます。
セオトが言っていましたが「自分の死を見届けて欲しい」と一方的に頼っているセオト達ではシンを本当の意味で救うのは無理なのかもしれないです。
そう考えると、最後にシンを救うのは・・・? と、思いますがどうやってそんな展開に持って行くのかが見当つかないんですよねえ。
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