著 二丸修一
画 しぐれうい
電撃文庫
初恋が実らなかったら、復讐するのが普通だと思います。
・・・違う?いや、そうに決まっている!
ということで、今回の物語は初恋した相手に恋人ができたと聞いて復讐する物語です。
テーマが初恋と復讐のはずなのに、甘酸っぱさよりもハイテンションなノリで進む物語。
決して善人ではないキャラ達の、綺麗ではないが楽しいやり取りが面白かったです。
主要な登場人物は全員失恋しますが、それらもギャグとして進んでいきます。
以下、ネタバレありです。
丸 末晴(主人公)
私の印象は、割と駄目だなあこの主人公 です(笑)
かつての天才子役として確かな才能を持っていますが、日常生活では全く活きず。
精神的にも子供で、すぐ挑発に乗るし、すぐ傷つくし。
白草に告白(復讐)するために周りを巻き込んで頑張っていたはずなのに、 土壇場で黒羽に告白するのも自分勝手だなという印象がありました。
ただ、そんな主人公だからこそ最後の舞台の上でカッコよくダンスを決めたのは
ギャップがあってよかったです。
・・・あまりにも黒羽の意図通り動かされているのはどうかと思いましたが(笑)
志田黒羽(ヒロイン)
お姉さん気質のロリ巨乳。
末晴に白草への復讐という目的を与えながら、
実は自分を振った末晴が自分に惚れるように仕向け、告白させた挙句
今度は自分が振るという復讐計画を立てていたフィクサー。
目論見通りになり、ある意味勝者だったのですが、末晴のことが好きなのに
振ったことで自分がダメージを受けてしまいます。
・・・あほの子なのかな(笑)
復讐計画を完遂しているはずなのにほほえましい気持ちになりました。
ただ、末晴を誘惑している場面はとても色気があってすごくよかったです!!
可知白草(ヒロイン)
黒髪ロングの美少女小説家。
幼いころ仲が良かった末晴と突然疎遠になり、
再会しても自分に気づかなかった末晴に対して怒りを抱き、復讐を誓います。
が、末晴のことは好きなので結果的に自分が傷つきます。
・・・あほの子なのかな(2回目)
黒羽にも言えますが、自分が傷つくなら復讐に何の意味もないのではないかと(笑)
白草は自分から告白すれば一番望む状態(主人公と付き合う)にはなれたので
矛盾したことをしているなと思いました。
でも、矛盾したことをしているところが可愛い!!と思ってしまいました。
甲斐哲彦(主人公の悪友)
この作品で一番好きな登場人物です!
今まで私があまり好感を持てなかった、ラブコメによくいるトラブルメーカーなのですが、
トラブルを起こす理由が性格がクズということで、逆に清々しく読めました(笑)
物語の最後に主人公をお兄ちゃんと言う、天然毒舌後輩が現れるのですが
「面白くなりそうだから」という理由で主人公の携帯番号を主人公の目の前で教えたのは 爆笑しました。
少しでも甲斐のことを知っている女の子からは「死ね」と間髪入れずにいわれるくらいの 女の敵ですが、昔、つらい失恋をしたらしく、その辺りが私は気になりました。
まとめ
初恋に対する復讐を明るく描いたこの作品
登場人物たちのテンポのいいハイテンションなノリが面白く
特に積極的に主人公を困らせてやろうとする悪友、
主人公周りの女性事情に対する嫉妬を隠そうともしないモブ男子たち
が私のお気に入りです。(そこはバカテスに近い感じがしました)
末晴周りの女性事情は混沌というか、もはや個々の勝利条件すらよく分からない状況ですが
末晴が周りにもっと振り回されるのを私は楽しみにしています(笑)
(・・・個人的には日常生活で末晴の格好いいところがもっと見たいです。)
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