9/9に発売されるテイルズオブアライズ。
今までのテイルズとは明らかに違うキャラクターデザイン。
アニメ絵ではなく3Dモデルでの表現など(スキット等)
これまでのテイルズシリーズとは明らかに趣の違う作品となっています。
賛否両論あるようですが、私としては大きな挑戦を応援したいですし、実際、予約も好調の様です。
発売前にもプロデューサーの富澤さんを中心に、丁寧に多くの情報を伝えています。
あんまり情報が出てこない軌跡シリーズのファンとしては羨ましい限りです。
しかし、何故テイルズはここまでの変革が必要となったのか。
私としては間違いなく、ゼスティリアでの失敗(炎上騒ぎ)が影響していると思います。
炎上の件については、掲示板で調べればいくらでも出てきますが、ノリや勢い・私情を挟んだ今一確度のない意見も多いので、
当時の記事や馬場プロデューサーへのインタビューをもとに今一度、炎上騒ぎの真相、原因について考えてみました。(作品の内容についてはあまり触れません。)
注:特定の人物を非難するための記事ではありません。
炎上騒ぎの影響
炎上騒ぎはテイルズシリーズにどのような影響をもたらしたのかを見ていきます。
注意:ここから表す数字や評価の尺度は私の独断と偏見で集めたものです。参考程度に見てください。
Amazonの評価
評価を平等にするために、PSソフトの通常版での評価としました。
一概に断言できませんがゼスティリアだけ評価は目立って低くなっています。
また評価数も他が400程度なのに対し、ゼスティリアは1000を超えておりプレイヤーから大きな反応があったのは間違いありません。
続いては売上本数(数字はざっくりしたものです。)
ゼスティリアから次回作のベルセリアで売り上げが30%減。
世界観が同じこともあり、ゼスティリアの影響はあったと思います。
(もっと言えば、エクシリアから右肩下がり。)
そして何より発売間隔。
ヴェスペリアからは1番長くても、エクシリア2からゼスティリアまでの3年という間隔でしたが、ベルセリアからアライズまでは5年も空いており、テイルズシリーズとしては異例となっています。
その間、ゼスティリアを担当した馬場プロデューサーがバンダイナムコを退所しており、これもゼスティリアの炎上騒ぎの影響だと考えます。(ベルセリアはゼスティリア発売前から制作が進んでいたとみられる。)
他にもバンダイナムコの株価が下がり、株主から質問がでるなども起き、炎上騒ぎの影響はテイルズシリーズに大きな影響を与え、今回のアライズの大きな変化につながったと思います。
炎上騒ぎの内容
簡単に言えば、発売前はヒロインとして扱われていたアリーシャが本編中ではヒロインどころか雑に扱われていたという内容。
- 発売前は主人公のスレイと一緒に紹介。フィギュア化も真っ先に決まっていた。
- しかし本編中では途中離脱し、最後の最後に1戦だけ戻ってきた。
- その代わりにロゼと呼ばれるキャラクターがヒロインとして扱われるようになった。
- 特典の秘奥義はアリーシャ離脱後で使えるようになるものだった。
- アリーシャ用のDL衣装が何故かロゼでも使えるようになる。
- アリーシャ離脱後に何故かアリーシャ専用武器が売っている
などから、完成間際の作品を横やりしてヒロインを変えたのではという噂が流れるようになりました。
また、発売前の生放送で馬場プロデューサーがロゼのことやCVを担当した声優さんのことを個人的に好きだといったことで、
「馬場プロデューサーが自分が好きな声優のためにヒロインを変えた」
などの憶測を呼び、更に炎上は加速。
その他にも発売直後に1300円するDLCのストーリーが追加、その内容もロゼを持ち上げる内容だと話題になるなど、炎上は収まるどころか加速を続けました。
しかし、これらの炎上理由は途中から憶測も多分に含んでいるものであり、事実はどうなのか、と。
そこで今回の炎上の原因となった、発売前のプロモーションを見ていきたいと思います。
発売前のプロモーション
2013年12月
20周年記念タイトルとして、ゼスティリアが発表。
統括プロデューサー 吉積 信さんが原点回帰のタイトルと述べる。
木村良平さん(スレイ役)、茅野愛衣さん(アリーシャ役)も登場。この時点で収録は終わっていた。
馬場プロデューサーがアリーシャについて
「アリーシャは騎士の役目を担っているのだが、なぜ彼女が騎士になったのか、彼女が情熱を持って取り組むことは何か、そしてスレイと出会い冒険をする中でどんな展開が待ち受け、どう成長していくかに注目してほしい。」
この時のファミ通の表紙はスレイとアリーシャ。
2014年4月
スレイ、アリーシャ、ライラ役の声優さんによるニコニコ会議でのプロモーション
2014年6月
テイルズオブフェスティバルにてスレイとアリーシャのフィギュア化が発表。
2014年9月
ロゼが紹介される。
馬場プロデューサー
「ロゼに関しては絶対、出てほしかったので、小松さんに出演いただけるよう、いろいろと調整させていただきました。パッケージイラストで描かれている位置からもわかるように、ロゼは本当に重要なキャラクターなんですよ。だけど、実際に彼女がどういうキャラクターなのか、実際に遊んで知ってもらう楽しみを残しておきたいので、そういう意味では少しミステリアスな部分も入れつつ、というところですね。」
パッケージイラストが下記。
2014年10月
馬場プロデューサー
■アリーシャ
「ヒロインは誰なのか?」と、よくユーザーさんから聞かれる。アリーシャは、自分の存在を民のために使いたいと考えて、騎士になった。つねに自分の国にとって何をすべきかを考えて行動して、スレイたちと出会うことになる。”果たして、彼女はヒロインなのかどうなのか?”については、まだ言えない。
■ロゼ
元気ハツラツの活発な女の子。アリーシャとは違って、心情を前面に出して行動していくタイプ。(冒頭に見たムービーでは、「導師について思い入れがありそうだが?」という問いに)おっと、どうでしょうねえ。(「パッケージイラストで描かれている位置はスレイのすぐ側なので、ヒロインじゃないかと思われている」という話に)なるほど。ヒロインなのか、ヒロインじゃないのか。でも、ufotableさんに描いてもらったイラストでは、また立ち位置が違うんです。だから、今回のヒロインは、遊んでもらうとわかるような仕組みになっている。
2015年1月
テイルズオブゼスティリア 発売
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これらの経緯を見て
- ユーザーがアリーシャをヒロインだと思うのは仕方ない。
- 一応、ヒロインが誰なのかという疑惑は発売前からあった。
- その際に、馬場プロデューサーはヒロインのことをはぐらかしていた。
というところが重要でしょうか。
考察
まず、完成していたシナリオに横やりを入れたという疑惑ですが、それはないと思います。
理由としては、最初のヴェスペリアの作品の発表の際に声優さんが出ており、その時には収録は終えているから。
そこから、シナリオに修正を入れるのであれば収録の再録も必要であり、流石にそこまでの無理はできなかっただろうと思います。
そのため、「好きな声優さんのためにシナリオを改変した」も可能性はないと思います。
馬場プロデューサーがロゼに思い入れがあるのは確かのようですが。
であれば、問題は何故こんなややこしいプロモーションをしたのか。
それは2015年5月のファミ通記事インタビューに答えがあると思います。
このインタビュー記事、馬場プロデューサーの「各メディアにはアリーシャがヒロインとは伝えていない」という発言が、責任転嫁だ、と更なる非難を呼んだのですが、
個人的に重要なのはそこではなく、馬場プロデューサーが「プレイをして確かめてほしい」とネタバレを極度に嫌がったところが、今回の炎上騒ぎにつながったと思います。
インタビューを読む限り、馬場プロデューサーは先の読めない複雑なストーリー展開にこだわっていたようで、そこに関するネタバレを極度に恐れるために、プロモーションでヒロインに関してミスリードを図ったものと思われます。
アリーシャの実際には使えない秘奥義や、アリーシャのDL衣装がロゼとも兼用だったことを隠したのもネタバレになることを恐れたためであり、馬場プロデューサー個人が突如変更したものではないと。(スタッフと話し合って決めたというので、事実だと思います。)
ネタバレなしで楽しんでもらいたいというクリエイターのこだわりが、ユーザーには届かず、特定のキャラクターへの贔屓だと映ってしまった、というのが真相だと考えます。(そうだとしても、アリーシャ離脱後の武器があるのはやりすぎでは・・・とも思いますが。)
個人的には、原点回帰だと言っている20周年記念の作品でそんなリスクのあるプロモーションをするなよ、と率直に思いました。
まとめ
結論としては巷で言われている炎上騒ぎの原因はデマの可能性が高いが、それでも誤解されるリスクの高いプロモーションを行った責任はあると考えます。
(・・・馬場プロデューサーはプロモーション力の高い方だと個人的には思うので、そこにこだわりすぎたかなとも思います。)
そもそもネタバレを恐れるためにアリーシャの秘奥義やDL衣装について情報を隠しているのは、お金が発生している時点で大分グレーゾーンかと。
あとは馬場プロデューサーが細かいところにこだわりすぎていないかとも思いました。
ロゼやアリーシャの役割や心情についてファミ通のインタビューで答えていましたが、あまりにも細かくややこしすぎて、そのインタビューを読んでもよく分からなかったです(笑)。
それをゲーム内で具体的に描写することなく、ユーザーに感じ取ってほしいというのは・・・少し無理があるかと思います。
馬場プロデューサーは、複雑な設定や物語のメッセージを好む傾向にあるように見えますが、関わってきた歴代の作品を見るとそれを常に上手くまとめて表現できているかは少し疑問があります。
それはまた、馬場プロデューサーに焦点を当てた記事で出そうかなと。
アライズの設定は2つの人種の対立、目的は奴隷解放なので分かりやすく、そこに関しては安心かな? とは思っています。
コメント
私もネットの炎上は誇張しすぎだと思っておりますが
開発側の対応も納得できるものはなく 現在でもバンナムに対して不信を抱いている人の気持ちもわかります それだけこのシリーズは期待されていた・・ということでしょうか
私はどちらかと言うと馬場さんを評価している方で プロモーション・宣伝
プレゼン力はうまかったと思うし 声優陣からも信頼があったように思えます
しかし サイン会で会った友人によるとユーザーとの方向性の違いを感じたそうなので
そういうのが裏目に出てしまったという感じでしょう ですが馬場さんが退社ときショッキングでした後釜いないじゃん・・と(すぐに富澤氏に交代したんでしょうけど 事実ここらへんから新作がでなくなりましたね
アリーシャに武器が終盤まで売られてるのは 私の予想でしかないですが
プログラム的な問題かと ストーリーの進行に合わせて調整できなかったのではないでしょうか(それはそれで情けないですが・・)
アリーシャのミスリードが今も許されていないのは ユーザーが気になってる「じゃあ今後はどうするの?」
という明確な回答がなかったともあるかと
馬場さんは「次回作を全力を作るしかない」と述べていますが これは答えになっていません ミスリード問題は解決したとは言えず 今後もテイルズは同じことをやらかすのではないか?
という不安を残したまま現在に至ってると感じます
コメントありがとうございます。
炎上後、開発側の対応が曖昧なものになっているのは、おそらく本当に騙す気は無かったからかなと思います。
誤解を招いたのは申し訳ないと思っていても、ネットが騒いでいるようにストーリーを捻じ曲げてはいない。
だから、これ以上コメントしようがない、と。
記事にもあるように、私も馬場さんのプロモーション・宣伝の力は凄かったんだろうなと思っています。
ただ、インタビューを読む限り、複雑な設定・ストーリー展開、繊細で難解な心理描写に病的なこだわりがあり
しかも、心理描写に関しては前面に出すのではなくユーザーに感じ取ってほしいという狙いがありました。
おそらく、RPGで大作映画のようなものを作りたかったと思いますが、それはテイルズシリーズでやることなのかと
正直思います。
個人的に富澤さんには凄く期待していますが、(生放送のQ&Aを見る限りミスリードは無さそうかな・・・)
1つ懸念(?)があるとすれば、多分馬場さんの時ほどハイペースで作品は出せないんじゃないかなと思います。
FF,DQ、ペルソナ辺りのペースに近づきそうかな・・・と。
プログラム的な問題に関しては、そういうのがあるんですね。そのあたり、私は門外漢なので分かりませんでした(笑)。