「ロサンゼルス3000万人消失」創約 とある魔術の禁書目録 4巻 感想

バトル

3巻が正義寄りも悪寄りも平等に死に、純粋に正義を貫いたものが報われるわけでもなかったのに対し、4巻は完全な悪に対して正義側(主人公側)が圧倒的ハッピーエンドに向かってノンストップで進んでいくという、とある魔術の禁書目録らしい話となりました。

本当に3巻と同じ世界観なの?という位、世界が善性に包まれていたように感じました。浜面が主人公の時と違って上条さん主人公だと世界中がハッピーエンドに向かって突き進んでいきます。

むしろこれが上条さんの恐ろしい能力なのでは?

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あらすじ

母と娘の絆を取り戻すため、上条は極寒のロスをただ、走る!!

あががが……寒すぎて死んじゃうぞ、ちくしょう!
病院のベッドからどうにか抜け出した上条当麻が降り立ったのは、温暖なはずが極寒となったロサンゼルス!? ……しかも全人口消失という異様な状況で……!?
アンナ率いるR&Cオカルティクスが引き起こしたこの異常事態下で、上条とインデックスは共に事件解決に挑んでいく。
強襲する敵の魔術師を躱した先に出会ったのは、たった唯一の生存者である銀髪褐色の幼い少女、そしてその母親の『痕跡』だった――。
母と娘の想いを上条が受け継ぐとき、その『暗闇』は打ち破られる!!

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ハリウッド映画のような展開

今回の事件概要がこちら!!!

  • ロサンゼルスで3000万人が消失
  • 普通ではありえない極寒の気温
  • 何故か所々で謎の砂
  • 大気圏内を移動させることでロスなく物を配送させることができるというトンデモテクノロジー
  • その中心にいる謎の企業 R&C オカルティクス

ハリウッド映画でありそうな設定ですね。鎌池先生はもともと「ダイハード」影響を受けているようなので、洋画が好きなのかなと感じます。

ただここまで壮大な話になってくると、事件解決に上条さんを絡ませるための説得力が必要になってきます。(まあ、とあるシリーズでは今更のような気もしますが・・・)。そこでスーパーアドバイザーのオティヌスさん登場!!!魔術の専門家である彼女が何故か科学サイドにも博識であり、アドバイザーとして大活躍!!!上条さんのメンタルを補助するカウンセラーとしても頑張っていました。

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科学と魔術の融合

科学と魔術の対立と科学と魔術の共闘は今までありましたが、魔術の術式を科学で強化するという融合は今回が初めてのような気がします。

魔術:対象を大量の砂で囲むことで対象を消失

科学:ロジスティックホーネットという全長5kmの飛翔体を使い広範囲の気象を操る→大規模な砂嵐も起こせる

⇒大量の人物を砂嵐に巻き込み、消失させることが可能に。

これは作品内で魔術と科学がかつてないほど近づいていることを示唆しているような気がします。

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互いに信頼できないことをだれよりも理解しているステイルと上条さん(笑)

人の善性を信じず割と直ぐに冷静さを欠くステイルさん、人の善性を見返り無く信じ一度決めたら突っ走る上条さん。今回も全く予想通りに衝突しました(笑)。

仲間の神崎さんが砂の餌食になったこと、神崎さんがやられた原因に保護した子供の母親(メルザべス=グローサリー)が作ったロジスティックホーネットがあったことにより、この親子を敵として見なすようになったステイル。(ぶっちゃけ、子供のほうは関係なくねとも思いましたが、まあステイルさん14歳ですし、神崎さんやられて頭が混乱したんだろうなと)

親子をかばう上条さんにマジで殺す気で発砲します。

マジかや・・・ - 進撃の巨人 | アル

「進撃の巨人」 諫山創 講談社 

流石にやりすぎでは?

しかし、どうせステイルとの共同戦線なんてすぐに崩れると予想していた上条さん、防弾チョッキみたいなものを衣服の中に用意して命の危機を回避。

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「コブラ」寺沢武一 集英社

ステイルを恨むでも罵倒するでもなく、「まあ、こうなるよね」で済ます上条さんが一番異常。そして、旧約の1巻から知り合いなのに透けて見えるくらいの薄っぺらい信頼関係しか築けない2人をもう作戦に組ませるなと思いました(笑)。

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「平等」な処罰を求める新統括理事長

一方、クローンを1万人殺した罪を償うために裁判を受けているアクセラレータ。ところが弁護側どころか検察側も罪を認めない異常事態となります。

理由としては、クローンを2万人作り、殺しの実験をしていたという学園都市の闇を外に出さないようにするため。アクセラレータの罪を認めるとその他大勢の罪も認めることになっていしまうので、それを避けたいようです。

そこで、アクセラレータはイギリス政教の新しいアークビショップと協力し、クローンの御坂妹たちにロスの事件解決に協力させ、その様子が全世界に流れました。これにより世界にクローンを周知させ、クローンという存在に好印象を抱かせることに成功。結果、クローンは存在し、クローンを殺した罪を世界的に重罪と認めさせることができました。

これを受け判決はどうなるのか?続きは次巻で!!!

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世界に周知させた「御坂妹」

ロスの事件解決協力により世界に存在が知られたクローン。

今のところ世界は好意的ですが、はたしてどうなるのか・・・。まあ、何かあっても上条さんとお姉ちゃんが何とかしてくれるでしょう!!!(まあ、その前にお姉ちゃんはこの件で色々と大変なことに巻き込まれそうですが。)

そんなことより最大の懸念は白井黒子という超絶変態の存在。この事実を知った今、どんな(変態)行動に突き進むのか本当に楽し・・・心配になります。

 

アニメ版の白井黒子「あああおん!おねえざまあああああん!(ババア声)」 – なんでもまとめ速報

「とある科学の超電磁砲」鎌池和馬 J.C STAFF

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やっぱり生きていたアレイスターちゃん

今回、R&Cオカルティクスの幹部を皆殺しにして終わりますが、それを行ったのは我らがアレイスターちゃん。新統括理事長のアクセラレータが学園都市の裏(暗部)を放棄するのであれば、私が利用して今回の事件の黒幕であるアンナ=シュプレンゲルを殺すと息巻いていました!ここからどんな見事な失敗ぶりを見せてくれるか楽しみです!

ちなみにアレイスターの新しい仲間(?)は、可愛いワンコの木原先生と宿主(アレイスター)より大分地位が低い宿儺さんっぽくなったローラさん!・・・あれ、前より戦力強くね。

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アンナ=シュプレンゲルの目的

今まで、私の趣味は世界を絶望に染め上げ、それをせせら笑うことですと言わんばかりの行動をとってきたアンナ=シュプレンゲル。しかし、その目的は自分が甘えて一方的に頼れる人を探すという、仕事に疲れたサラリーマンが誰かに癒しを求めることとほぼ同じようなことでした。これにはかなり共感してしまいました。

私も可愛くて、家事ができて、何でも我儘を聞いてくれて、私を肯定してくれて、優しく甘えさせてくれる彼女が欲しいと切に、本当に切に願っていますので。(そんな女性は存在しないし、居たとしても私に尽くすメリットは一切なく、つまりあり得ないのは百も承知です。はい。)

ただ、アンナの場合は力が強大すぎて甘える相手にはアンナの力に耐えられるだけの耐久力が必要みたいで、そのために世界を地獄に落とし、その地獄に耐えられるだけの人物を探している疑惑があります。本当にはた迷惑です。

自分の理解者が欲しかったオティヌスと似ているような気がしますが、オティヌスが対等な理解者が欲しかったのに対しアンナは自分が甘えられる保護者のような立場の人間を欲しているので、アンナのほうがより幼い願いのようですね。

そして最後に出てきた「ニュルンベルクの乙女」と「絵本の魔女」。ニュルンベルクの乙女はアイアンメイデンを指していると思いますが、絵本の魔女のほうはよく分かりませんでした。童話の「不思議の国のアリス」のアリスという人物の名も出てきたので何かの童話の登場人物だとは思いますが・・・。(・・・鎌池先生の作品で「不思議の国のアリス」ときいたらとある女王が頭に浮かびますが・・・まさかね・・・あの人出てきたら敵も味方も存在が喰われますしね・・・)

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インデックスさんの正妻感

アドバイザー役をオティヌスさんに奪われロスに来てまで留守番役のインちゃん。それでも、問答無用で上条さんについていこうとするオティヌスよりも、置いていかれても平常心で待ち続けるインちゃんの方が上条さんのことを信頼しているように感じます。

また、事件解決後に自分がロスの3000万人を助けたことを上条さんが黙っていることに理解を示し、笑いながら上条さんに体を寄せるインちゃんには圧倒的勝ちヒロインオーラが出ていました。上条さんからの連絡にグチグチ文句を言いながらコール3回で電話に出たびりびり娘と、(ほかの女の携帯に)連絡が来て大喜びしているシイタケ目さんはもう少し危機感を持った方が良いと思う。

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ロベルトカッツェの魅力

元々はメキシコからの移民であり、学歴的にも高卒中退のアメリカ大統領ロベルトカッツェ。政治家とは思えない奔放な言動を行い、品のかけらも感じさせませんが、今回の彼の主張は凄い魅力を感じました。

「世界で最高にイカしたこの国(アメリカ)が人を生まれで非難する道理はない!!」「人から信用をもらう第一の条件はな(中略)まず正直であることだよ」「自由と夢を取っちまったらアメリカはアメリカじゃなくなるんだよ」乱暴に、粗雑に、しかし堂々と、そして確かな根拠を持って言い切るロベルト大統領は確かに魅力的な政治家でした。彼が主人公の物語も読んでみたいと思ったくらいです。

ちなみに私はアメリカを様々な差別偏見に耐えれば自由であり、金があれば夢をかなえられる国だと考えており(アメリカという国は好きです。)、政治家は本音と建前の2面性をしっかり使い分けられる人の方が信頼できるため、ロベルト・カッツェに投票することは無いですね。

はい、私、最高にひねくれた人間です。

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まとめ

窮地に陥ったヒロイン(今回はグローサリー親子)を上条さんが真っすぐな正義感で助けるというとあるシリーズらしい巻だったなと思いました。ただ、やっぱりその巻で出てくるゲストキャラのヒロインだと少し盛り上がりに欠けるかなとは思いました。インデックスや美琴のようにその後の関係性が深まりそうだったり、食蜂さんのように既に関係性の深い人物だったりすると盛り上がるのですが・・・。どうしても上条さんが主人公だと8,9割ハッピーエンド確定なので緊張感やカタルシスがどうしても少ないんですよね・・・。それか蜜蟻さんのときのようにバッドエンドが見えてくると物語により集中できるんですが、これは個人的な好みですね。

アンナという敵側に、アレイスターというイレギュラーが入ってきて更に混沌としてきました。個人的には悪VS悪という構図は心躍るのでこの2勢力の争いは非常に楽しみです!

・・・たまには美琴と食蜂さんのガチ恋愛バトルみたいなのも見たいけど、たぶん無いですよね~。


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