一ノ瀬家の大罪 第19話 感想 夢に縋る夫。夫まで失いたくない妻。

一ノ瀬家の大罪

翔さんの狂い方とそれに対する美奈子さんの追い込まれ方が私の心を蝕んでいきました・・・。

この作品は、人の狂い方を表現するのが本当にうまい!

上手すぎて辛い・・・。

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夢に現実逃避する夫、夫まで失いたくない妻

同じ夢(昏睡状態のはずの息子が目を覚ましていた)を見ていたということが分かった美奈子さんと翔さん。

しかし、二人の受け取り方は違いました。

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

これは何かの予兆だと、この夢には意味があるんだと確信する翔さん。

病んでそうな絶妙な顔が怖い。

こういう表情を描くのが本当にうまいですよね・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

一方、同じ夢を見ていたことは確かに不思議だけど、単なる偶然としか思っていない美奈子さん。

普通なら美奈子さんの反応が正常ですよね。

でも・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

美奈子さんは翔さんの妄想に話を合わせます。

それは美奈子さんも心のどこかで翼の夢を共有していることを信じてる・・・わけではなく、希望をもって明るくなってる夫を否定したくなかったから。

息子を失った後に夫まで失いたくなかったから。

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

翼は夢を見てるのかもしれないと・・・どこかに意識はあってこちらから呼びかければ応答してくれるのではないかと・・・応援し続ければ目を覚ましてくれると。

次第に自分の妄想を膨らましていく夫に、必死についていく美奈子さん。

・・・歪んだ表情で汗を浮かべる美奈子さんが本当に苦しそうで、私の胸まで痛くなるんですが・・・

少しだけ・・・もう少しだけと現実逃避を続けていましたが・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社
出典:呪術廻戦

きつい・・・きついよ、これは。

もう、静かに狂ってるという感じがして・・・もう・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

ここで、翔さんに病院に行くことを「お願いします。お願いします。」と懇願する美奈子さんを見て、私の心は発狂しそうになりましたね。

なんで、この漫画はやり取りがこうリアルに聞こえちゃうんだろう・・・

「夢なんてない」と訴える美奈子さんに対して、

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

自分が「夢」に縋っていることを認めた翔さん。

・・・自覚はあったんですね。良かった、完全に狂っては無かったんだ・・・。

夢の中での翼が「翔さんがお父さんで良かった」と言ってくれた。

せめて夢の中でも翼がそんな思いをしてくれているのなら・・・と藁にもすがる想いだったようです。

そこからベッドの上の翼にちゃんと向き合って、翼に呼びかける二人。

やっと家族として向き合えるようになった両親の呼びかけに対して翼は・・・!!!

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現実を逃避した翼

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

すべてを忘れることにしていました。

ひどいよ・・・せっかく両親が向き合おうとしている中で、今度は息子が現実逃避かよ!!!

すれ違いが空しすぎる・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

一方、お爺ちゃんだけはやはりループのことも翔さん、美奈子さんのことも記憶を残していました。

・・・前々から不思議だったんですが、どうしてお爺ちゃんだけは記憶が残るんだろうか?

そして、記憶を取り戻した翔さん、美奈子さんはこの夢から消されたのにどうしてお爺ちゃんは残ってるんだろう・・・・?

事故の記憶を取り戻せるかどうかがトリガーということなのかな?

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事故前に家族が崩壊していたのは本当?

そして、もう一つ気になることがあります。

事故前に一ノ瀬家が崩壊していたという”記憶”が夢の中で出ていましたが、それは本当だったのかということ。

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

まず違和感があったのは美奈子さんの過食症の治療。

”記憶”では翔さんの不倫をきっかけに美奈子さんが過食症になっていましたが、病院の先生との話では事故をきっかけに過食症になったというように受け取れる雰囲気でした。

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

また、家族が崩壊しているのも事故以前からのはずですが、それも「事故以来バラバラ」と事故をきっかけに家族がバラバラになっているかのような発言をしています。

何より不思議なのは・・・

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

美奈子さんが翔さんとの会話を望んでいたということ。

”夢”の中での記憶では夫の不倫を知り絶望していた美奈子さん。

その状況を見ると、事故が起きて更に極限状態に追い込まれてるこの時点で翔さんとコミュニケーションを取ろうとすること自体、ちょっと不自然な気がします。そして、今回夫婦仲を取り戻そうとしている中で夫の不倫という避けられない話題が一切出てこないのもおかしい・・・・。

・・・もしかして、あの記憶は夢の中で作られた記憶?

ということで、今回はここまで!

何かと推測していますが、まあ当たらないだろうなあとも思ってますよ、うん(笑)

でも何か、まだ重大な事実は隠されてる気がするんですよね。

そう思う理由の一つとして、最後に出てきた偽お父さんのコマ。

出典:「一ノ瀬家の大罪」 タイザン5 集英社

これ、読者を見つめてない?

そういう演出なんでしょうか?

でも、こんな演出の仕方はこの作品で見たことがないし、演出だとしたらちょっと地味すぎるような気も・・・あと演出だとして意図が分からないし。

この男が、まだ何かを握ってる気はしますね。

そして、ここまで全く存在感がないお祖母ちゃんが本当に怖い。


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