Falcom 近藤社長インタビューまとめの最終回。
明言はしていませんが、黎の軌跡の続編が来年発売されそうなことが示唆されました。
シリーズの1本目は2~3年かけ、2本目は1年後
空の軌跡の時に、「売れなきゃ続きは出ないよ」という言葉を受けて張り切りすぎた近藤社長たち。あまりにも開発・物語が長くなりすぎて「半分で良いから出せ!」と言われてしまったことが、FC、SCに分けるきっかけとなったようです。
しかし、この時の反省(経験)を活かして軌跡シリーズの開発では次のルールが決まりました。
シリーズの1作目は2~3年かける。しかし2作目以降は1年で出す。
下の表でいえば零の軌跡からですね。
2004年 英雄伝説 空(そら)の軌跡 FC |
2006年 英雄伝説 空の軌跡 SC |
2007年 英雄伝説 空(そら)の軌跡 the 3rd |
2010年 英雄伝説 零(ぜろ)の軌跡 |
2011年 英雄伝説 碧(あお)の軌跡 |
2013年 英雄伝説 閃(せん)の軌跡 |
2014年 英雄伝説 閃の軌跡II |
2017年 英雄伝説 閃の軌跡III |
2018年 英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- |
2020年 英雄伝説 創(はじまり)の軌跡 |
2021年 英雄伝説 黎(くろ)の軌跡 |
これは2作目以降はデータを引き継げるため(世界観、キャラクターなど)。「データの使いまわし」と言われることもあったようですが、作品としてきっちりと仕上げたためこれもアリだと受け入れられました。
ちなみにテイルズのエクシリア以降も発売間隔や世界観の引継ぎなどは大体同じような流れですね。同じような意図があったかは分かりませんが。
2011年 | エクシリア |
2012年 | エクシリア 2 |
2015年 | ゼスティリア |
2016年 | ベルセリア |
そして、このインタビューから分かることは黎の軌跡の続編は来年発売される可能性が高いと言うこと。
4月くらいの生放送で「1作では終わらない」と言うことは近藤社長の口から出ています。そして、黎の軌跡発売直前で軌跡シリーズの発売間隔について言及したということは、暗に来年の黎の軌跡発売を示唆しているものだと考えられます。
終わらせる哲学
Falcomというゲーム会社の特徴としてゲーム開発の期限をしっかりと決めて、必ずその期間内に終わらせるということがあります。
毎年、9月には定期的に新作のゲームが発売されるFalcom。コンテンツを作る会社の中には、時間をかけるほど良いと考える会社もある中で珍しい特徴だと思います。・・・実際に発売時期が延期するゲームなんて珍しくないですからね・・・。どことは言わないけど。
これには近藤社長の「終わらせる哲学」があり、「期間が決まっていて、その中で最大限工夫することで、終わりが見える」という考え方がありました。いたずらに開発の時間を長くしても良くないと。ジャンルは違いますが「とある魔術の禁書目録」の筆者、鎌池和馬先生も似たようなことを言っていましたね。
本当に開発したいのは「ダークソウル」のようなゲーム
インタビューの中で面白かったのは、ベテランのスタッフが「ダークソウル」が出たときに「何でファルコムでこんなゲームを出せなかったんだ!」と悔しがったという話でした。
ファルコムはもともと『ブランディッシュ』や『ソーサリアン』や『ザナドゥ』などの堅い作品を作っていた企業であり、ベテランのスタッフはそのようなゲームを作りたかったようです。
しかし、今ファルコムの売れ筋である「軌跡」を脇に置くことはできない。
近藤社長は軌跡シリーズを若手に任せることができたら、定年間際にそういうゲームにも挑戦したいと語っていました。
個人的にはファルコムが作る「ダークソウル」のようなゲームはプレイしたいです。アクションが苦手な人にも遊びやすいように作られると思うので。
他社と協力して軌跡シリーズに触れられる幅を広くする
最後に軌跡シリーズを含めたファルコム作品のプラットフォームの展開について語っていました。
この1年の間に閃の軌跡Ⅰ~Ⅳの4作品がswitchで登場。それだけでなく先日イース9もswitchで発売されました。
狙いはもちろん遊べる範囲を広げるため。触れられる機会を増やすためです。
異例のハイスピードで移植していますが、ファルコムだけでは難しいので「日本一ソフトウェア」や「CLE」などの他社に協力してもらい移植しています。
前にテイルズオブアライズの記事で「テイルズは移植には時間がかかると言っているのに、ファルコムはどんどん移植できるのは何故だろう」と書いたことがありましたが、他社と協力しているからなんですね。
まとめ
クリエイターの会社としては珍しく、定期的に作品を作るファルコム。
これは近藤社長がもともと、クリエイターからではなく監修からゲーム開発に携わってきた人というのが大きいんでしょうか。
ファンとしては毎年毎年、好きなゲーム会社のゲームが遊べるのは嬉しいです。
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