「心優しき英雄、転生して戦闘狂の女騎士となる」英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~ 1巻感想

ライトノベル

ふぅむ――どうにも物騒な世の中になったものだ。が、私にとっては好都合ではある

そう言えば、転生ものってあまり読んだことなかったなと思い、転生ものを探して、表紙の女の子が好みだという理由だけで、この作品を読んでみました。

まあ、中身はジジイだったけどね!!!

この作品の特徴を出すと、「元英雄」「転生」「TS」「主人公最強」「美少女パーティ」とこれでもかというくらいの流行り属性山盛りに「主人公が戦闘狂」という歪な属性が入っています。

基本、女性だけのパーティでキャッキャウフフで和みながら、戦闘では男よりも男らしい豪快で、爽快な戦いが読めました。

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あらすじ

女神の加護を受けて『神騎士』となり、巨大な王国を打ち立てた偉大なる英雄王イングリス。国や民のために生きた彼は死の直前、次の人生では「自由に生きて、武の道を極めたい」と強く望む。その願いは女神に聞き届けられ、遥か未来へと無事に転生を果たしたイングリスだが、生まれた先は騎士の名家の『娘』!? しかも6歳で騎士の才能無しと宣告される始末! しかし――「むしろ好都合! 出世よりも最前線で実戦あるのみ!」かくして、最強の美少女騎士見習いの伝説が幕を開ける!!!!!!

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戦闘狂に落ちた元英雄(外見は美少女)

話は国のため民のために生涯をささげた英雄王イングリスの死に際から始まります。

彼は戦闘はもちろん政治の方面でも優秀で、長年、国の繁栄・安寧にもおおきく貢献しました。そんな彼は死に際に神から「何か願い事は無いですか?」と聞かれました。自分の生き方に対して後悔はないイングリス王ですが、強いて挙げれば、政治の世界に入ってしまったことで武の道を究めきれなかったことが心残りでした。

武の道を極めたい。それを聞いた神は転生させてくれることを約束しました。

転生した人生で武の道を極めればいいと。

その約束に喜んだイングリス王はその夜のうちに永眠。

長い時を経て、再びこの世に生を受けました。女の子として!

・・・まあ、これはいいでしょう。良くあることです。

生を受けた世では、前世には存在しなかった魔石獣なる獣が存在し世の中の民を襲っていました。

それを見た、前世では英雄王として人々から尊敬されていた赤ん坊はこう思います!

「やったー!歯ごたえのありそうなやつがいるー!」

・・・お前、本当に人から尊敬される存在だったの!?

どうやらイングリスはこの世では武を極める以外に興味がなく、大義や正義なんてそっちのけ、純粋に強い奴と戦いたい戦闘狂となっているようです。

これは前世で英雄としての立場が武の道を極めるのに邪魔になっていたことが原因らしく、もうそんな足枷はいらなーい!と正義や大義については2の次、とりあえず強いものに戦うことを優先して行動していきます。

まあ、一応、周りに被害が出ないことは考えているようです。(・・・一応)

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絶対に負けない女騎士

イングリスは騎士団長の娘として生を受け、美しく成長します。元々中身の前世が王だったこともあり所作や言葉使いには気品があり、ドレスを着飾った社交の場ではだれもが振り返る存在感。それでいて戦場では圧倒的な力と華麗な体さばきで敵をなぎ倒していき、その美しさに男どもは感嘆の溜息を洩らします。10代半ばの強くて美しい女騎士は男のあこがれですね。

まあ、中身はジジイだけどね!!!

この世界、人は死ぬし奴隷などの身分制度もあるので割と厳しい世の中だったりしますし、いけ好かない腹立たしい奴も多いのですが、まあイングリス様が殴り飛ばしてくれますよね!という安心感があります。いかんせん、戦闘狂ですので相手が強ければ強いほど喜んで立ち向かっていきます。強そうなやつが出るたびに「ほら、イングリス様の出番ですよ」と思いました。

しかし、美しい美少女が不敵な笑みを浮かべて戦う状況はぞくりとした興奮がありますよね・・・。

まあ、TSに興味は無いですけど。

でも、そんな女の子が仲の良い女子同士ではキャッキャしているのも良いですよね・・・。

・・・まあ、TSに興味は無いですけど!

私の性癖はまだ、ゆがんでないです。

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まとめ

(中身がジジイだと考えなければ)品のある戦闘狂の女騎士というのは、すごく魅力があるんだなと思いました。またこういうキャラが出てくるのは、転生ものの醍醐味なのかなとも思いました。(転生以外でこのようなキャラを出そうとすると、バックボーンを考えるのは難しいと思います。)

基本的に敵を爽快に蹴散らしていくテンポのいい読みやすい作品ですので、表紙の女の子が可愛いなくらいの興味の人でも気軽に読めるのではないかなと思います。

・・・イングリス様はしきりに自分の心は男であることを言っていましたが、その割に桃色のハプニングが起きた際には乙女のような反応をしていませんかね・・・。


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