「塩というより砂糖では?」塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い

ガガガ文庫

ガガガ文庫から出ている話題の「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」。

ガガガ文庫にしては珍しく(?)100%両思いのド直球ラブコメでした。

最初の2,30ページくらいでヒロインの「塩対応」のイメージは全くなくなるので、タイトルからの予想とは全く異なる印象の作品に。

主人公とヒロインの初々しい恋愛ももちろん魅力的ですが、何より周りのサブキャラクターたちにも一人一人しっかりドラマがありそうな描写が登場人物全員を魅力的にしていました。

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あらすじ

胸焼け必至!両片想い男女の甘々ラブコメ!
「佐藤さんは高嶺の花で誰に対しても塩対応。でも、意外と隙だらけだって俺だけが知ってる。写真を撮るのが下手。そのくせドヤ顔しがち。そして、へにゃっと笑う顔がすごく可愛い」
「押尾君は誰に対しても優しい。でも、意外といじわるなところもあるって私だけが知ってる。SNSを使うのが上手。オシャレなカフェの店員さん。そして、悪戯っぽく笑う顔にすごくドキドキする」

――これは内緒だけど、俺(私)はそんな彼女(彼)のことが好きだ。

初々しくて、もどかしい二人の初恋の物語。
尊さ&糖度120%! 両片思いな甘々青春ラブコメ!

小学館HP
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特徴

最初から好感度MAX状態で始まるラブコメ。

お互いに相手のど真ん中に矢印を向けているのに、何故かその矢印を無意識に避けてしまうちぐはぐさが特徴的でした。

主人公視点とヒロイン視点の描写が6:4くらいで、他の作品よりもヒロイン側の描写が多いのも特徴だと思います。主人公視点で主人公は恋愛に不慣れな男が大好きな女の子の言動にいちいち動揺してしまうというライトノベルらしい主人公でしたが、ヒロイン側の視点では主人公の言動が白馬の王子様に見えてしまう少女漫画のような描写でした。

主人公とヒロイン側の視点で見え方が全然違うのも、この作品の特徴の一つかなと思います。

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魅力

恋愛に不慣れな主人公とコミュ障のヒロインの一途ながら、何故かすれ違うラブコメもこの作品の魅力の一つですが、一番の魅力は周りのキャラクター達だと思います。

ラブコメ、特に1巻だと主人公とヒロイン以外のキャラクターは、主人公とヒロインのラブコメを手助けする舞台装置のような役割になることが多いと思います。この作品のサブキャラもそのような役割を担っていましたが、それとは別に各キャラそれぞれにドラマがあるような気がしました。

例えば、主人公の押尾の恋愛を強引に推し進めようとした押尾の親友の姉や、その行動を見て手を上げてまで抗議した普段は穏やかな大人の女性の麻世。二人の言動には何かしらの背景や経験があるんだろうなと思い、サブキャラクターたちにも強く興味を惹かれました。

特にヒロインの従姉妹の凛香ちゃん。大人ぶっている女子中学生が主人公の押尾に惹かれてしまうところは、押尾の矢印がヒロインのこはるにしか向いていないのも含めて、つい応援したくなります。

・・・やはり、わたしは負けヒロインに惹かれる運命か・・・

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考察

男側(主人公側)の視点と、女性側(ヒロイン側)の視点に大きく二つ分かれていましたが、私の好みで言うとヒロイン側の視点が面白かったです。

ヒロイン側の視点では、主人公のカッコよさが前面に際立っていて「そりゃ、こんな言動をされれば惚れるわ。」と納得しました。主人公の言動に惹かれる様子が丁寧に描かれていて、ヒロインの主人公と何とか仲良くなりたいという様子を素直に応援できます。

一方、主人公側の視点では何となく違和感がありました。それは、主人公側視点で描かれる恋愛に不慣れな男という描写とヒロイン視点で描かれる王子様のようなイケメンムーブが一致しないからかなと思います。あんなスマートな言動ができるなら中学生時代相当モテたのでは、と。

極端に言うと、物語の展開のために主人公が動かされたような印象を受けました。

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まとめ

題名からの予想とは違い、珍しいくらいの両思いでスタートした「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」。主人公とヒロインの恋愛はものの見事に1巻で成就していますが、2021年7月現在4巻まで出ている見たいです。

上記でもあるように、サブキャラクターたちの背景が深そうなので、関係する人物が広くなっていくであろう2巻以降のほうがより面白くなるんじゃないかなとワクワクしています!


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