・・・おのれ・・・摂理の枠に収まらぬ・・・不適合者・・・!!
無惨様、上に立つ者の心の余裕とはこういうことを言うのですよ・・・
アニメ化もして2期も予定されている魔王学院の不適合者。私は恥ずかしながらアニメ化していることを知らず、1巻を読み終わった後に知りました。
もはや現時点で世界を征服できる転生した魔王アノスが不適合者と侮ってくる相手をバッタバッタと屈服させるカタルシスガトリング。転生最強モノらしいテンポのいい作品ですが、物語の終盤では伏線を回収していき、「不適合者」に別の意味も持たせたところで、「お~!」と感嘆しました(何様?)。
あらすじ
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、
魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王アノス。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。
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魔王の生まれ変わりと目される者を集めた“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!
×残虐非道な魔王 〇合理的で利他的な絶対支配者
人間、神々、精霊、魔物の終わりなき戦いを自らの死という形で決着をつけた魔王アノス。2000年後の世界で転生し、再び魔王として君臨するはずが・・・。なぜか魔王の生まれ変わりを育てる学園で不適格の烙印を受けます。
しかし、そこは心の広いアノス様。無礼者は殺さずに許し(1度殺してから転生させることはある)、むしろ(相手のプライドは粉々にして)楽しもうとする寛大さ。所々不穏なところはありますが、明らかに自分より力が下の者に対して理解しようとする言動を示し、残虐非道な魔王からはかけ離れている存在だなと感じました。
自分に不都合が起きると、すぐ部下にパワハラする自称天災さんに爪の垢を煎じて飲ましてあげたいで・・・あ、やべっ
「鬼滅の刃」 吾峠呼世晴 集英社
上に立つものとして合理的な判断もでき、「力の劣るものでも使いようがある」の言葉には涙が出そうになりました。私の仕事の同僚にも言ってやってください!そして私の使いどころを教えてください!
また、アノスにとって魔王とは力、権力、立場、称号ではなく、配下(自分の周りの人)のため運命だろうと摂理だろうと亡ぼしつくす在り方のことを指しており、今回もネクロン姉妹のために命を懸け・・・懸け・・・・・・そんな危険な状態にはなりませんでしたが、滅多に出さない全力を出し・・・出し・・・・・・普段よりも頑張っていました。(強すぎて表現が難しい)
2000年の間で魔力が衰えていることもあり周りが子供に見えるのかアノス様は慈愛にも見えるやさしさを見せるときもあります。まあ、たまに大人げなく虐めているようにしか見えないこともありますが。
魔王特有の尊大さはあるが合理的な判断ができ、やさしさがある。このアンバランスさが凄く魅力的でした。
終盤に怒涛の伏線回収
前半は転生してわずか1日で6歳に成長、1か月で16歳に成長。魔王復活RTAのごとしテンポの良さで、勢いで物語が進んでいる印象でしたが後半は伏線を綺麗に回収していきました。
特に適性検査での質問の伏線が個人的には好きでした。「力と魔王の適正がある者、どちらの方を生かしますか?」という質問だけアノスの答えが出なかったことに少し引っ掛かりはありましたが、上記のテンポの良さで気にならなくなってしまいました。私はこのように伏線と思わせない伏線が好きで、またこの答えが「どちらも助ける。運命をぶっ壊す。」だったのもアノスらしくてよかったです。
また不適合者という名称が物語を通じて「魔王の器としての」という意味だったのが、最後に時間や運命の摂理の枠にとらわれない不適合者という意味が付け加えられたのも好きでした。
伏線とは違うかもしれませんが、誰にも認められなかった魔王の転生という事実をヒロイン2人が最後に認めるのもカタルシスがありました。
後半で伏線を回収して、物語を綺麗に締めたことで、前半とは違う物語の味を楽しむことができました。
まとめ
ちなみに私の一番好きだったシーンはこちらになります。
「ダイの大冒険」 原作:三条陸、作画:稲田浩司 集英社
いや、有名な違う漫画の画像だけど本当にあったんだって!しかも主人公がやってんだって!
まさかダイの大冒険のオマージュが令和で見られるとは・・・よく考えれば今が旬だったわ。
あまりにも最強すぎるアノス様が今後苦戦することはあるのか。もしかすると、おそらく、多分、絶対に苦戦することはないと思いますが、ではどういう展開にしてくのか。ちょっと予想がつかないので、楽しみです。
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