半導体業界とそれ以外の業界での生産技術者の違い

生産技術者

タイトルで「半導体業界とそれ以外の業界」と書きましたが、正直私は半導体業界しか詳しくは知りません。プラントなどはちんぷんかんぷんです。

しかし、それでも半導体業界の生産技術者が特殊なのは確かだと思います。

では何が特殊なのか?

代表的なことを2つ挙げたいと思います。

注意:半導体の方が大変なんだよと言いたいわけではなく、分野が全然違うことを伝えたいです。

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重要なのは人か機械か

生産技術者として分かりやすい業務の一つとして作業の短縮があると思います。

ある作業時間が30秒かかるものを25秒に短縮したとします。

たった5秒かと言われるかもしれませんが、全体で17%の短縮であり物凄い効果額になります。

部品の組み立てであればその短縮のために人の作業が重要になります。

どの部品をどこに置くとか、組み立てる順番を変えたりとか、人の作業の効率化を徹底します。

では半導体業界ではどうなのかと言えば、作るのは機械です。

1mmどころか0.1μmの違いも許されない半導体を人の手で作り上げることは不可能です。

なので、時間の短縮で重要なのは装置のパラメータです。

エッチングという工程であれば、ガスの比率を変えるだとか、ガス圧を下げるだとか、バイアスパワーをあげるだとか・・・。

人より装置が重要になるのが半導体製造での生産技術者となります。

注意:もちろん人の作業も重要です。

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求められる精度

例えば、部品の組み立てであれば求められる規格(ずれの許容度)はせいぜい0.1mmくらいじゃないかなと思います。

では半導体はどうかというと・・・次のようになります。

私「すみませーん。1μm(0.001mm)ズレちゃいました(テヘ♪)」

上司「馬鹿野郎ー!!!!」

マジな話、始末書ものの失態です。というか実際に書きました。

このようにズレの許容範囲が極端に狭い半導体。(まあ、小さいものを作っているので当たり前ですが)

肉眼で分かるはずもなく電子顕微鏡で確認します。それで確認できるならまだ良い方で、実際に製品を切ってみてSEMという装置で確認しなければならないこともあります。

何かの影響を確認するのが難しいというところが半導体の難しいところでもあります。

・・・実際にはSEMで確認できるならまだ良い方で、1000時間製品を使用してから不良が発生し「何やってんだ!」と品保に怒られることもあります。

・・・いや、品保・開発で分からない製品への影響を生産技術者が事前に分かる訳ねえだろと思いますが、禁句です。

後半、愚痴になりました。すみません。

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まとめ

このように装置が重要なことと、求められる精度が小さく簡単には確認できないという特徴がある半導体の生産技術者。

そのため、装置のパラメータや変化させたときの影響を正確に把握する必要があります。

まあ、そこを完璧にこなせる技術者はそう多くはありませんが・・・。

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