「幸せな結末が来ないとしても愛しい人が待つ未来に進むのか」映画メッセージ 感想

初公開: 2016年11月11日 (ロシア)
監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作者: テッド・チャン
原作: あなたの人生の物語

エイミー・アダムス 中村千絵
ジェレミー・レナー 加瀬康之

今まで、ラノベの感想を書いてきたのに
いきなり映画の感想を書きます。(本当に適当ですね,私)

今回の感想は「メッセージ」
この作品を見る前にクリストファー・ノーラン監督の「テネット」を見ていまして
「SFをもっと見てー!」と思いTSUTAYAで手に取りました。

個人的にはミステリ-要素も含めたSFを期待し実際にその側面も強かったのですが、
どちらかといえば母の深い愛を感じられ見終わった後にはボロボロ泣きました。
ネタバレまったく気にしていないので注意です!

ストーリーの流れ
主人公(女性)の娘の生まれてから死ぬまでが冒頭で描かれます。
そのあと、主人公が言語学を大学で教えている最中に未確認物体が世界12か国で出現。
宇宙人の目的を知るために言語を理解しようと主人公が軍から協力要請を受けます。
科学面からアプローチするために呼ばれたイアンと一緒に宇宙人の言語を少しずつ理解していき
宇宙人とコミュニケーションをとれるようになります。
宇宙人の言語を理解していくと同時に夢や回想で娘との日々が出てくるようになります。
世界では目的も分からず居続ける宇宙人に不安が募り、                   過激な対応をとるべきという風潮が高まります。
そして中国を先頭に宇宙人に対して宣戦布告をしてしまいます。
武力での衝突を回避するために主人公は単身で宇宙人とコンタクトを取ります。
その際に宇宙人の目的(宇宙人の言語を授けること)とその言語を理解することで
未来が分かってしまうことが判明。
宇宙人の言語を完全に理解した主人公は
・将来、自分とイアンの間に娘ができること
・自分の娘が治療できない病にかかってしまい、若い間(おそらく10代)で
 亡くなってしまうこと

が分かってしまいました。(娘と暮らした日々まで鮮明にわかってしまう)
未来が分かることを利用し、中国の代表にコンタクトをとって武力衝突は回避。
その後主人公は愛しい娘に出会うため、見える未来通りにイアンと結ばれ娘を         設けることを決断します。
例え愛しい娘と死に別れてしまうことが分かっていても・・・

(戦闘行為をしてこない)エイリアンが来た場合、        世界はどのように対応するのか
SFもので宇宙人が地球に来た時、大抵問答無用で攻撃してくるため
どうやって宇宙人を撃退するかがテーマとなります。(インディペンデンスデイとか)
しかし、この作品は宇宙人側から攻撃はせず、どうやって宇宙人の目的を           知るかがテーマとなっています。
その際、世界各国の足並みがそろわないことが、私としてはリアルに感じられました。
また、宇宙人は地球人を攻撃してくるに違いないという偏見を多くの人が持つのですが
その背景として、未開の地の住人を攻撃してきた人間の歴史があるのは皮肉だなと感じました。
地球上では未開の地がほとんどなくなった現在、理解できない宇宙人が仮に来た時、
上記のような偏見は実際に起こるのかもしれません。

幸せな未来が来ないとして、               それでも娘との出会いを求めるのか
主人公の娘は難病にかかり若いうちに亡くなることは決まっています。
また夫のイアンにそれを打ち明け、(おそらく)別居してしまうことも分かっています。
それでも主人公は未来を変えようとはせず、娘との日々を過ごすことを決めます。
未来が分かるのであれば、それを変えようともがくのが一般的な物語だと思います。
しかし、この作品の主人公は愛しい娘との日々を過ごす一瞬一瞬を大切にすることを心に決め
未来が見えるとおりに過ごしていきます。
そこに娘に対しての底知れぬ愛とすべてを受け入れる高潔さを私は感じ
ぼろぼろに泣いてしまいました。

(一応、娘の死を避けるために色々対策をしたことは未来の回想から分かります。)

演出の仕方、女優さんの演技
最初に娘との回想を持ってきて、その後、夢の中に娘をだすことで
過去の回想という印象を強調するのは上手いなあと感じました。
また、宇宙人との会話、各国の思惑、悪くなる治安などの
重要な場面を詰め込むことで一番重要な娘との思い出を視聴者の意識から
外しているのかなとも感じました。
また女優(エイミー・アダムス)さんの演技もすごくよかったです。
最初の娘との回想では、
娘が生まれた瞬間と死ぬ瞬間で取った行動、表情が似ているように感じました。
最初はちょっと違和感を感じた程度で流していましたが、
今考えると、主人公は未来の娘の死の場面をすでに経験していることで
娘が生まれた=娘の死を深く意識したのかもしれません。

まとめ
小説の感動を伝えきれていないなどの感想も見ましたが、
原作を知らない私は十分に感動しボロボロ泣きました。
ちょっと分からなかったのは、宇宙人が地球人に言語を教える目的。
宇宙人には特にメリットがないような気がするのですが・・・
(あと全人類が未来を見れるようになったら、人類は滅亡すると思います。)
とにかく、いい意味で予想が外れ深い母の愛を感じることができたこの作品に感謝です!
この作品を見て親孝行をしなくちゃなと思ってしまいました。
(どうせ2日後には忘れてると思いますが)

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