ミモザの告白 1巻 感想 面白い以上に考えさせられる作品。重たいテーマに反して、文章は読みやすかった!

ガガガ文庫

性に関しての認識の違いを 恋愛作品に取り組んだ物語。

繊細な問題に対して、周囲のリアルな反応を細やかに描写し、少年少女の心が揺れ動くところを分かりやすく丁寧に描いており、面白いよりも心に響いた作品でした。

ちなみにミモザの花言葉には「秘密の恋」があるそうです。

ネタバレありです。

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あらすじ

その告白が、世界を変える。

とある地方都市に暮らす冴えない高校生・紙木咲馬には、完璧な幼馴染がいた。
槻ノ木汐――咲馬の幼馴染である彼は、イケメンよりも美少年という表現がしっくり来るほど魅力的な容姿をしている。そのうえスポーツ万能、かつ成績は常に学年トップクラス。極めつけには人望があり、特に女子からは絶大な人気を誇っている――。

幼馴染で誰よりも仲がよかった二人は、しかし高校に進学してからは疎遠な関係に。過去のトラウマと汐に対する劣等感から、咲馬はすっかり性格をこじらせていた。

そんな咲馬にも、好きな人ができる。
クラスの愛されキャラ・星原夏希。彼女と小説の話で意気投合した咲馬は、熱い恋心に浮かれた。
しかしその日の夜、咲馬は公園で信じられないものを目にする。

それはセーラー服を着て泣きじゃくる、槻ノ木汐だった。

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特徴

主人公の咲馬と幼馴染の汐。目立たない咲馬に対して、容姿端麗・文武両道・女生徒からも人気のある汐。立場の違いで疎遠になっていた二人だが、ある日、汐が女生徒の制服を着てクラスに現れることで状況が一変。

「今日から女子としてやっていきます。」汐の告白から再び交友を持つことになった二人。クラスメイトの反発、嘲笑。家族でさえ(だから?)受け入れてくれない問題に対して、時に傷つけあいながらも絆を深めていき、しかしながら性に対する認識で相手の本当の懐までは入れない。そこに汐に惚れていて、咲馬から惚れられている夏希が加わることで奇妙な三角関係ができ・・・という物語。

私もこのような問題に対しては詳しくは無いので見当違いかもしれませんが、ライトノベルという媒体で性同一性障害(なのかな?)に関して当人の考え、周りの反応を可能な限りリアルに描写した作品となっているように感じました。(障害という表現も誤りなのかな。)

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魅力

揺れ動く主人公の気持ちがよく分かる作品

主人公の咲馬は良くも悪くも等身大の男子高校生。

劣等感から汐と距離を取っていましたが、汐の告白でクラスからはじき出される汐を見て、放っておけずに汐の味方になりました。(汐が自分とは近い立場になったことで近寄りやすくなった面もあったのかなと邪推してみたり・・・)

汐の意見・選択を尊重しようとしますが、汐から告白をされると動揺。男としての汐を意識して恋愛関係にはなれないと考えます。かと思えば、元々中性的な美形であった汐の仕草に対してドキッとしたり、汐にちょっかいを出してくる世良に嫉妬したりとフラフラします。

また、中学時代のトラウマで女子の思わせぶりな態度には勘違いしてはいけない!と思いつつも夏希の距離感近いコミュニケーションに否応なくニヤニヤしてしまったり・・・。やっぱり比企谷八幡みたいな達観した男子高校生はいないよね(笑)。

割と自分の意見があっちへフラフラこっちへフラフラして理想的な主人公ムーブができない咲馬でしたが、でも高校生というか人間ってそんなもんだよね、と共感できる主人公でもありました。

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考察

全然詳しくない私が語るのがおかしいのは百も承知ですが、性に関しての認識の違いを物語に内包する中で、相当配慮した作品ではないのかなと。

恋愛作品では、何かしら設定にアクセントがないと物語が作りにくいのかなと思います。特にライトノベルでは一般小説にはないような、奇抜な設定がないとまず手に取ってもらえないと思いますので・・・。そういう意味では 性に関しての認識の違い を設定の一つとして加えるのは、アクセントになると思いますが・・・繊細な問題なので扱いが難しい。

この作品では、その問題に対してあえて周りのリアルな反応、対応を細やかに書くことで物語の中で誠実に向き合っていたように感じます。

・・・浅学なので、中々上手く感想が書けないですね。

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まとめ

感想を書くのも難しい題材を、リアルに丁寧に描写し、恋愛の物語に見事に組み込んだのは凄いなと思いました。

また、重いテーマに反し、文章自体は読みやすかったのも個人的にありがたかったです。

あと、テーマとしては性に対する認識の違いだけではなく、マイノリティな考え方の受容なのかなと。汐の女性への生き方の転換を相当過激なやり方でやめさせようとした西園、複数の女性と付き合うことになんの抵抗もない世良。読んでて抵抗のある2人でしたが、物語の中で間違った考え方だと一方的に糾弾されることはありませんでした。性に対する認識の違いを受け入れるには、他のマイノリティな考え方も受け入れようとする必要があると言うことかもしれません。(だからといって、西園のやったことは、やりすぎだと思いますが)

間違いなく面白かったのですが、それ以上に考えさせられる作品でした。

それと、最後の参考文献で「人はなぜ不倫をするのか」という書物があって、ちょっと笑いました。

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