鬼滅の刃 刀鍛冶の里編 第八話 感想 2人の兄弟の「情けは人のためならず」

鬼滅の刃

「人のために生きる」は中々難しいですよね・・・少なくとも会社のためには無理だなあ(社会人失格)

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無一郎の無は・・・

無一郎の過去・・・

どちらかといえば、無一郎よりも有一郎の方に感情移入してしまったかもしれません。

とても優しく働き者だった無一郎の父と母。

母は体が弱くても家族のために働いたことで無理がたたり、父はそんな母を助けようと大雨の中、薬草を取りに行ったことで転落し・・・無一郎が10歳の時に両親は亡くなってしまいました。

そんな両親を見た有一郎と無一郎の二人は全く正反対の感情を抱きました。

無一郎は両親が死んだことを悲しみながらも、人のために自分を犠牲にしてでも生きてきた両親を尊敬しました。一方、有一郎は自分を顧みずに最終的には子供二人を残して死んでいった両親を恨みました。

「情けは人のためならず」

無一郎が人への情けは巡り巡って自分の下に戻ってくると解釈しているのに対し、有一郎は人に情けをかけてもろくなことにならないと解釈していたことからも、2人の考えの違いを表していましたね。実際の意味は無一郎の考えが合ってるらしいですが。

「無一郎の無は無能の無。無意味の無。」

お前は何もできないと冷たくあしらう有一郎。

そんな二人に鬼殺隊からスカウトが来ます。

自分は人の助けになれるんだ!という希望で満たされる無一郎は無邪気に喜びます。兄との息が詰まるような生活から抜け出せるかもしれないという思いもあったのかな・・・

それに対して、無一郎は憤慨。

「人を助けるなんて、選ばれた人間だけだ!」

・・・阪神大震災を経験した方の手記に「人は一生をかけて一人の人間を救えるかどうかかもしれない」という言葉があったらしいですが・・・。有一郎のこの言葉は悲しくも共感してしまいました。

特に自分の母や父が他人のために生きたうえで、あのような最期になったところを見てる有一郎はそのような考えになるのもしょうがないのかもしれないです。他人のために生きるくらいなら自分のために生きてくれ、と。

その後、鬼が襲来し、二人を襲った際に無一郎の力が覚醒。

無一郎が激しい怒りとともに鬼を惨殺しました。「お前には何もできない」と言われてブちぎれていましたが、両親を助けられなかった怒りも同時に解放されてしまったのかな・・・。

鬼は倒せましたが有一郎は瀕死。今際の際で有一郎が願ったのは

「どうか弟だけは・・・助けてください。」

・・・結局、有一郎はずっと弟を心配して生きていたんでしょうか。

両親のように、弟には他人のために生きて、死んでほしくはない。だから、「お前には何もできない」と、他人のために何かしようとする気すら起きないように冷たく当たっていた。無一郎が優しい両親と似ていたのも、有一郎を心配させる理由だったのかも・・・

もしかしたら、有一郎は無一郎の剣の才能も知っていたのかもしれませんね。鬼殺隊にスカウトされた時に激怒していたのも無一郎の才能が知れ渡り、危険な目に遭ってしまうのを危惧していたと。

「記憶のない時の自分は兄に似ていた。」

無一郎が人に冷たく当たっていたのは、死んだ兄の”願い”を無意識にかなえようとしていたからなのかな・・・

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人のために無限の力を

兄のことを思い出し力が湧いてきた無一郎。

痣が出とる!!!!

それ、炭治郎特有の者じゃないんだ!!!

痣が出ると能力が飛躍的にアップするのは不思議ですね。

・・・呪印かな?(不吉なこと言うな)

出典:「NARUTO」

兄のことを思い出した無一郎は刀を作ってくれた鉄穴森さんにも素直にお礼を言えるようになります。

「刀を作ってくれてありがとう」

ここは兄への無意識の懺悔が、呪縛が解放されたように感じました。

最初に刀を作ってくれた鉄井戸さんは無一郎の無理をした生き方を見抜いていました。

「お前さんがどれだけ手一杯か。お前さんの刀を見てると涙が出てくる」

本来は他人のために生きたいはずの無一郎が無意識に他人に冷たくして、無意識に自分を否定しながら、自分を傷つけながら生きている。そのことに無一郎自身が気付いていない。無一郎は自分でもわからぬままに自分を苦しめようとしていたように感じます。

「どれだけ善良に生きていたとしても、報われるとは限らない」

それでも無一郎は人のために力を出せる選ばれた人間。無一郎の無は無限の無。

兄の本当の想いを受け継ぎ、”人のために”無限の力を出せるようになった無一郎。

本来の無一郎が解き放たれました!

よ~し!その力でその気持ち悪い壺を叩き割っておしまい!

ということで、今回はここまで!

他人のために力を発揮できるって言うのは、少年漫画の主人公などには必須の能力で、子供の憧れの一つではありますが・・・中々理解しにくいところでもある気がします。特に大人になってくると

自分一人でも生きていくのに必死で、自分を幸せにすることすら自信がなくなる生活の中では、正しい意味での「情けは人のためならず」を心がけることは本当に難しいですね。なので、無一郎よりも有一郎の考えに同意してしまうことがどうしてもありました。

しかし、物語の中で美しく、強く見えるのは無一郎の考え方。鬼滅の刃を見ていると自分の生き方を見直したくなってくるときがありますね・・・。まあ、仕事ですぐに忘れちゃうんですけど。(悲しき社会人)


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