近藤社長のGamerインタビューの後編からシステム面について語ったところをまとめました。
近藤社長のインタビューを読むときによく思うのは、falcomのゲーム開発はスタッフの意向がかなり強いこと。例えばテイルズオブアライズの富澤プロデューサーのインタビューを読むと富澤さんが主導で作ったんだなと感じますが、近藤社長のインタビューではむしろ部下のスタッフが力握ってるんじゃないかと思う時さえあります(笑)。
今回のインタビューでも近藤社長の意見よりもスタッフの意見が採用されたと見受けられるところがありましたね。
新規エンジンの恩恵はこれから
黎の軌跡では長年falcomが使ってきたエンジンを一新。新規エンジンにしたことでキャラクターや背景の表現は格段に向上しましたが、近藤社長は新規エンジンの恩恵はむしろこれからのゲーム開発で出てくると仰っていました。
元々、問題になっていたのは軌跡シリーズからイースシリーズなどに開発が移る際に作業環境が変わること。その際の開発のやりにくさにありました。
今回のゲームエンジンは、どのゲームでも作業環境が変わらずに作ることが目的であって、その恩恵を受けられるかどうかはこれから分かるそうです。
しかし、ゲームシリーズごとに作業環境が変わっていたのに一年に一作は新作出してるって凄いな・・・
論理的ではなく情熱的に編み出したバトルシステムのいびつさ
今作から導入されたアクションとコマンドバトルの併用システム。今まで軌跡シリーズに携わったスタッフからではなく、部外者からの提案だったとのこと。
論理的にではなく情熱から生み出したシステムだったので、アクションとコマンドを絡めた時のバランスなどで悩み、最終的にはある程度アクションはアクション、コマンドはコマンドと分ける形になったとのことでした。
近藤社長はバトルシステムについてまだ詰めれる部分や課題を頻繁に言及されていたので、黎の軌跡Ⅱではよりブラシュアップされる部分になると思います。
個人的にはもっとアクションの部分に凝って欲しかったかなあと。・・・まあ、そうすると開発の負担が単純に2倍になりますが。
難解だったオーブメントの設定
近藤社長が一番課題だと言っていた部分。
空の軌跡の時には属性値により使用できるアーツが解放されました。
その時のオーブメントを改造している楽しさが欲しかったようで、今作ではアーツの代わりに属性値によってシャドースキルという自動で発動するスキルが解放されるシステムが採用されています。
が、これが分かりづらかった。
理解しにくかった原因の一つとしては、解放されたシャードスキルが自動で発動されることがあったと思います。空の軌跡では、解放されたアーツはユーザーが進んで使う必要があり、必然的にどんな効果を持つアーツなのか自分から調べることになります。しかし、シャードスキルの場合は自動で発動されてしまうため、意識的に使う場合よりもどんなスキルなのかを認識しにくかったように思いました。
また、戦闘のテンポを上げるためかシャードスキルの発動から効果終了までの演出が早く、何をしたのか良く分からなかったことも、序盤でシャードスキルに興味を惹かれなかった原因の1つかなあと。
クリア前や2周目でようやく理解できる人が多いらしく、近藤社長自身も「2周目からが楽しかった」と言っていました。
私がシャードスキルを意識し始めたのはシズナとクロガネを味方にしたときに追撃効果が発動された時ですね。最初はシャードスキルと認識できず、「こいつらチートかよ!」と思っていました(笑)
1周目で満足できるか、周回プレイ前提か
「1周目で満足できる」か「2周目も楽しんでほしいか」で近藤社長と開発の担当の意見が割れたというのがありました。
インタビュアーの方も仰っていましたが、1周目で100時間近くかかる軌跡において周回プレイ前提は中々厳しいものがあります。私なんて黎の軌跡は1周目で150時間かかりましたし。
ちなみに近藤社長は「1周目で満足できる」側らしいですが、それは近藤社長が開発に携わった空の軌跡でも見受けられます。1周目で見られないイベントは無くほぼ一本道のシナリオ、やりこみ要素も少なくRPGを楽しむことだけに集中した作品という印象でした。
また近藤社長の「1周目で良い印象が無いと、2周目をやろうとそもそも思わないんじゃないかな」という言葉にも私は共感できました。軌跡シリーズはほぼ全作2周以上クリアしてますが、1周目が終わった後に2周目を即始めて即クリアした作品は周回要素が一切ない空の軌跡だけだったので・・・。
行動順に関してはスタッフ全員が「分かりにくい」という意見
軌跡シリーズでは重要な行動順という概念。Sクラフトで割りこんだり、行動順を見て相手の順番を遅らせたりが空の軌跡の時から重要となっていました。
その重要な戦闘順のデザインを黎の軌跡では一新。
敵と味方に分かれて行動順が早いキャラがより真ん中に近くなるというスタイリッシュなデザインになりました、が、
敵味方で分かれてしまったことで、敵よりも味方のパーティキャラの方が行動順が早いのか遅いのかがあやふやになってしまいました。
そのため、私の場合、軌跡の戦闘では異例なことに戦闘順を意識せずにプレイするようになりました。毎度お世話になっている相手を遅延させる攻撃やクロックアップ、クロックダウンなどもほとんど使わなかったですね。
この行動順の分かりにくさはスタッフ全員が一致したとのことで、黎の軌跡Ⅱでは改善されていく点だと思います。
あとワンクリックで行動順が表示されるというシステムは、このインタビューで初めて知りました。
まとめ
戦闘システムやオーブメントの設定など、新しいことを積極的に取り入れた印象がある黎の軌跡。
その分、詰め切れなかった部分、粗が大きかった部分があることは近藤社長も認めていました。
それらの部分が黎の軌跡Ⅱではブラシュアップされると思いますので、楽しみです!
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