魔法を科学的に徹底検証!仮説・検証を繰り返して魔法を理解していくステップが凄く面白かった!16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双 1巻感想

16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双

私たちの世界ではありえない現象を起こすのがファンタジーの世界です。手のひらから水を出したり、火を出したり、闇魔法、光魔法などなど。しかし、それらの現象は私たちの世界の現象を元にしているものが多いと思います。水はあるし、火はある。闇や光などの概念だって実際に私たちの世界にはあります。それらを発展、応用したものが出てくるのがファンタジーの世界です。

で、あれば、ファンタジーの世界の現象は現実世界の科学で解き明かせるのでは?

今回、感想を書かせていただく作品は、ファンタジーの世界で魔法を使えなかった落ちこぼれの主人公がある事故をきっかけに日本で研究者をしていた記憶を思い出すところから物語が始まります。急に力が目覚めたぜ!ヤッホー!ではなく、科学的検証の大事さを思い出し、魔法を現実世界の物理学にあてはめたらどうなるんだろうというところから始めていきます。

漫画のドクターストーンが好きな人に、おススメだと思います。

Dr.STONE ドクターストーン Vol.6 DVD【初回生産限定版】(DVD Vol.6): 作品一覧/TOHO animation STORE  | 東宝アニメーションストア
「Dr.STONE」 稲垣 理一郎 Boichi 集英社

ちなみに私は滅茶苦茶ハマりました(笑)。

スポンサーリンク

あらすじ

第2回ファミ通文庫大賞優秀賞受賞作!

生まれた時から魔法が使えず落ちこぼれと言われてきた貴族の少年、ロニー。彼は十六歳の誕生日に偶然、科学者だった前世の記憶を思い出す。そして好奇心から魔法の謎を科学の力で解明したいと思い立った彼は、弟ヨハンの力を借りて研究を開始した。そんなある日、魔法を人間に与えたという「精霊」を祀った祠が屋敷の近くにあることを知り、祠へと赴いたロニーはそこで自らを精霊と名乗る蛇のような生き物・セイリュウと出会う。さらにセイリュウは「君にも魔法が使えるようになる方法があるぜ」といってきて――!?

Amazon
スポンサーリンク

特長

特徴としてはやはり魔法を科学的に検証するというところだと思います。

無理やり理屈をつけるわけでなく、魔法がどういうものなのかを仮説、検証を繰り返し解明していきます。途中、大学の論文のようなまとめ方もあり、個人的にも単純に「魔法物理学」に興味を惹かれました。

個人的に面白かったのは魔法を科学的に検証するために、魔法以外の現象が私たちのいる世界と同一なのかを確認したこと。重力の存在があることをまず確かめたのは、なるほど!と思いました。ファンタジーの世界を何冊も読んできましたが、地面から浮いてる世界なんてないわけで、そこには重力が存在するはずですもんね。

そう考えるとファンタジーの世界もあくまで私たちの世界が基盤となっている世界なんだなと、ふと感じました。

スポンサーリンク

魅力

何と言っても、魔法に科学的考証をして解明しようとしたことがこの作品の魅力。

前世の記憶がよみがえる→前世の力に目覚める→主人公が圧倒的力をもって世界やヒロインを救っていくという物語ではなく、前世の記憶がよみがえる→科学的検証の大事さを思いだす→その世界の現象を徹底的に勉強・研究する→魔法の仕組みを知り、結果として莫大な力を出せることを知る、という感じでまずは勉強・研究するというステップを踏み、結果として自分にも魔法が使えるんだと言うことが分かります。このステップが非常に面白かった!!

一応、落ちこぼれだと周りから見下されていた主人公が周りを見返すというカタルシスもあるのですが、主人公は魔法を研究したいという気持ちの方が大きいので、あくまで成り上がりのプロセスはおまけかなと個人的には感じました。

スポンサーリンク

考察 納得できる力の覚醒

成り上がりはおまけとは書きましたが、主人公が転生前の記憶を思い出して力を得るというプロセスに対して凄く納得できました。

主人公があるとき力に目覚めて無双する物語では、都合があまりにも良すぎると、読者が置いてけぼりになる気がします。(都合のよくない物語などは無いですが・・・)

極端な例で言えば、主人公は特に何もしていないのに運よく力を得て無双する話。運がいいだけじゃない?本当にこんなうまくいくの?と読みながら疑問を感じ、物語に入っていくことができないです。

その点、この作品では主人公が魔法を勉強していく過程では努力しているんだなと感じ、魔法のメカニズムを解明し読者に説明したうえで主人公の莫大な力が判明したので、その事実にも納得できました。

努力+論理的な解明により、主人公の力の目覚めに納得しながら読むことができました。

スポンサーリンク

まとめ

魔法をとことん現実の物理学にあてはめて考えていくという作品。個人的には、そんな視点があったか!と新鮮な気持ちでワクワクしながら読めました。

また、このように理系の側面からの感想が多くなりましたが、純粋に物語としても面白かったです。両親の、才能のない兄(主人公)に対するあしらい方と、才能抜群の弟に対する接し方は妙にリアルで心が痛かった・・・。

弟のヨハンが良い子過ぎて、逆に闇落ちしないか不安・・・。


コメント

タイトルとURLをコピーしました