生産技術とはどのような仕事か。製品を作る際の立場と求められる仕事、特徴など

生産技術者

生産技術・・・

おそらく大半の人がこの業種についてぴんと来ないと思います。

工学系の学生もよく分からないのではないでしょうか。

少なくとも私は、この業種に就くまでどのようなことをする仕事なのか全く分かりませんでした(笑)。

就職活動をしていても開発や設計の方に目が向くと思います。生産技術なんて視界にも入ってないよという人もいるかもしれません。

しかし、実際にどの業種に就くかは会社に入ってから上が勝手に決める可能性も大きいです。もし生産技術という業種に割り当てられた際に抵抗するにしても、受け入れるにしても、どういう仕事をする業種なのかは知っておいた方が良いと思います。

そこで今回は生産技術とはどういう仕事なのかを、できるだけ簡単に説明していきたいと思います。

私の簡単なプロフィールはこちら

地方国立大学の大学院を出て、半導体メーカーに就職。
就職後に半導体の生産技術を任されるようになる。
半導体製造におけるパターニング・エッチング工程を担当。
半導体プロセス、生産技術に関しては入社後にほぼ独力で学ぶ。

ちなみに半導体の生産技術という、少し特殊な生産技術に就いているので、一般の生産技術とは少し異なる部分もあるかもしれません。

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生産技術とは

生産技術、あるいは製造技術は、開発・設計、品保などの業種と合わせて、製品を作る上での流れが下記になります。

上の流れは滅茶苦茶に簡略化したもので、実際にはもっと複雑です。

開発・設計は製品の設計図を作るところです。

どんな製品を作るか、どのように作るかなど。公言はされませんが、立場的には一番上であり、その分責任も大きいです。ちなみに、ここで変な設計図を作ると、迷惑がかかるのが生産技術・品保・現場となります。その話はまたどこかで。

品保は作った製品がちゃんと市場に出せる品質を満たしているかどうかを確認します。

品質とはお客さんの求めている要求がちゃんと満たせているかどうか。例えば新品で買ったPS5などが半年で壊れたら文句を言いたくなると思います。そんなことがないように、お客さんへ出荷する前の製品を検査し問題ないことを確認する業種です(大雑把に言えば)。ちなみにお客さんからクレームが来た時に1番に対応する業種でもあり、心労が最も多いかもしれません。

そして、生産技術(製造)はものつくりの現場を管理・改善していきます。

生産技術自体が実際に製品を作る訳ではなく、製品を作るのは現場になります。生産技術は製品の作り方に対して改善をしたり、ものつくりの現場で見つかった異常について調査・対策を行ったりします。

これだけだとピンとこないと思うので生産技術が求められる仕事について説明していきます。

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生産技術が求められる仕事

まあ細かく見れば色々あるのですが、基本的にはQCDに関わることを求められます。

・・・なんのこっちゃですよね。

QCDとは品質・コスト・倉入れの頭文字を取った言葉になります。一つずつ見ていきましょう。

Q:品質

先ほども書きましたが、お客さんが求める要求を満たしているか。ものつくりでは品保が要求している数値を満たすかどうかですね。

1番分かりやすいのは良品率。これは例えば、良品率98%だったとしたら、100個製品を作ったら98個良品(お客さんに渡せないのは2個)という意味です。

もちろん、この良品率が大きい方が会社側としては利益になる訳なので、この良品率を上げようと工夫をします。

余談ですが、半導体製造は基準となる良品率の設定が高く、ものによっては98%を下回ったら品保から怒られることもあります。

C:コスト

これは製品を作る際のコスト(費用)のことです。

例えば1つの製品を作るのに100円かかっていたものを98円で作れるようにしたとすると、その製品を1万個作れば2万円の費用を抑えられます。

これも生産技術にとって重要な仕事ですが、コストを抑えようとすると大抵品質に影響してくるのでなかなか進めるのは難しいです。

D:倉入れ

倉入れと書きましたが、合っているかは知らない(笑)。

ただ、倉入れに関係している項目なのは確かです。

倉入れとは決められた期日までに決められた数の製品をお客さんに渡せるよねという約束であり、これを守れなかった場合は生産技術(製造)に対する責任はかなり大きいです。

これを防ぐために、トラブルがあった際に速やかに原因を究明・解決したり、事前に他の装置(方法)でも製品を作れるように準備したりする必要があります。

以上のQCDが生産技術に求められる重要な仕事になります。

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生産技術の特徴(求められる能力)

生産技術の特徴としてものつくりに対して最も知識を有していないといけないことが上げられます。

開発・設計だろうが品保だろうが、実際に物を作ることに携わっているのは生産技術です。

どれだけのキレイごとを言ってこようが、どれだけのロマンを語られようが無理なものは無理だといえるだけのもの作りに対する現状認識と知識を有してなければいけません。

例えば、その業界最高峰の装置があれば可能かもしれない設計図を渡されて、会社にある古い装置で無理やり作ったとします。その後、問題が起きた際に責任を問われるのは生産技術です。

基本的に開発・設計はものつくり(プロセス)に対しても現場の現状に関しても無知なので、それはうちの現場では無理ですといえる生産技術者になる必要があります。(開発・設計がもの作りに対して無知なのは立場上しょうがない)

あと、会社内で関わる人の数や立場が多いのも特徴です。

製品のことについて一番詳しい開発から、作っている製品がどんなことに使われるかも知らない現場の作業者まで、多種多様な方々と付き合っていかなくてはなりません。

立場上、中間管理職的な立ち位置になりますので人間関係のストレスに耐えられるのも必要になります。

ちなみに私の仕事上の人間関係は上手くいっていません(笑)。

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まとめ

というわけで、生産技術についてざっと説明してみましたがいかがだったでしょうか。

分からないことがあったり、これは違うだろというご指摘があればコメントに書いていただけるとありがたいです。

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