「馬鹿な主人公(笑)の魅力」幼馴染が絶対に負けないラブコメ 2巻 感想

ライトノベル

現在、アニメが放送中の「幼馴染が絶対に負けないラブコメ」2巻の感想です。

個人的に1巻よりも2巻のほうが自分に合っており、すごく面白かったです。良くも悪くも主人公への理解が深まったのが、2巻が面白く感じた理由の1つかなと思います。

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主人公(丸 末晴)の人物像

1巻が微妙に感じた原因に主人公の丸の行動が納得いかないというのがありました。振られた腹いせに復讐しようとするくらい白草に惚れていたのに、土壇場になって黒羽に告白。黒羽の計画通りではあったのですが、個人的には丸の行動がふわふわしているなという印象を持ってしまいました。しかし今回、白草に対して「俺のことどう思っているのか分からない」と思っているのを見て、「あ、こいつ単にバカなんだな。」と納得しました。いや、どう見ても惚れてるじゃん!隠そうともしてないじゃん!まあ、良くも悪くも馬鹿で単純なんだなと納得すると、1巻の心の移り変わりも気にならなくなりました(笑)。

あと、元天才役者という設定ですが1巻ではそこの描写もそこまでなく、ぴんと来ていませんでしたが、2巻ではその才能を遺憾なく発揮しています。周りの登場人物が主人公の才能に惹かれて行動していることにも納得がいき、話の展開をすんなりと受け入れることができました。また子供のころから大人の世界で生きてきたということで周りの大人たちに低姿勢に接しているのも私的には好印象でした(ヒロインは引いていましたが(笑))。社会人としては周囲に対する配慮ができる人物は尊敬できます。

このように丸の人間性を1巻の時より理解でき、好感を持てたため話に感情移入しやすくなりました。

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意外なキャラだった新ヒロイン桃坂 真理愛

1巻が微妙に感じた原因の2つ目に最終盤で出てきたヒロインの真理愛がありました。国民的女優で、愛され妹系、明らかに丸に好意を持っている真理愛が突然丸に会いに来るという、あまりにもテンプレすぎるキャラと展開を取ってつけたようなものに感じてしまい、逆についていけなかったところがありました。

しかし、この巻で真理愛というキャラの描写が進むと、単なる愛され系妹キャラではないことが分かりました。

①生い立ち

真理愛は幼少期はかなり厳しい環境で過ごしています。両親は共に水商売をしており、家庭内での暴力は真理愛にとって日常でした。その際に自分を守ってくれたのは年の離れた姉。姉は桃坂を助けるために一緒に家を出て、学校にも行かずに働きます。そんな姉に真理愛は心から感謝しますが、同時に優しくて頭のいい姉が学校にも行けないことに不平等さを感じ、社会や周りの人間を憎むようになります。スカウトされ子役としてデビューしますが、そこでは一切心開かずに周りを困らせることばかりをしていました。

②丸との関係

そんな時に出会ったのが、天才子役として活躍していた丸。真理愛は最初、自分と違って才能を持ち、周りから愛される丸を敵視していました。ある時、丸から「もっと出来るのになぜやらない」と指摘され、真理愛は「そんなことはない」と反論します。しかし、丸はお前には才能があるじゃないかと言います。常に周りを困らせられるということは、常に周りが求めていることに気づき反対の行動をしているということ。そのように気付ける才能と実際に困らせる行動をとれる才能があるのに、なぜ本気で子役を演じないのか。周りを見下していた真理愛にとって、その周りからちやほやされていたはずの丸から自分の心の内を鋭く指摘されてしまい、動揺します。そして演技の才能は同世代に比べて明らかに抜けていた丸から「才能がある」と言われ、姉を助けるためにも本気で子役に挑むことにします。

③丸への感情

上記の一件を経て、丸に対して特別な感情を抱くようになった真理愛。丸への態度を見る限り、その感情は恋心と言っても過言ではないと思います。しかし、丸に惹かれたのはあくまで丸の演技への才能を通して。丸の才能がブランクにより錆びていて、失望したらどうしようという悩みも出てきました。無条件で丸が好きというわけではありません。

と、彼女の背景から分かるように性根が純粋なヒロインではありません。周りを正確に理解でき、自分の所作を細かくコントロールすることで誰からも愛される妹キャラを演じています。心の中は誰よりも冷静で、打算的に考えています。こういうキャラがいることで、ハチャメチャな他のキャラクターの中で話が落ち着き、また恋のバトルにピリッとした緊張感が出て私好みの空気が出ました。私的にはこの作品で一番好きなヒロインであり、2巻が面白かった主な要因でもあります。

他にも割と恋愛脳(笑)な丸が素の性格を知っている真理愛に対しては恋愛云々抜きで関わっているのも私は好きです。あと、黒羽さんと白草ちゃんへ向けての切れ味鋭い毒舌も好きです(笑)。

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まとめ

主人公の深ぼりと新ヒロイン真理愛の魅力により、2巻は個人的にすごく面白かったです。あとは男キャラも含めたキャラクターたちの策略の応酬。各々のキャラが自分の目的のために様々な策を設け、行動していくところも私好みでした。そういう意味では白草ちゃんが心配です・・・。恋愛方面では一人だけ感情のままに動いているけど大丈夫?黒羽にはめられるよ?

私事ですが、アニメをまだ見れていないんですよね・・・。この作品は意外にアニメに落とし込むのは難しそうな気がします。通常はテンポのいいコメディが続きますが、その裏で(主に黒羽さんの)策略が蠢いており、そこの心情の描写が必要になると思います。アニメ25分の枠の中で、どういう配分にするのか・・・少し心配ですが、逆に楽しみです!


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