黎の軌跡 ヴァンの物語は終わっているのか?

黎の軌跡
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Gamerでゲームライターによる黎の軌跡に関しての対談がありました。

(TOKENさんとアサミさん)

バトルやキャラクターの魅力や次回作への期待を(勝手に)語り合った「英雄伝説 黎の軌跡」編集・ライター対談 | Gamer
日本ファルコムが2021年9月30日に発売したPS4用ソフト「英雄伝説 黎の軌跡」。2021年12月中旬、本作をクリアした編集・ライターの2人がその魅力を語り合った。

かなりメタな話題も扱った、濃い内容の対談。本職のライターさん同士のインタビューということで、やはり見方は全然違うなあと思いました。

特に個人的にはどちらかと言えば否定よりだったアクションとコマンドバトルの併用について、詰め切れていない部分があるにせよここまで見事に成功させた例はないという意見はなるほどと思いました。

そんなプロのライターさんの意見の中で、印象に残ったのは「ヴァンの物語はほとんど終わった」というところ。 TOKENさんとアサミさんとしては黎の軌跡でヴァンの物語は綺麗に完結したという見方のようで「黎の軌跡Ⅱでこれ以上やることがあるの?」という風にも読めました。

ここがちょっと私の意見とは異なる部分になりましたので、お二人が何でヴァンの物語は終わったと感じたのかという理由の推測と、私はヴァンの物語は終わっていないと感じる反論(?)について書いていきたいと思います。

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理由①ヴァンの精神的な成長は黎の軌跡開始時点でもう終わってる

お二人がヴァンの物語は黎の軌跡で終わっているという理由の一つに精神的に成長しきっているからがありそうでした。

記事の中で何度もリィンと比較するところがあり、不安定でどうなるのか分からないが、その分精神的に成長の余地があるリィンと既に成長しきっていて精神的に安定しているヴァンの違いを強調していました。

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主人公の物語を精神的な成長と見るのであれば、既に熟しているヴァンにはもう物語の余地はないと見ているのかもしれないですね。

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理由②黎の軌跡=ヴァンの物語 が綺麗に終わった

あとは閃の軌跡とは違い、黎の軌跡は綺麗に終わったことも理由としてあるようです。

散々引っ掻き回したアルマ―タは壊滅。最後にはヴァンが抱える闇の元凶だった悪魔を仲間全員で倒してハッピーエンド。

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因縁があったラスボスを倒し、ヴァンの一番の問題を解決したことで、ヴァンがこれ以上対峙すべき問題はなくなったという見方もあるのかもしれません。

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個人的反論①ヴァンの精神的な成長は歪な成長では?

上の推測した理由が合ってるかどうかも分からないので、反論も何もないですが(笑)

ただ私はヴァンの物語は終わっていないと思うので、その理由を書きたいと思います。

まず、ヴァンが精神的に成長しきっているという点に関しては、その成長はかなり歪な成長だったのでは?と思います。ヴァンは確かに年齢以上に達観しているところがあり精神的に安定していましたが、その根底にあるのは「自分は存在してはいけない」という自己否定。

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自分が他者と深く関わってはいけないという想いから、他人から何かをしてもらうことに対する欲求は一切ありませんでした。ヴァンの趣味は車に、デザート、サウナであり、人間関係に対する欲は一切見えてこなかったですね。(アウトローに生きているのに女遊びに関して無頓着なのも印象的でした。)その人間関係に対して無欲な部分が精神的に安定しているように見えたのではないかと思います。

しかしリィンを例に出すのであれば、リィンが「自分はシュバルツァー家の人間ではない」と自己否定したまま凝り固まって諦めの境地に達したのと同じで、それを精神的に成長しているとは言えないのではないでしょうか。

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個人的反論②ヴァンの根本的な問題は解決していない

そして、そんな自己否定をしたままで主人公の物語が(一般的には)終わるはずがないので、ヴァンの物語が終わったというのであればヴァンは最終的に自己肯定してなければなりませんが、明確に自己肯定できているかと言えばそうではないと思います。

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黎の軌跡の最後のシーンで、悪魔が再度現れた時にどうするかという問いに対して「今度はもう少し考える」と言っていました。多少、自分の存在に前向きになったのは確かですが、自分を心配している人たちのためにあがくだけで、自分が大切だからとは言わなかったです。

ヴァンが完全に自己肯定できるまでは、ヴァンの物語は終わってないと個人的には感じます。

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ヴァンの物語はここからがむしろ始まり?

そして、個人的に最も物足りないのは仲間たちと本心で向き合ってこなかったこと。

年下が多いこともあると思いますが、仲間たちに対して常に見守るような形で、決して弱音は見せずに接していました。一見、頼りになるお兄さんですが、根底には自分の存在の否定からの達観があったのだと思います

しかし、黎の軌跡の最後に仲間たちがその否定の部分を取っ払ってくれました。

私としては、むしろここからがヴァンが本音で他人と向き合う物語の始まりになると思います。

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・・・と色々書きましたが、結局はヴァンが大好きなのでヴァンが主人公の物語をもっとプレイしたい、というだけです(笑)

あとヴァンに関しての謎もまだまだあると思いますので黎の軌跡Ⅱでもやることはあると思います。(孤児院を出てからアラミスに入るための空白の7年とか)・・・というか、メアに関しては何もわかってないし。

孤児院を出てからの悪いことは分かりますが、良いこととは? 14歳の時に引き取られた先とは?

TOKENさんは近藤社長へのインタビューで「黎の軌跡Ⅱではヴァン達が中心になるのは間違いないか?」という質問に濁されたのが引っかかっているようでしたが、ファミ通のインタビューでは「主人公はヴァン」と明言しているので、ヴァンが主人公なのは間違いないと思います。

黎の軌跡Ⅱではヴァンが仲間に弱音を言えるようなシーンが見れると嬉しいですね。

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