軌跡シリーズで最も特徴的なものの一つが、モブキャラクターの作りこみ。大抵のモブキャラクターに名前はもちろん細かい設定まであり、ストーリーの経過と共に会話の内容が変わっていくのはRPGとして珍しいところになります。(他のゲームはそこを突き詰めるよりも、グラフィックのクオリティをあげる方が優先度が高いのだと思います。)
その理由はインサイドの近藤社長のインタビューで語られていました。
「『英雄伝説』シリーズというのは、第一作発売当時に人気だった他の有名RPGに対して「日本ファルコムがどう戦っていくのか」を基礎」としており、それが「グラフィックに頼るだけでなく、「物語」に力を入れよう」という方向性になったとのこと。
グラフィックの品質=会社の資金力のフィールドではなく、ライターの力量で戦えるかもしれないストーリーの部分で他RPG戦おうとしたことが英雄伝説の根幹になっていきます。そこから他のRPGにはないモブキャラクターの細かい設定や奥深い話を築き上げていくことになったようです。
実際にグラフィックの面では、空の軌跡FCが発売された2004年では他のRPGは3Dモデルに切り替わっており、2Dで新作を発表していく軌跡シリーズは異端に見えました。
2004年 空の軌跡 FC
2010年 零の軌跡
2000年 FF10
20006年 FF12
2009年 FF13
2004年 DQ8
2005年 テイルズオブジアビス
2008年 テイルズオブヴェスペリア
他社とグラフィックの面で対抗しようとすると、どうしても会社の規模で不利になってしまうため、ストーリーや設定などの細かいところの作りこみで勝負してきた軌跡シリーズ。
近藤社長のインタビューでは今後も貫けるだけ貫いていきたいと語っていました。
steamでPC版もリリースされるようになってからは海外で軌跡シリーズを触れられるファンも増えたようですが、海外での反応も日本と似たようなものでストーリーやキャラクターに注目するファンが多いとのこと。
日本の漫画やアニメが海外に広がっている状況で、ストーリーや設定に重きを置く軌跡シリーズの作品を好きになるファンも増えているのかもしれないですね。
とはいえ、最近はグラフィックやモーションにも力を入れ始めた印象がある軌跡シリーズ。
黎の軌跡よりも黎の軌跡Ⅱの方がプロモーションに力が入っていることから、最近の方向性も成功しているように見えます。
最先端の三大RPG(DQ、FF、テイルズ)に追いつけ!・・・とは言わないので、それらの進化を参考に軌跡シリーズも順調に進化していって、今後も面白いRPGを堪能させてほしいです。
そうしてくれないと、生きる気力が湧かないので!
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