Falcom 近藤社長インタビューまとめ アライズが目指した「継承と進化」を約20年続けてきたバランスの取れるチャレンジャー

軌跡シリーズ

軌跡シリーズの立ち上げから携わってきた近藤社長が軌跡シリーズを中心にどのような狙いがあって開発をしてきたかを詳細に語った、非常におもしろいインタビュー。

“開発を終わらせる”哲学から生まれるゲーム制作。17年にも及ぶ「軌跡」シリーズを振り返りながら日本ファルコムが「何を大事にしているのか」を近藤社長に聞く
今回は同シリーズを手掛ける日本ファルコム株式会社代表取締役社長の近藤季洋氏に、過去作の思い出や新作の開発秘話、そして「軌跡」シリーズと日本ファルコムの今後についてなどお話を伺った。

クリエイターとしては珍しく柔らかい雰囲気がある近藤社長の、古典作品へのリスペクトと新しい流行を受け入れる柔軟性を感じました。

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若手に任せた創の軌跡

https://news.denfaminicogamer.jp/interview/210908a

黎の軌跡は空の軌跡から関わってきたメンバーが開発を行い、創の軌跡は若手に任せることで開発チームを分けた近藤社長。

創の軌跡の開発リーダーは30代ということで相当若い年代で作られた作品になります。

創の軌跡はファンディスクのような側面もあるので任せたのかなと思う反面、ある意味軌跡シリーズの総括編でもあるのでよく若手に任せたなとも思います。

若手に任せたことで変わったこととして、キャラクターの命を容赦なく落とさせようとするところがあったとのこと。「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」などの今の時代の流れでもあるかもしれません。

また10代の女の子がえげつないセリフを吐く場面も驚いたとのことでした。ナーディアのことかな?これは日本のラノベ好きの外国人スタッフの影響があったとのこと。

うん、まず、スタッフのキャラが濃いな (笑)

創の軌跡のわたしの感想としては、軌跡シリーズをよりダークに複雑に描き、今の時代に合わせてきたなというところがありました。より私好みの作品でしたね。

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空の軌跡 開発秘話

近藤社長が20代後半の時ガガーブトリロジーシリーズが完結した英雄伝説シリーズの新規シリーズ開発に携わることになり、それが空の軌跡でした。

https://news.denfaminicogamer.jp/interview/210908a

当時、自分たちにできる新しいことをやりたいと思っていた反面、 ガガーブトリロジーシリーズ の良さも出したいとも強く思っていたそうです。

当時はやりだったFF7などのクールな魅せ方よりも、アットホームな温かい雰囲気のあるRPGを作りたい、と。

また、NPC全員に名前をつけて、ゲームの進行に合わせてフラグごとにセリフを変えていくところも継承したようです。この部分は私が軌跡シリーズを好きな理由の一つで、ゲーム世界にいる人すべてが実際に生きているように感じます。

この話で、近藤社長はうちに天才はいないから、やれることをきっちりやろうということを心がけていると言いました。1章に200人ぐらい出てくるNPC全員に名前をつけて、フラグごとに細かくセリフを決めて、ということはクリエイターであれば誰でもできるはずと。

このNPCのフラグ管理は非常に細かく、ここでNPCに話しかける人はメインストーリーをじっくり聞きたいはず、一方で少し外れた場所で話しかける人はおまけ的要素を聞きたいはずなど、細部まで考え抜かれていました。

時間と労力と根気があればできるかもしれませんが、やり遂げられるのは一部の方だけではと思いました(笑)

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零の軌跡、閃の軌跡の狙い

以前にも軌跡シリーズの各章の狙いを考察した記事を書きましたが

近藤社長自らその部分を語っていました。

零の軌跡では服装やキャラが持つ携帯機器、文化などに当時のトレンドを意識しました。空の軌跡を期待していた関係者からは反発があったそうですがやんわりと押し切り、その方向でゲームを開発。結果的に空の軌跡よりも1つ下の世代を取り込むことに成功しました。

閃の軌跡は学園物に路線を向けます。キャラのビジュアルなども含めて当時の流行りのライトノベルにも影響(「学園」+ファンタジー)を受け、当時の10代のユーザーを取り込むことに成功します。流行を取り入れたことで、メディア展開も広がり始めました。

このように区切り区切りで、新規層を取り組むためのチャレンジを積極的に行っています。

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まとめ

元々、昔ながらの堅い雰囲気のゲームを作成してきたFalcomに憧れていた近藤社長。

近藤社長の凄いところは、そのような元来のFalcomゲームをしっかりとリスペクトしながらも、現代の流行りを取り入れることに躊躇がないところだと思います。

私の勝手なイメージですが、どのようなジャンルでも昔ながらの雰囲気をリスペクトする人は新しいものや流行に対して排他的になるように感じます。しかし、近藤社長はそういうものに対しての抵抗感がほとんどないように見受けられます。(ライトノベルに影響された部分があるとはっきり発言するとは思いませんでした。)

アライズの富澤プロデューサーが「継承と進化」を前面に押し出していますが、近藤社長は20年近く「継承と進化」を続けてきた方なのかもしれません。


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